全国の路線バス事業者やモビリティサービス企業、地方自治体、観光ビューロー、教育事業者などが注目する埼玉工業大学(埼玉県深谷市)の自動運転AIバスはいま、企業や自治会・教育委員会などの視察・試乗会・勉強会の“動く教材”としても活用されている。
その最大の注目ポイントは、既存の路線バス車両に、埼玉工業大学が開発した自動運転AIシステムを後付け(搭載・改造)することで、自動化を実現できるところ。
全国の路線バス事業者や自治体などは、「自動運転バスの新車を導入するよりも現実的」といった考えから、その進化を注視している。
たとえば11月初旬には、トラック用リヤーボデーの設計開発・製造・販売などを手がける東洋ボデー(東京都武蔵村山市)とその協力会社などが、「自動運転視察ツアー」と題した埼玉工業大学 自動運転AIバス試乗会を埼玉県深谷市で実施し、その“オートな走り”を実感した。
そしてもちろん、地元 埼玉県深谷市の子どもたちにも、埼玉工業大学の“動く教材”は大活躍↓↓↓
市教育委員会主催フォーラムにも参加
埼玉工業大学は、深谷市教育委員会・深谷市立教育研究所が主催する、「ふるさと ふかや・渋沢学」フォーラムに地元の大学として参加。
この「ふるさと ふかや・渋沢学」フォーラムは、人口減少とグローバル化がすすむなか、郷土の偉人・渋沢栄一の「立志と忠恕」の精神を育み、持続可能な深谷のまちづくりに貢献できる人材を育成すべく、市内の幼・保・小・中・高・大の各園・学校が体系化されたカリキュラムのもと、地域の関係団体・機関などと連携し、豊富な教育資源を活用して発達段階に応じて展開する“学び場”。
埼玉工業大学 自動運転AIバス(日野レインボーIIベース後付け自動化システム)は、地元の小学生たちを乗せて、ほぼオートで走る姿を披露すると、「うぉーっ」「これ運転手さんハンドルもアクセルも触ってないの?」「えええーっ」とびっくり。
「今後も幅広いの人たちに体感してほしい」
「自動運転AIシステムや、実際にオートで走行する自動運転AIバスの試乗・体験機会を増やすことで、新たなアイデアの創出や、連携によるシナジー、パートナーシップなどが生み出されると思っています」と語るのは、埼玉工業大学 自動運転AIバス開発を率いる 工学部 情報システム学科 渡部大志 教授 副学長(研究・国際交流担当)自動運転技術開発センター長。
「今後も、幅広い業種・業態の人たちに、この自動運転AIバスの貢献度、活躍できる場、無限の可能性を体感してほしいとも思っています」(渡部大志 教授)
埼玉工業大学は、東洋ボデーのような自動車関連企業やモビリティサービス事業者、路線バス事業者、地方自治体、観光事業者、そして各地の教育委員会や大学・学校などを対象に、こうした自動運転AIシステムの見学会・試乗会などを積極的に受け入れていくというから、今後の動向にも注目だ↓↓↓
https://www.sit.ac.jp/
日本初 次世代燃料リニューアブルディーゼル採用
この日は、埼玉工業大学 自動運転AIバス(日野レインボーIIベース後付け自動化システム)に、自動運転バス初の次世代燃料リニューアブルディーゼル(Renewable Diesel)を給油してオート走行。
埼玉県 深谷市 小島進 市長、埼玉工業大学 内山俊一 学長、INPEX JAPAN 宮永勝 代表取締役社長(INPEX 常務執行役員 国内エネルギー事業本部長)、埼玉ガス 唐橋信之 代表取締役社長、深谷観光バス 高田勇三 代表取締役らが見守るなか、従来の軽油とまったく遜色ない走りをみせて来場者たちを驚かせた。
深谷市長「産官学で自動運転バスの社会実装を」
「深谷市は、深谷にキャンパスを置く埼玉工業大学と、民間企業といっしょに産官学で自動運転バスの社会実装をすすめています。
われわれ行政もできる限り協力していくということで、埼玉工業大学 内山俊一 学長といっしょに何度も国土交通省へ出向いて、実現に向けてひとつひとつアップデートさせています。
ここ深谷市で生まれ育った渋沢栄一がニッポンの新たな時代を切り開いたように、深谷市から自動運転バスの社会実装を最も早く実現させたい」(深谷市 小島進 市長)
―――地域活性化に関する包括連携協定の連携によって、産官学でアップデートを重ねる埼玉工業大学 自動運転AIバス。
この自動運転AIバスをスクールバスとしても運用する埼玉工業大学は、こうした自動運転AIシステム開発のルーツとなる同大学 情報システム学科に、AI専攻 に続き、2025年4月から自動運転専攻を始動させる。