クラリベイト・アナリティクス・ジャパンは2月24日、「世界で最も革新的な企業・機関」100社を発表・表彰する「Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2021」のオンライン記者発表会を開催。
発表会にはクラリベイト・アナリティクス・ジャパン 櫻井諭 代表取締役、同 バイスプレジデントIPグループ日本部門 小島崇嗣 代表が登壇。2021年受賞企業の発表と、傾向などを解説した。
また後半には、10年連続受賞企業のパナソニックIPマネジメント 足立和泰 代表取締役社長と、日立製作所 知的財産本部 比嘉正人 部長が登壇。10周年記念トークセッション「イノベーションを起こすための経営・事業戦略とは」と題した話題を紹介した。
毎年発表しているこの Top 100 では、クラリベイトが保有する特許データベースをもとに、数量・成功率・グローバル性・影響力という4つの評価軸で客観的に知財や特許の動向を分析。
独創的な発明のアイデアを知的財産権により保護し、事業化を成功させることによって世界でビジネスをリードしている企業・機関を選出している。
2012年から通算10回目となることしも、連続受賞する日本企業が現れ、「アジアの勢いを感じる結果」に。
まず、Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2021 に入った企業のなかで、初めて入賞した企業は、Arm(米国/半導体)、ASUS(台湾/ハードウェア・電子部品製造)、BorgWarner(米国/自動車関連製造)、Bose(米国/ハードウェア・電子部品製造)、China Academy of Telecommunications Technology(中国/政府・研究機関)、KinpoElectronics(台湾/ハードウェア・電子部品製造)、KLA Corporation(米国/半導体)、Qorvo(米国/通信)、SK Telecom(韓国/通信)の9社だった。
また、Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2021 に入った日本企業は、AGC、小松製作所、信越化学工業、アイシン精機、三菱電機、ソニー、カシオ計算機、三菱重工業、TDK、ダイキン工業、日本電気、東芝、富士フイルム、日亜化学工業、トヨタ自動車、富士通、日本製鉄、安川電機、古河電気工業、日本電信電話、矢崎総業、日立製作所、日産自動車、本田技研工業、オムロン、川崎重工業、パナソニック、神戸製鋼所、ルネサスエレクトロニクスの29社だった。
Clarivate Top 100グローバル・イノベーター10年連続受賞企業は、連続受賞していない企業と比較して「特許数の差は変わらないのに、平均時価総額が2.5倍に上昇している」という傾向があると説明した。
さらに、10年連続受賞企業のパナソニックIPマネジメント 足立和泰 代表取締役社長は「事業も知財も法律も動きが激しい。地域によって違う。事業計画などは「1度決めたら変えない」ではなく、どれだけ臨機応変に柔軟性をもってスピードあるチャレンジができるかが大事」と。
日立製作所 知的財産本部 比嘉正人 部長は「知財について、業種などをはめないこと。つねに求められるものをつくっていく。われわれの鉄道車両などがビッグ3といわれるようになってきたなか、まだまだソリューションやイノベーションでは目立った動きができていない。国内企業は慎重性がまだある。そのスピード感で世界に負けている感じもある」とも伝えていた。