鉄道チャンネルがLINE LIVEとYoutubeで毎週水曜18時からお送りする「しゃべ鉄気分!」、通称「#しゃべ鉄」――皆さんご存知三人組がお送りする鉄分多めのトークライブで二度も取り上げられたペットボトル飲料がこちら「From AQUA 天然水ゼリー ラムネ風味」。JR東日本ウォータービジネスがてがけたもので、今年の3月から関東のJR駅構内で見かけるようになりました。
いま密かに人気があるらしく、インターネットで軽く検索をかけてみると「つかめる水」と表現する紹介記事や「飲むシャンプー」「振っても出てこない」といった感想が見つかります。普通に考えるとまともな飲料の感想ではないのですが、放送中も好意的なご意見が寄せられており、どうやら謎の中毒性があるらしいと分かります。
「実際、売れてるんですか?」と関係者にお尋ねしたところ、新型コロナウイルスによる影響で駅利用者数が大きく落ち込んでいたにもかかわらず、この「水ゼリー」は当初予測の174%もの売れ行きを達成。増産を続けているそうです。
実際に飲んでみた
「『飲むシャンプー』はないやろ……さすがにそんなゲテモノは売れへんやろ……」と思って公式サイトを見ると「谷川連峰から湧き出た天然水で作ったゼリー飲料。シニア世代からお子様まで楽しめるラムネ味で、清々しく、冷涼感あるすっきりした味わいです。強く振ってお好みの食感でお楽しみください。」と、いたって普通の清涼飲料水のような説明文が。
なんか普通に美味しそうですね、ということで一本飲んでみることに。ゼリー飲料なのでペットボトルをシャカシャカ振って中身を砕きます。バーテンダーがシェイカーを振るように。
で。
これだけ振ったら大丈夫だろう、とキャップを開けてグビっとあおると……
……出てこない。
ほんの一瞬だけ、舌先に甘いものが触れる感覚はありました。ラムネ風味。清涼感が駆け抜ける。でもそれだけ。中の水ゼリーは砕けることなく、飲み口で詰まったまま静止している。ペットボトルをさかさまにしても出てきません。
「んぐっ」っと思いっきり吸引したら、ようやくゼリーが砕けて破片が下りてくる始末。これは吸引力の限界を試す飲み物ではないか、と感じられるほどでした。さすがにらちが明かないのでもう一度、今度はバーテンダーからゴリラに進化したつもりでシャカシャカ、シャカシャカ……それでもなかなか出てこない。これはもう重力に対する反逆では?
でも肝心のお味は……? というと、これが美味しい。ラムネ風味ですっきり爽やかなお味。谷川連峰の夏が封じ込められてる。問題の飲みにくさもシェイクしているうちに解決し、終盤戦ではこまかいゼリーの塊がきちんと降りてくるようになりました。最初のひと口は確かに無駄にハードルが高いのですが、味についてはなんの問題もありません。ファンが多いのもうなずけます。
でも成人男性が小さなペットボトルに吸い付いてチューチューしてるのは絵面としてかなりアレなのでは……という気持ちにもなりますので、記者個人といたしましては、飲む前にがっつりシャカシャカ振っておくのをお勧めいたします。もし関東のJR駅構内でひたすらシャカシャカしている学生や、ペットボトルに猛然と吸い付くスーツ姿の男たちを見かけたら、それは水ゼリーの魅力に憑かれた人なのかもしれません。
実際に飲んでもらった
鉄道チャンネルをご覧の皆様にはおなじみの柏原美紀ちゃんにも試飲をしてもらいました。別件で撮影中のところに「差し入れです」と言って持ち込み、ついでに写真も撮ってもらう作戦です。
「ラムネ風味の味なので、夏にはほんとぴったり。キシリトールの感じと爽やかさがいいですね」
先入観のない極めてまっとうな感想はこちら。気になる方は関東のJR駅構内で「天然水ゼリー」を探してみてくださいね。楽天などの通信販売サイトでも購入できるようなので、関東近郊にお住まいでない方でもご購入は可能です。この吸引体験を共有してみたい方は、ぜひ。
文:一橋正浩 写真:神森沙織