「まさか自分も宇宙関係の楽曲を作ることになるとは思っていなかったです。
もともと宇宙は詳しいほうではなかったですけど、とても興味があって好きでした。
何か自分が好きなことは、自分が頑張っていれば、つながっていくんだなって思いました」
―――そう語るのは、沖縄出身のアーティスト、三浦大知。
ここは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と農林水産省が共同で地球観測衛星の活用実証実験を続ける、沖縄県・宮城島のサトウキビ畑。
災害監視や地理空間情報更新に貢献する地球観測衛星「だいち」シリーズ衛星
三浦大知は、JAXAと農林水産省職員の説明を受け、「だいち」シリーズ衛星が、子どものころから慣れ親しんでいるサトウキビ畑や、マングローブなど、沖縄ならではの自然環境の保全活動や、災害時の状況把握など、沖縄の生活にも貢献していることなどを知る。
「だいち」シリーズ衛星は、地震、豪雨による水害・土砂災害、森林火災、火山噴火などのさまざまな災害の監視や状況把握、地理空間情報の整備・更新などへの貢献を目的とした地球観測衛星。
光学センサとレーダセンサの両方を搭載した初代「だいち」は2006年から2011年にかけて運用され、レーダセンサを搭載した「だいち2号」は2014年に打ち上げられ、いまも活躍中。
先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)は、2014年5月に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の後継機で、Lバンド合成開口レーダを搭載。
新たに採用するデジタル・ビーム・フォーミング* 技術により、「だいち2号」の高い空間分解能(3m)を維持しつつ、観測幅を4倍(200㎞)に拡大し、平時における地殻・地盤変動などの観測頻度を向上させている。
これにより、発災後の状況把握のみならず、火山活動、地盤沈下、地すべり等の異変の早期発見など、減災への取組において重要な役割を担っている。
また、合成開口レーダと協調観測することで海洋監視に貢献するAIS(船舶自動識別装置)の受信機も搭載している。
「だいち」シリーズ衛星のイメージソング「ALOS」を熱唱し応援
そんなJAXA地球観測衛星「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーアーティストを務める三浦大知は、子どもたちが待っている恩納村の赤間総合運動公園へ。
恩納村の4つの小学校の6年生たちといっしょに、三浦が地上に「だ・い・ち」という巨大文字を描き、宇宙から地球を観測している「だいち2号」から撮影してもらうという企画にチャレンジ。
また最後は三浦が「だいち」シリーズ衛星のイメージソング「ALOS」をアカペラでサプライズ披露すると、子どもたちも感激して……。
通信所で同世代のJAXA職員と三浦が対談、感謝の気持ちを
最後に訪れたのはJAXA 沖縄宇宙通信所。
ここは「だいち」シリーズ衛星をはじめとした多くの人工衛星を追尾・監視している場所。
実際の人工衛星の運用に使用されているアンテナを見た三浦は「お〜!迫力がすごい!これはすごい!」と大興奮。
そして23年3月7日、先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載したロケットが残念ながら打上げ失敗したとき、「指令破壊信号」が出るまで「だいち3号」からの信号を受信していた場所ということで、三浦はこの通信所で同世代のJAXA職員と対談。当時の心境や、そしてイメージソング「ALOS」への感謝などが伝えられた……。
―――そこで、JAXA地球観測衛星「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーアーティストを務める三浦大知に、あらためていろいろ聞いてみた↓↓↓
Q2:どうして歌手になったのですか
小さい時から音楽がすごく好きで、(音楽が流れると)それに合わせて体を動かしたり、歌を歌ったりしていました。その様子を両親が見てくれていて、ダンススクールに通い始めたのがきっかけです。
Q3:アーティストとして大切にしていることはなんですか
深い質問ですね、難しい!(笑)例えば落ち込んでいたり、嫌だなと思うことがあったり、明日学校行きたくないなとか、そういうことってあるじゃないですか。でも僕が作っている音楽やパフォーマンスを観て、こんなに汗だくになって歌っている人がいるんだな、なんか自分も頑張ってみようかなと、みんなの日常の力に少しでもなれるような音楽、エンターテイメントが作れたら良いなと思って、それを大切にして歌って踊っています。
Q4:緊張はどうやってほぐしていますか
たくさんの人の前で歌わせていただく時だけではなく、人数とかも本当関係なく、やっぱり人の前に出て、ステージに立つ時もう毎回緊張します。 これはもう何回やっても変わらなくて、緊張することはとても普通なことなので、特別なことじゃないです。自分は緊張するぐらい、真剣に取り組んでいるんだなと思って、緊張を受け止めて、いつもステージに立っていますね!
Q1:沖縄でのロケを終えて
やっぱり自分が子供の頃に住んでいた場所なので、気候や空気感は懐かしいなと感じました。天気も良かったですし、とても良い日に沖縄に来れてよかったなと思いました。
Q2:農業と「だいち」シリーズ衛星の関わりを知って
とても面白かったですし、(今回はサトウキビ畑の取り組みについて話を聞いて)サトウキビがどうすればよく育つのか、より収穫できるのかなど、衛星からのデータを掛け合わせていろんな新しいものを作っていくことに、自分たちの日常に「だいち1号」「だいち2号」(「だいち」シリーズ衛星)のデータがどんどん活用されていく気がして、とてもわくわくしました。
Q3:「だいち」シリーズ衛星のアンバサダーとしての想い
イメージソング「ALOS」は、JAXAの皆さんが心を込めて、愛を込めて作られている人工衛星と同じで、僕自身も、自分たちが生み出す音楽やエンターテイメントにしっかり責任を持って、皆さんの思いを少しでも詰め込めるように向き合って作った楽曲。改めてまずは、こういう機会をいただけて本当に嬉しいなというふうに思っていますし、「ALOS」という楽曲は、自分の音楽人生においてもとても重要な1曲になりました。JAXA職員の皆さんや、このプロジェクトを応援している方々含めてみんなが同じ方向に、愛を持って向かっていけるような楽曲になったら良いなと思います。とにかく自分たちとしては、この楽曲をこれからもずっと歌い続けていきたいです。
(C)JAXA