
東北地方の中心地である「宮城県」。知名度は決して低くはないものの「仙台以外はあまりよく知らない」「笹かまぼこと牛たん、ずんだもち以外に名物はあるの?」なんて思っている人もいるのではないでしょうか。
食の宝庫である宮城県には、だれもが知る名物以外にも、おいしい料理がたくさんあります。今回は、寒くなるこれからの季節にぴったりのおすすめ鍋や郷土料理を実食。合わせて、最新のおすすめ観光スポットも紹介します!
ひとりでも多くの人に「宮城ファン」になってほしい

宮城県総務部広報課課長 貝塚憲一氏
宮城グルメの試食に先立ち、まずは広報課長の貝塚氏から一言。「宮城県と言えば『仙台』『少し遠い』というイメージの人が多いと思いますが、東京駅から仙台駅まで新幹線で1.5時間程度。名古屋まで行くのと同じくらいです。仙台駅から30分も車を走らせれば海や温泉に行ける、訪れていただきやすい地域ではないでしょうか。ひとりでも多くの人に、宮城ファンになってもらえれば」と想いを語りました。
観光客が増加中! 宮城観光の今とこれから

宮城県経済商工観光部観光戦略課主事 須賀和希氏
観光戦略課の須賀氏からは、宮城観光の現在とおすすめの観光スポット、県としての取り組みについて説明がありました。
宮城県の観光客入込数は、2年連続過去最高を記録しているとのこと。「東北絆まつり」など大規模イベントの開催などもあり、前年比で3.3%増、約227万人程度増加。宿泊観光客数も、コロナ拡大前とほぼ同水準となり、インバウンド需要も高まっています。
観光戦略課おすすめする、最新の観光スポットとは?

最新のおすすめスポットは「多賀城跡」と「道の駅東松島」
そんな宮城県の魅力あるスポットとは? 最新の情報を教えてもらいました。
多賀城跡

多賀城南門(画像:宮城県)
2024年に創建1300年を迎えた日本最大史跡のひとつ「多賀城跡」は外郭南門が復元され、2024年8月には「多賀城碑」が国宝に指定。多賀城跡ガイダンス施設もオープンしており、繁栄当時の古代都市多賀城跡の再現映像や、多賀城南門復元記録の映像を視聴できます。
道の駅東松島

道の駅東松島(画像:宮城県)
2024年11月には、宮城県で最も新しい道の駅「道の駅東松島」がオープン。東松島市内にブルーインパルスが所属する松島基地があることから、ブルーインパルスをモチーフにした建物が特徴。ブルーインパルスグッズの販売や、VRによるブルーインパルスの体験搭乗、さらに運が良ければ飛行訓練の見学もできるエンターテインメント性豊かなスポットです。
そのほかにもおすすめスポットがいっぱい!

松島の紅葉ライトアップ(画像:宮城県)
このほかにも、日本三景のひとつ「松島」や日本三御湯「仙台秋保温泉」、雪と光が織りなす神父的な景観が楽しめる「みやぎ蔵王の樹氷めぐり」が秋冬のおすすめスポットとのこと。
そして10月31日にオープンしたばかり、「ラプラス公園inかせぬま」の情報も!「みやぎ応援ポケモン」に任命されたラプラスをモチーフにした高さ4メートルの大型遊具が設置されています。ちなみにラプラスは、震災の被害が大きかった宮城県沿岸部を中心として「多くの人に旅してもらいたい」という思いを込め、水上を進むのりものポケモンであることから「みやぎ応援ポケモン」に任命されています。

11月から7つのトレッキングコースが揃う「宮城オルレ」(画像:宮城県)
加えて現在、宮城県では東日本大震災復興の象徴として、韓国・済州島の「済州オルレ」の姉妹版となるトレッキングコース「宮城オルレ」の整備や、多彩な温泉地と自然を活かした「サウナ体験」の推進といった観光戦略プロジェクトを進行中。「宮城オルレ」は2018年10月の開始以来、8万人以上が体験しているとのこと。従来の5つのコースに加え、11月から新たに「蔵王・遠刈田温泉コース」「多賀城コース」の2コースが追加に。県内の周遊を気軽に楽しめます。
せり鍋・痛風鍋・はらこ飯を実食!

