飲食業界でいま、追い風に乗っている現場に、どんなトレンドが吹いているか―――。
実業家 嶋村吉洋氏率いる若手起業塾「嶋村塾」は、8月19日、東京・麻布十番のレストランで交流会を開き、いま飲食業界で注目されているキーマンたちの経営姿勢、トレンドなどを共有。そのレポートが届いた。
この日、会場にはKing’s Road 川久保和明マネージャーや、エンタメディア 菊池正喜社長らの姿も。King’s Road といえば、「鮨 まさ志」など全国に35店舗を展開し飲食業界で一目置かれた存在。また菊池正喜社長といえば、新宿で「MK CAFE」を手がけ、さらにソーシャルメディアLIVE配信番組「MK TV」のプロデュースで知られる。
King’s Road 川久保和明マネージャーは、「大事なのは、ベンチャーならではのスピード感と、気負いせずトライアルアンドエラーを重ねて前進すること」と語る。
現場で身につけた感覚、そしてカフェ発 地方創生
「たとえば器ひとつをとってもそう。なぜこれを使うかを考えて、顧客がちょっと手を伸ばせば届くような、ちょっといいものを選ぶとぱっと光る。そういう感覚も、現場で身についてきましたね」(川久保マネージャー)
また、リピーターと席数のジレンマについても説明。「リピーター獲得をめざすならば、席数を増やすことにこだわらない。席数にゆとりをもたせて、リピートしてくれるように、しっかりと顧客満足度を高めることに集中して」とアドバイスしていた。
いっぽう、菊池社長は「MK CAFE」を開いたきっかけについて、こう振り返る。
「最初のきっかけは東日本大震災。当時ぼくはイベント事業を手がけていて、被災地の人たちに気軽に使ってもらえるようなスペースをつくろうとしていた」
「でもなかなか現地の人たちに声が届かず、うまく活用されなかった。そんな経験から、なにかトラブルに遭ったとき、気軽に助けあえるような場所をつくりたいと考えたのがきっかけです」(菊池社長)
そんな菊池社長はこの MK CAFE 発の地方創生にむけた取り組みにも動き出し、あの「ごぼう茶娘プロジェクト」を発進。さらに東京五輪をめざすアスリートやアーティストなどが出演するFacebookライブなども手がけ、いま注目を集めている。
そしてもうひとり、こんな若手起業家も……。
経営者への一歩を踏み出す若手 「フェアなステージで実力主義」
さらに、現在 嶋村代表のもとで出版事業や講演会事業を担当する権藤優希氏は、「これからの20年にむけて努力している嶋村さんの貪欲な姿勢を見て、ぼくもこの先、20年で仕事をがんばっていくためには、まだ土台もできていないって気づいた」と明かす。
そんな権藤氏はつねづね、「飲食店を経営してみたいという想いはあった」という。そんな彼がある日、「いい物件がみつかった」と嶋村代表から声がかかる。
そして権藤氏は、嶋村代表のプロデュースを得ながら飲食事業の経営者として一歩を踏み出すことに。この会場でも彼は、「こうした経営塾で学んでいなければ、いまの自分はない。もちろん、これからがまさに船出だけど」と意気込む。
―――嶋村塾から離陸していく若手たちをみつめながら、嶋村代表はこう語る。
「飲食業界の経営者たち、マネージャークラスの人たちをみていると、やはり実力主義の現場ってことを実感しますよね。原理原則に則って基本に忠実に取り組んでいらっしゃると思います」
「どの業界も共通しているのは、フェアなステージで実力主義、そして基本に忠実。この姿勢はほかの業界にも通じるものじゃないかなと思いますね」(嶋村代表)
tokyochips編集部