その商品やサービスを選ぶという行動が、これまでの消費行動と比較してどれくらいCO2削減に貢献しているか―――。
それを見える化する動きが注目を集めている。
それが、生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」。
Earth hacks では、参画企業の商品が排出するCO2相当量「CO2e」(CO2 equivalent:二酸化炭素換算の数値)と、従来の素材や手法で作られた製品と比較した差分としての削減量や削減率(CO2e削減量/率)まで含めた情報を Instagram や Webサイトで公開している。
購入者がどれくらい脱炭素に貢献できたかを具体的な数値を見て実感
この脱炭素社会推進共創型プラットフォーム「Earth hacks」に共感し、参画する企業は、アパレルブランド11社、食品・酒類メーカー2社、インテリア・小物を展開するブランド2社。
使用する素材や輸送手段、製造過程におけるCO2eを抑えた商品を、「Earth hacks」の Instagram や Webサイトで紹介。
その商品のCO2eと従来の素材や手法で作られた製品と比較した差分としての削減量と削減率がひと目でわかるところがポイント。
これまではどれくらいCO2削減に貢献しているかがつかめなかった
これまでは企業単位でのCO2排出量や削減量に関する可視化が多く、日本では生活者に身近な商品やサービス単位での可視化はまだまだ進んでないのが現状。
また商品やサービスの可視化においても排出量の絶対値を開示するのみで、その商品やサービスを選ぶという行動がこれまでの消費行動と比較してどれくらいCO2削減に貢献しているかを可視化できるものはなかった。
最も削減率の大きい商品は78.9%にも!
そこで Earth hacks では、三井物産が提携するスウェーデンのインパクトテック(SDGs解決スタートアップ)企業 Doconomy(ドコノミー)が提供するカーボンフットプリントの計算ツール「The 2030 Calculator」を活用。
各商品の環境負荷の少ない素材や手法を、従来の素材や手法と比較したCO2e削減量を記載し、その商品を購入することで、購入者がどれくらい脱炭素に貢献できたかを具体的な数値を見て実感できる。
いま販売されている商品のCO2e平均削減量は約40%、最も削減率の大きい商品は78.9%にもなる。
また、それでも排出されるCO2eは、カーボンオフセットができる仕組みにより、Earth hacks で購入した商品は実質カーボンフリーとなる予定。
博報堂と三井物産がタッグを組んで Earth hacks をトライ
生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」は、博報堂の新規事業開発組織「ミライの事業室」と三井物産が共同で実証実験中の取り組み。
博報堂が2021年9月に実施した「生活者の脱炭素意識&アクション調査」によると、若い世代で脱炭素に対する関心が高まり、Z世代では「非常に関心がある(34.5%)」「やや関心がある(35.4%)」を合わせると約70%に。
いっぽうで日々の暮らしの中で脱炭素を「非常に意識して行動している」人は3.3%、「ある程度意識している」を含めても32.1%と、関心の高さに比べて行動に移せている人は少ない状況。
その理由は「自分が何をすれば貢献できるのか、よくわからない(58.1%)」、「手軽に取り組めそうなものがわからない(56.1%)」などが上位となり、生活の中で個人に出来ることが認知されてなかった。
そこで、「脱炭素すべきだ! 脱炭素な商品を選ぶべきだ!」といった我慢や制限ではなく、生活者が「自分たちがやってみたいアクション」を主体的に考え楽しみながら、地球(Earth)にとって前向きで型にはまらない解決策(hack)で脱炭素社会をめざしていきたいという考えから、同プロジェクトを「Earth hacks」と命名。
Earth hacks は、共創型のプラットフォームとして、Z世代をはじめとする脱炭素に関心がある人に向けて、自分の生活にも取り入れたいと思えるライフスタイルやエシカルな商品の情報を提供したり、生活者の声をもとに、脱炭素関連商品・サービスや事業の開発をめざしているというから、気になる人は公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
https://earthhacks.jp/
https://www.instagram.com/earthhacks.jp/