牛乳や豆乳、野菜ジュースなどでおなじみの紙パック。実はこの紙パック、「ロングライフ紙パック」と呼ばれ、そのメリットをあらためて見つめ直す消費者が増えている。

このロングライフ紙パックの最大の特長は、常温で長期保存できること。

なぜ常温長期保存できるのか。ロングライフ紙パックは、紙パックへの充填技術とアルミ箔を用いた紙パックにより、中身の食品を劣化させる酸素の透過を防ぐとともに、光を遮断することで、食品(中身)の品質を長期間保ってくれるからだ。

そしてリサイクルできるのもうれしい。ロングライフ紙パックに使用されている紙は、リサイクルされてトイレットペーパーなどの原料になる。

スーパーマーケットにはロングライフ紙パックの回収ボックスがあるほか、リサイクル便専用の回収箱で送ることもできる。

さらにロングライフ紙パックは、環境にもやさしい。たとえば日本テトラパックは、持続可能で適切に森林の管理や生産を行っていることを示す、FSC CoC 認証を取得。

こうしたメリットから、海外の環境先進国では、缶詰やミネラルウォーターの容器から、ロングライフ紙パックの容器に移行するメーカーの事例も少なくない。

そしてロングライフ紙パックにはもうひとつ、秘めたパワーがある!

それは、常温で長期保存できるということから、ロングライフ紙パック商品が災害備蓄にも活躍すること。

料理研究家で防災士の島本美由紀先生は、災害時に備えてロングライフ紙パック商品が重宝する理由について、こう伝えている。

「大規模災害に備えて、家族の人数分×7日分の飲食料を準備しておくことをおすすめしています。ポイントは非常食と日常食をバランスよくそろえること」

「非常食とは、賞味期限が3~5年と比較的長いレトルトのおかゆや乾パンなどです。日常食は普段から食べ慣れている冷凍食品や缶詰、常温保存ができる紙パック飲料などは、賞味期限が半年~2年程度です」

「普段から家族がよく食べる・飲むものをストックしておけば、いざという時にも安心。災害時で心が不安なときでも「いつもの味」でほっとひと息つくことができます」

「ローリングストックにもぴったり」

島本先生はまた、ロングライフ紙パック商品「ローリングストックにもぴったり」ともいう。

ローリングストックとは、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく習慣だ。

「そこでおすすめはロングライフ紙パックに入った飲食料品です。野菜ジュース、ビタミンの入ったジュース、豆乳…みなさんも一度は味わったことがあると思います」

「種類にもよりますが、常温で半年~2年ほど保存できるものが多いので、ローリングストックにもぴったりですよ」(島本美由紀先生)

―――そして最後は、収納しやすく、空になってもかさばらないこと。紙容器だから、収納スペースも有効に活用できる。

使い終わった、空になった容器は折りたたんでおけば、リサイクルに出すまでの間もかさばらないという、メリットもある。

これからますます、エコ・環境のため、防災のため、スタイリッシュな暮らしのために、ロングライフ紙パックを選びたい。

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