千葉県柏市。まるで自然公園のなかにいるような、コンパクトで回遊性のある敷地と、豊かな緑に恵まれたキャンパス―――麗澤大学。
国際学部・外国語学部・経済学部で構成する麗澤大学が、いま大きく変わろうとしている。
麗澤大学は3月23日、現地とオンラインで未来構想を発表。
その最大のニュースは、これまでの“文系の大学”というイメージを脱却し、工学部を新設する構想。
2つ目のニュースは、さらに新たに掲げる基盤教育4つの柱「麗澤スタンダード」。そして3つ目は、その4つの柱「麗澤スタンダード」のなかでも注力する「EdTech」へ取り組む姿勢だ。
グローバル力・人間力・情報力・技術力・キャリア力のある人材を
発表会には、麗澤大学 徳永澄憲 学長、渡邊信 副学長、EdTech 研究センター小塩篤史センター長が登壇。構想の概要と今後の展望などについてそれぞれが語った。
徳永澄憲 学長は、いま社会から求められる人材について、「グローバル社会を生き抜くグローバル力、専門的な知識とともに道徳性をあわせ持つ人間力、AI・デジタル社会を生き抜く情報力・技術力、学び続けるキャリア力の4つを兼ね備えた人材」をあげ、こうした理想人材を輩出すべく、麗澤大学の次のビジョンについて公表した。
2024年4月に工学部と経営学部を新設、5学部体制へ
麗澤大学 徳永澄憲 学長は、この発表会で、2024年4月に工学部と経営学部を新設し、5学部体制へと進化させるビジョンを発表。
設置構想中の工学部は、「工学的知識とリベラルアーツ的素養をあわせ持つ人材を育てる。また、情報システム工学・社会ロボティクス工学の2つの専攻を設け、データにもとづく個別教育を徹底し、社会課題を解決することができる人材の育成を徹底する」という。
経営学部は、第4次産業の台頭や少子高齢化社会において、社会・ビジネス課題を解決する新しいビジネスと企業価値を創り出せる人材の輩出をめざす。
「とくに、日本初のファミリービジネスに特化した専攻を開設する」と徳永澄憲 学長は強調した。
こうした5学部体制で前進していくうえで、新たな基礎となる全学共通教育が↓↓↓
全学共通科目「麗澤スタンダード科目」2024年度本格稼働をめざす
麗澤大学は、2024年度の本格稼働をめざし、全学共通科目を「麗澤スタンダード科目」として体系的に再整備する。
麗澤スタンダードのコア科目群は、次の4群で構成すると渡邊信 副学長が説明する。
◆道徳教育科目群:知識と倫理観を併せ持つ人になるために
◆グローバル教育科目群:グローバル社会を生き抜くために
◆データサイエンス教育科目群:AI・デジタル社会を生き抜く力を培うために
◆キャリア教育科目群:生涯学び続けるキャリア力をつけるために
とくに、麗澤大学の強みでもある基盤英語教育科目は、国際的な英語教育の専門家チームがつねに滞在する空間「iLounge」「Writing Center」「English Workshop」で、英語脳を鍛えるという。
また、「CEFR (ヨーロッパ共通参照枠)を参考に開発し、オーラルコミュニケーションスキルに重点。100分×2コマ/週で、CECインストラクターが指導。TOEICも1年で100点アップを目標に指導していく」という。
新「麗澤スタンダード科目」のなかで EdTech に注力、アプリ開発も
麗澤大学のこうした新たな全学共通科目「麗澤スタンダード科目」のなかでも、最も注力していくのが EdTech(Education Technology)。
「大学における成長、社会で自分らしく活躍するための可能性、これらを最大化するのが EdTech」と説明するのは、小塩篤史センター長。
「AIメンター・コミュニティ・メンタルケアなどでモチベーションをマネジメントし、AIメンターや学びのマップで成長の道筋を理解する。また、学習ログにもとづいた最適化で本人にとってタイミングのよい学びを体得し、学習・成長プロセスの記録と開示で就職時の可能性を共有する」(小塩篤史センター長)
いっぽうで、麗澤大学では学生むけアプリの開発構想も公表。大学生の学びを横断的に支援できるシステムやアプリを検討し、データ解析と組み合わせた教育工学を追求していくという。
―――「小規模にこだわる。国際性にこだわる」がキャッチコピーの麗澤大学。
発表会では「コンパクトで自然豊かな敷地のなかで、新設学部2学部を加えた5学部がすぐとなりあうなかで、学部を横断できる学び場へと進化させたい」といったビジョンも語っていた。