
「私の作品が誰かの心の支えとなるような作品となっていれば嬉しいです」
アッヴィ アートプロジェクト「疾患と生きる。私の新たな可能性-アート展-」(入場無料)が、11月21〜24日の4日間、東京・池袋 としま区民センターで開催される。
アッヴィ アートプロジェクトは、免疫介在性炎症性疾患 患者が、疾患と向き合いながらも自身のPERSPECTIVES(視点、考え方、物の捉え方)でとらえた心とカラダの変化、想いや感じたこと、新たな目標や希望などを自由に表現するアートプロジェクト。
患者への理解につなげることを目的として 2015年にスタートし今回で5回目。
患者の創作活動から生まれた作品を通して、疾患について知る機会に―――。
今回の「疾患と生きる。私の新たな可能性-アート展-」(11/21〜11/24 @としま区民センター)では、応募作品 126点のなかから厳正なる審査の結果選ばれた、絵画 7作品と立体造形 3作品、そして作者のメッセージを展示する。
―――ここでは、佳作を受賞した3名のメッセージを。
吉田美智さん 佳作 22歳「ループ」いつか必ず症状は改善され繰り返さない幸せな日が必ずあるという思いも込めて

今回「ループ」という作品を描かせて頂きました。
アトピー性皮膚炎で悩み症状を治療しても治療しても、改善したり悪化したりを繰り返す様子(ループ)を描いた作品です。
ライオンが叫び苦しむ様子はアトピー性皮膚炎特有の痒みや傷の痛みそして傷だらけの自分に自信が持てない様子を表しています。
そして隣にいる女性は症状が改善されつつあり嬉しさも感じるが、また繰り返してしまうのだろうかとどこか寂し気な表情をした様子を表しています。

この絵の面白いところは天地反転させても絵が成り立つところです。
逆から見るとまた違った雰囲気で作品を見ることができるので、観覧の皆様には是非写真にとって反転してみてもらえたらと思います。
いつか必ず症状は改善され繰り返さない幸せな日が必ずあるという思いも込めて作品を描いています。
私の作品が誰かの心の支えとなるような作品となっていれば嬉しいです。
(吉田美智さん)
高崎信子さん 佳作 60歳「孤独なイエロー」自己免疫疾患に対する理解と関心が広がり、治療法が解明される事を願って

この度、アッヴィアートプロジェクトに応募し、ありがたくも賞をいただきまして、こうして皆様に作品を見ていただく機会に恵まれました。
私自身は掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と言いまして、難しい名前の病気です。
発症して30年のお付き合いです。
何か手の平や足の裏側に異変を感じている方で、中々治らない手荒れだと思った方は、この病名を検索してみてください。
私が発症した時代は、ネット社会が始まったばかりで、病名に行き着くまでに2年以上の歳月が掛かりました。
図書館へ行き写真入りの専門書に「原因不明の難病」と見た時は、ショックで泣けた事を思い出します。

知っていただく事の重要性と、それが医療に向かう動きとなり、それが小さな一歩の始まりだと実感しております。
掌蹠膿疱症をはじめ、自己免疫疾患に対する理解と関心が広がり、治療法が解明される事を願っております。
そんな、長い闘病期間中に、アート制作に取り組み、モヤモヤした気持ちを忘れてさせてくれた成果がこの会場にはたくさん展示してございます。
芸術の秋、気分転換にお散歩がてらお越しいただけますと幸いです。
是非是非、お待ち申し上げております。
ご尽力くださいました関係各位の皆様方へ感謝すると共に。
(高崎信子さん)
小林侑里香さん 佳作 18歳 「『あなた』という私と『自分』という私との狭間が連れていく場所、私はここで生きる」深いところまで入って行くために…

この絵を描いた時、人間の出し得る限りの限界まで自分の中を探っていました。
募集要項に「あなたらしい方法で」と書いてあったのを見て、あなたって誰なんだろうなと考えました。
絵は、その作者に変化があれば手を加えなくても変わり続けることが出来ます。
私がこの絵を描いた時からちょうど1年経ちました。
私は1年で大きく変化しました。
そういう意味も含んだ絵だと思って観てみて下さい。

深いところまで入って行くために、アトピー性皮膚炎を引き起こしているぐちゃぐちゃしたものと向き合うために、私はよく進んで苦しみに行きます。
そうすると、絶対に何かは分かります。
分かったら自分自身が変わります。
今回の絵にそれを表現することが出来て嬉しかったです。
展示、ぜひ観に来てください。
(小林侑里香さん)
◆疾患と生きる。私の新たな可能性―アート展―
https://www.abbvie.co.jp/pickup/artproject/05/exhibition.html