宮城県農政部食産業振興課技師 小堀海帆氏
食産業振興課の小堀氏からは、宮城県の農業・水産業に関する説明がありました。宮城県は真冬日や真夏日が少ない気候で日照時間も確保されているため、農業も水産業も盛んな地域。なかでもせりやパプリカは全国の出荷額第1位、米は第5位、豆は第2位と主要な作物を多く作っています。
海面漁業・養殖業産出額は全国第4位で、震災で甚大な被害を受けたところからここまで復興したとのこと。多様な水産物が水揚げされている、山の幸も海の幸も豊富なエリアです。
根っこまで味わう冬の名物「せり鍋」

葉から茎、根っこまで余すところなくせりを味わえる「せり鍋」
ここからは、宮城県が誇る料理を試食しながらの解説となりました。「せり鍋」のメインは、春の七草であり、宮城県が全国1位の生産量を誇る「せり」。県内産の約7~8割が仙台空港のある名取市、約2割を石巻市で収穫されたもので、2大産地となっています。今日は三浦さんが生産した「仙台せり」をいただきました。
せりは煮込み過ぎると食感や風味が落ちるため、家で作る際は後入れで、しゃぶしゃぶしながら食べるのが正解。しょうゆベースの出汁に鶏もも肉や舞茸などの味わいが加わり、ホッとする味でした。
贅沢な海鮮がいっぱい!「痛風鍋」

牡蠣・白子・ホタテ・海老・あん肝と海の幸が満載の「痛風鍋」
宮城県の水揚げ量全国2位の牡蠣や、白子(たらやアンコウの精巣)、そしてあん肝(アンコウの肝臓)がたっぷりと入り、プリン体の多い食材を使用していることから名づけられた「痛風鍋」。誕生から10年と経っていない比較的新しい宮城名物のひとつで、仙台の居酒屋が発祥なのだとか。
昆布と白味噌、薄口しょうゆなどで味付けした出汁に魚介の旨味が出て、幸せな味。白菜や葱、豆腐、しめじといったヘルシーな食材もたくさん入っていますから、ネーミングほど罪悪感なく食べられました(笑)。
宮城の代表的な郷土料理「はらこ飯」

炊き込みご飯のようなイメージですが、鮭とはらこをそれぞれ煮て煮汁と身を分けるなど手間がかかっている「はらこ飯」
宮城県は米どころとしても知られ、もっちりとした「だて正夢」、さっぱりとした「ササニシキ」、その中間でバランスのとれた「ひとめぼれ」といったブランドがあります。今回はらこ飯に使用されたのは、2018年に本格デビューした「だて正夢」。おこわやおにぎりに向いているお米だそうで、はらこ飯にもぴったりでした。
また、宮城県はギンザケの養殖で全国1位の産地でもあり、ブランド食材「みやぎサーモン」が人気。
はらこ飯は、この鮭を煮込んだ汁でご飯を炊き、煮汁にくぐらせたいくら(はらこ)と酒をご飯のうえに盛り付けて作る郷土料理。少し手間がかかりますが、その手間が味わいに反映されている気がしました。家庭で作ることも多いそうで、現地でも食べてみたい逸品です。
今すぐ宮城グルメを楽しむなら有楽町・東京交通会館へ!

宮城ふるさとプラザ人気商品ランキング(商品により購入できる日は異なるため、事前の確認を忘れずに!)
「宮城グルメを満喫したいものの、今すぐ宮城に行くのは難しそう」という人は、今年8月8日にオープンしたばかり、有楽町駅前にある東京交通会館地下1階の「宮城ふるさとプラザ」へ。定番のずんだや牛たん、地酒をはじめ約800点の品揃えです。老舗和菓子店「榮泉堂」のバター最中や、ふわもち食感が魅力「お茶の井ヶ田」の喜久福ずんだ生クリーム大福など、人気商品が購入できる日も。みなさんも、宮城グルメを堪能してみてはいかがでしょうか。
文/写真:斎藤若菜
