ファミリーレストラン「デニーズ」の新メニューとしてサダハル・アオキ・パリ監修の抹茶デザート『抹茶あずきとクランブルのデザート~自家製オレンジソース添え』が登場する。発売は2024年5月21日(火)から7月上旬までの期間・数量限定。販売目標は全国で約4万5千食。
一見するとフレンチのデザートプレートのようだが、フォークを入れるとあずきの姿が垣間見える、和洋折衷のデザートだ。ヘーゼルナッツクランブルのざくざくとした食感に、ホワイトチョコレートを練り込んだ抹茶クリーム、そしてあずきが多層的な味わいを生み出す。
味の主張が強い組み合わせでありながら、口の中に入れると不思議と一体感がある。「コンフィチュール オランジュ」を使用した酸味を利かせたソースは、その清涼感で初夏を感じさせるだけでなく、舌に残る味をリセットしてくれる。
価格は1,540円(税込1,694円)。一人で頼んでも良いし、数人でシェアをしてもいい。
なぜデニーズは青木シェフと組んだのか
デニーズが日本に上陸したのは今からおよそ50年前のことだ。1974年4月に神奈川県横浜市のイトーヨーカドー上大岡店内へ1号店を出店し、「ファミレス」という業態がまだ認知されていない頃から、日本人の嗜好や味覚に合わせて商品を提案してきた。
創業50周年を記念し、昨年9月から人気店シェフが監修するメニューの販売を開始した。「アロマフレスカ銀座」原田慎次シェフや「Regalo」小倉知巳シェフ、「ルカンケ」古屋壮一シェフなど、錚々たる名前が並ぶ。
人気店シェフ監修メニューはデニーズの商品力を向上させただけでなく、調理技術の向上などの相乗効果もある。敷居の高い有名店でもファミレスなら気軽に食べられるということもあり、これをきっかけに子供と一緒にファミレスデビューしたという声も届いているという。
「老若男女、子供からお年寄りまで幅広い客層のお客様に、本場パリのスイーツをお届けしたい」
そう考えたデニーズは、新たに料理だけでなく監修デザートを販売するべく、世界で最も注目されているパティシエの一人、青木シェフに打診した。
デニーズのデザートは、四季の変化に寄り添ったフレッシュフルーツを前面に押し出したものが多い。しかし5月~7月はフレッシュフルーツの供給に乏しく、キラーコンテンツといえる食材が入りにくい。そこで、近年特に需要の高い「抹茶」に着目し、青木シェフとともに開発を始めた。
もちろん青木シェフのデザートをそのまま提供することは不可能だ。調理施設の差だけではない。安定提供のためには作業工程の簡略化といった工夫を凝らし、ファミレス風にアレンジする必要がある。
開発においては、青木シェフの工房で使用しているコンフィチュール オランジュを使用するアイディアをいただくなど、様々なアドバイスを受けながら、協議を重ねて作りあげたという。
青木定治 (アオキ サダハル)シェフ
1968年名古屋生まれ。青山「シャンドン」を経て、89年単身パリへ。数々の名店でキャリアを重ね、95年シャルルブルースト杯味覚部門で優勝。2001年パリ6区に「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」を開店。07年、世界最高の菓子職人の組織「ルレ・デセール」のメンバーとなり、11年にはフランス最優秀パティシエに選出される。サロンデュ ショコラ内の品評会においても5年連続で最高位を獲得するなど、数多の受賞歴を誇る、世界で最も注目される日本人パティシエの一人。
(記事:一橋正浩)