日本三大清流のひとつ、長良川(ながらがわ)の源流へ。

そこは日本三大盆踊りのひとつ、7月中旬から9月上旬にかけて30夜以上にわたって踊り続ける「郡上おどり」(ユネスコ無形文化遺産)の舞台。

岐阜、奥美濃。長良川源流と山間のまち―――郡上八幡(ぐじょうはちまん)。

清流 長良川に沿って北上

日本最古の木造再建城で、「岐阜の天空の城」ともいわれる郡上八幡城までは、北へ55km。

岐阜駅から岐阜バス・高速岐阜八幡線で1時間半。

岐阜駅からJR高山線・長良川鉄道を伝って2時間半。

高速バスと鉄道では、1時間の差があるけど、長良川鉄道に乗って清流 長良川沿いぎりぎりをゆっくり行く旅時間もおすすめ。

高速バスは長良川と離れた高速道路とトンネルのなかをずっと行くけど、早い。

ラフティングで清流 長良川を全身体感!

日本三大清流のひとつ、長良川を思いっきり体感するなら、ラフティング!

岐阜県郡上市には、ラフティングが体験できるアクティビティが複数あるから、「長良川 ラフティング」で検索して、トライしてみて。

たとえば、「季節ごとに楽しみがいっぱいの3時間コース。コース途中で岩場から飛び込みや、身体ひとつで大自然の長良川の中でゆったり流れたり。仲間と協力して激流に挑戦したり、ドキドキの3時間」といったコースもあるから、気になる人はチェックを。

郡上八幡でも長良川系の清流で涼める!

長良川の上流に位置し、奥美濃の山々から流れ出た吉田川と小駄良川が合流する地―――郡上八幡。

この吉田川の新橋や宮ヶ瀬橋の河原で水遊びするのも、気持ちいい! 冷たい吉田川の水に浸っていると、すぐ近くを魚の群れが走ったりして、清流を全身で体感できる。

また、河原に整備された吉田川親水遊歩道を歩くのもおすすめ。せせらぎを耳で感じて、川の冷たい風を肌で感じて……。

新橋や宮ヶ瀬橋のたもとには、吉田川を眺められるテラス付きのおしゃれなカフェもいろいろあるから、水に浸って、スイーツで身体冷やして……と楽しんで。

小駄良川ほとりに日本名水百選 第一号 の湧水

この郡上八幡の古来から受け継がれる家並みと軒先を歩いてみると、豊かな湧き水に恵まれ、町家の軒下には川から引いた水路が流れていて、「水が暮らしの中心にある町」がわかる。

吉田川 宮ヶ瀬橋のすぐちかく、吉田川に合流する小駄良川のほとりには、湧き水、宗祇水(そうぎすい)が。

この宗祇水は、水の町・郡上八幡を代表する名水史跡で、水の神を祀る御堂の下から澄み切った湧き水がこんこんと湧き出ている。環境省「日本名水百選」第一号が、ここ。

真っ赤な清水橋と水が湧く小さな祠、石畳―――その小宇宙とコントラストをゆっくり体感してみて。

藍染「郡上本染」の伝統技法に触れる

湧き水や水舟、街中をくまなく巡る水路など、暮らしのなかに澄んだ水がとけこむまち―――郡上八幡。

そんな水のまちだからこそ、水が大事な郡上本染も古くから受け継がれている。

15代続く渡辺染物店(天正年間創業)は、日本古来の藍染「郡上本染」(ぐじょうほんぞめ)をいまなお継承する店。

郡上本染は江戸時代から400年以上続く日本伝統の「正藍染」で、天然の藍(あい)を原料とした伝統の染色技法で、近年、化学染料での藍染が主流となるなか、紺屋(こうや)と呼ばれる正藍染の染物店は希少。

天然藍には防虫効果もあるといわれ、古くから風呂敷や衣類として親しまれている。

長く使うほどに紺色から青色へと変化し、「ジャパン・ブルー」と呼ばれるその正藍染の色合いは、海外でも高い評価を得ているという。

また、冬の風物詩として親しまれる郡上八幡の清流での「鯉のぼり寒ざらし」では、色鮮やかな鯉のぼりが、水中を雄大に泳ぐような姿も楽しめるから、寒くなったらまた郡上八幡を訪ねてみたい―――。

郡上八幡旧庁舎記念館で昭和レトロ&グルメを

郡上八幡を流れる吉田川の新橋のたもとには、昭和レトロの木造二階建て洋風建築「郡上八幡旧庁舎記念館」が。

いまは郡上八幡の観光総合案内所として機能し、観光案内のほか、無料休憩所、名産品のショップ、レストランなどがぎゅっと詰まってるから、郡上八幡まち歩きはここからスタートしてもOK。

この建物の前の広場は、郡上おどりの中心的な場所であり、郡上八幡のシンボル的空間に。

岐阜県郡上市明宝に本社を構える名物「明宝ハム」もずらり。豚のもも肉だけを使用した明宝ハムのほか、青じそとガーリックで風味を付けた瑞峰、桜の木でスモークしたスモークドハムなどなど。いろいろ選んで、お土産に。

「食品サンプル発祥のまち」で製作体験も

郡上八幡といえば、もうひとつチェックしたい地元産業が、食品サンプル。「食品サンプル発祥のまち」といわれ、まちを歩いていると、店のあちこちに食品サンプルが売られている。

たとえば「さんぷる工房」(レトロアート館)では、町屋づくりのなかで食品サンプル製作体験もできるから、家族で、友だち同士で、楽しんでみて。

「流響の里」で「郡上ケイちゃん定食」を

もちろん、ここ郡上八幡のまちなかでも、岐阜名物「鶏ちゃん」(けいちゃん)や、五平餅も味わえる。

たとえば、「流響の里」の「郡上ケイちゃん定食」は、奥美濃を代表する郷土料理として人気。

流響の里オリジナルの味噌で味つけした鶏肉を陶板で焼くことで、香ばしい味噌の香りと鶏肉の旨みをいっしょに楽しめるから、これも要チェック。

◆TABITABI郡上
https://tabitabigujo.com/

世界が注目する世界農業遺産「清流長良川の鮎」

―――岐阜県が誇る清流 長良川。

この長良川に生きる鮎が、2015年に世界から認められ、世界農業遺産「清流長良川の鮎」(里川における人と鮎のつながり https://giahs-ayu.jp/)に登録されたことも、注目。

長良川流域の食や伝統文化、歴史、経済と深く結びつき、長良川の豊かさをあらわす象徴である鮎は、人の暮らし、水環境、漁業資源が相互に深く関わり循環する「長良川(里川)のシステム」をつくり、世界に誇るべき「里川」のシステムとして認められた。

ことし8月には、日本・中国・韓国の世界農業遺産認定地域と交流し、研究成果や取り組み成果の共有を図ることを目的に、岐阜県で初の第8回東アジア農業遺産学会(ERAHS)を開催。

日中韓の専門家たちも、現地を視察しながらこの長良川システムを体感するほど、いま注目の「清流長良川の鮎」を、全身で感じてみて。

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