「がんなどの悪性新生物に続き、日本人の死因順位2位の心疾患に対して、保険事業社はなにができるか。『心疾患や循環器病といえば明治安田』といわれるように、さまざまな知見を結集して、地域社会に役立ちたい」

そんな思いから、明治安田生命に新しい動き―――。

明治安田生命保険相互会社と明治安田総合研究所は、国立循環器病研究センターと包括連携協定・共同研究事業契約を3月24日に締結。

金融機関初の同センターとの共同研究事業契約で、「循環器疾患の予防・治療」および「人々が安心して暮らせる支援」をめざす。

この包括連携協定で、人材交流の推進、情報共有の推進(循環器疾患の予防や正しい知識の啓発活動)、循環器疾患の予防・治療に資する知見の集約やデータ解析等を通じた啓発ツールの研究を加速させる。

また、人々が健康で安心して暮らせるための支援に関する共同研究体制を新たに構築する。共同研究事業は、4月1日から2024年3月31日まで。

おもな研究内容は、(1)民間で活用できる循環器疾患発症予測モデルの開発、(2)生命保険の引受範囲拡大にかかる調査研究、(3)上記知見を踏まえた循環器疾患の啓発活動および予防サービスにかかる調査。

「健康寿命を延ばし、国民のQOLをさらにアップさせたい」

3月24日の締結式には、国立循環器病研究センター小川久雄 理事長、同オープンイノベーションセンター宮本恵宏センター長、明治安田生命保険相互会社 根岸秋男 代表取締役執行役社長、同 中村篤志 常務執行役、明治安田総合研究所 永田康弘 代表取締役社長、同 加藤大策 取締役ヘルスケア・デジタル研究部長が登壇し、共同研究内容や、今後のビジョンなどについて伝えた。

「今回の締結で、人生100年時代における健康寿命のさらなる延伸をめざし、循環器疾患にかかる医療や健康づくりに関わる研究、人材育成、地域連携等について相互に協力し、明治安田生命・明治安田総合研究所、国立循環器病研究センター双方の連携を加速させる」

「明治安田総合研究所は、共同研究事業契約の締結により、国立循環器病研究センターのオープンイノベーションセンターに入居し、データ解析等を通じた循環器疾患の発症予測・重症化予防モデルの研究開発、循環器疾患の早期発見につながる調査などの共同研究に取り組む」

具体的には、明治安田生命・明治安田総合研究所・国立循環器病研究センターの3者がオープンイノベーションセンターで、発症リスク予測ツールの研究開発、疾病の早期発見サービス提供にむけた調査・研究、生命保険の引受範囲拡大にむけた基礎研究などを共同で実施。

たとえば、循環器疾患の発症予防にむけた、行動変容を促せるツール、 循環器疾患の発症予防・重症予防を伝えるコンテンツの制作、新たな保険商品にむけた開発検討のなかで循環器疾患の引受・緩和条件の知見を蓄積していくという。

さらに3者は、心疾患予防・治療に関する情報も提供。循環器疾患と新型コロナウイルスの予防・治療などへの啓発や、「かるしおプロジェクト」などの啓発ツールの活用していく。

明治安田生命は「がんへの商品は拡充・充実してきたなか、循環器系の疾患に関しては、商品もサービスもまだまだ、道半ばというところ。がんほどカバーできていないのが現状」と伝え、こう続けた。

「循環器疾患の場合、死亡を引き起こすだけじゃなくて、後遺症治療などを想定すると個人も社会も負担がいろいろ残る。こうした疾病の特性を考えると、われわれにとって心疾患は重大なテーマ」

「今回の連携・共同研究で、健康寿命を延ばし、国民のQOLをさらにアップさせていきたい」

◆みんなの健活プロジェクト
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