箱根 小涌谷、美の殿堂・岡田美術館で1月に第1戦が行われる、女流棋士界で最古の歴史をもつ大勝負―――岡田美術館杯 女流名人戦。
ことしの第46期岡田美術館杯女流名人戦 五番勝負では、里見香奈女流名人と室谷由紀女流三段が対局。里見香奈女流名人が3勝0敗で、女流棋戦歴代単独最多となる11連覇を達成した。
そんな熱い闘いを繰り広げ11連勝という快挙を達成した里見香奈女流名人が、第46期 岡田美術館杯 女流名人 就位式に登場。
晴れ着姿で登壇した里見香奈女流名人は、「就位式の開催にあたり、何度か延期になりましたけど、準備を重ねて開催していただきましたこと、心より感謝を申し上げます」とあいさつ。こう続けた。
結果を気にすることなく対局に臨めた
「今回の女流名人戦は11連覇がかかるということで、大変な関心を寄せていただきました。私自身は結果を気にすることなく対局に臨めたことが、いい結果につながったのではと思っています」
「やはり、タイトル戦を戦うことは最大の勉強になるので、今回も大変貴重なシリーズを送ることができました。これから、もっともっと精進してまいります」
「過去に執着することなく、明日から一新して精進していきたいと思います」(里見香奈女流名人)
羽生善治九段も祝福「実績的にも結果的にも伝説、レジェンド」
「里見さん、女流名人11連覇、誠におめでとうございます。里見さんの存在を知ったのは、小学生の高学年くらいのとき。地元の出雲にうかがう機会がありまして、すごく将棋の強い女の子がいるらしいと話を聞いたことの記憶と印象が残っていました」
「そこから5〜6年経ったら、もう女流名人を獲得されていた。そしていま、11連覇ということで、たいへんな記録を達成されたと思います」
「今回の5番勝負の棋譜も見させていただきましたが、難解な中盤の捻り合い、お互いに何をやればいいのか、どちらがいいのかということがよく分からない局面で、知らないうちに一歩抜け出す展開が非常に多くて、自力と強さを感じました」
「11連覇ですから、実績的にも結果的にも伝説、レジェンドを呼ばれておかしくないものをもう残されているのですが、まだまだ20代でお若いので、ますます今後、精進され、女流棋界の力を向上させていってほしいなあ、と思います」
「最近、盤外でも関心したことがひとつありました。『シナモロールとはじめる子ども将棋入門 』という本を監修されておられましたが、なるほどその手があったか、と関心しました。盤上のみならず、さまざまな世界で里見さんにはこれから先も活躍していってほしいなと思います」
「ありのままでがんばっていただけるのがいちばんだと思っています。今後ますますの活躍を期待しています」(羽生善治九段)
―――里見香奈女流名人の12連覇か、それを阻止する新たな女流棋士が誕生するか……。2021年1月、岡田美術館から始まる岡田美術館杯女流名人戦に、期待が高まる。
(画像:日本将棋連盟)
岡田美術館杯女流名人戦
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