「朝食とる時間があるなら、そのぶん寝てたいし、メイク時間にあてたい」

―――日本の大学生たちは、日々の暮らしのなかで朝食の順位は、想像以上にランクダウンしている。

朝食をとらないで大学へ行く時代、午前中の講義やゼミは、大学生たちのほとんどが栄養不足やたんぱく質不足に陥っている。

日本人のたんぱく質摂取量
1995年ピーク時から37%減

事実、日本人の1日あたりのたんぱく質摂取量は、70年以上前の1950年と同量まで減少している。

戦後5年後を生きる人たちと同水準のたんぱく質量で、たんぱく質摂取量ピークは1995年で1日あたり81.5gもあった。

そしてリセッ豆乳プロジェクトが2025年6月に全国20代40代女性の3日間食事記録調査「豆乳摂取による食生活影響調査」を実施したところ、豆乳非摂取群(豆乳を飲まない人たち)20代女性の1日当たりのたんぱく質摂取量は、51.3g……。

なんと、1995年ピーク時の37%も少ない!

というわけで、食育をテーマにしたゼミを展開し、「未来の健康をつくる」をめざした跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科
石渡尚子教授のゼミ学生たちが、豆乳を使った“スペシャル救済メニュー”を開発し始めた。

たんぱく質不足ニッポンを救うスペシャルメニューとは?

跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科石渡尚子教授のゼミでは、こうした“たんぱく質不足ニッポン”を救うべく、20代女性のたんぱく質不足改善に向けて、「たんぱく質バランスランチプロジェクト」を2025春に始動。

同プロジェクトを率いる跡見学園女子大学石渡ゼミでは、11月17日から文京キャンパス学生食堂で、学生がメニュー考案した「たんぱく質バランスランチ」を3か月間限定でラインナップした。

女子大生が考案したたんぱく質バランスランチはどんなメニューか……?

動物性:植物性=1:2 を意識

これが、跡見学園女子大学の学生たちが考案した、たんぱく質バランスランチたち。

「コンセプトは、20代女性の1食あたりに必要なたんぱく質量を満たした上で、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質がバランスよくとれること、そして他の食事・間食で動物性に偏りがちという実態を考慮し、たんぱく質は動物性:植物性=1:2を意識しています。

また、女子大学生ならではのニーズをとらえ、安くて多くの野菜がとれて、鉄分もとれる、満腹感がある、お肌の悩みをサポートするといった設計コンセプトに含めています」(石渡ゼミ学生)

―――で、ここでびっくりするのは、すべてのメニューに豆乳が使われているという点。しかも、「大学生にまったく人気がない」という無調整豆乳を使って。

スーパーで売ってる豆乳がカギ

実はこの3品すべてに、スーパーやコンビニで売ってる豆乳が使われている。

パック入り豆乳って、牛乳などといっしょに冷蔵コーナーに並べられていることが多いけど、実は「常温保存可能品」などとパッケージに記されてるとおり、常温で保存できるタイプが主流。

だから、おうちで豆乳を加えたメニューを積極的にとろうと決めたら、こうした豆乳を常備しておけば、使いたいときにさっと開けて料理に加えるだけで、たんぱく質がアップするメニューがつくれちゃう。

たんぱく質や鉄分がかんたんにとれる

こうした豆乳をとり入れてたんぱく質アップを後押ししてくれてるのは、「リセッ豆乳プロジェクト」。

このリセッ豆乳プロジェクトでは、メニュー調理用となる豆乳の提供と、提供期間中、たんぱく質バランスランチを注文した学生を対象に豆乳を無料配布し、学生たちのたんぱく質不足をフォローしていく。

石渡先生も、「たんぱく質を中心にバランスの良い食事を意識してとること。豆乳はたんぱく質のほかにも、牛乳にはほとんど含まれない鉄分などもとれます」と推す。

間食を豆乳に置き換える

「ちょっとお腹が空いたとき、間食を豆乳に置き換えるだけで、たんぱく質や鉄分がしっかり補えます。

たとえば、朝は牛乳で動物性たんぱく質とカルシウムをとったら、お昼は豆乳で植物性たんぱく質や鉄分をとるという習慣もおすすめ。

豆乳1本で満腹感も得られますし、大豆製品にはたんぱく質のほかに脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、さらに大豆イソフラボンなどの機能性成分などいろいろ入っています。

このたんぱく質バランスランチをきっかけに、飲料として手軽にとれる豆乳で、鉄分やたんぱく質・エネルギー不足をかんたんに補う習慣を身につけてほしいと思います」(石渡先生)

次は朝・昼・晩と3回に分けてこまめにとることを意識

「たんぱく質の量を意識することができるようになったら、次に、朝・昼・晩と3回に分けて、こまめにとることを意識すると良いでしょう。

ヒトは一度に大量のたんぱく質を代謝することはできないため、一日に必要な量を複数回に分けて摂取することが望ましいとされています。

また、たんぱく質の動物性と植物性のバランスは1:1を意識すると良いでしょう。

手軽に植物性たんぱく質を摂取するには大豆食品を1品加えてみてください。

大豆は植物性たんぱく質が豊富に含まれており、良質なたんぱく質源です。

なかでも豆乳はお料理の汎用性も高く、間食としても手軽に摂取ができるのでおすすめです」(石渡先生)

―――スペシャルメニューを考案した渡辺きずなさん・服部梨乃さんも豆乳で植物性たんぱく質をとる、を推す。

健康的で続けやすい食事を提案

「このプロジェクトでこだわったのは、学食を通して学生の食生活改善につなげることです。

たんぱく質を意識したメニューを提供するだけでなく、普段の食習慣を意識してもらえるように食育啓発資料も作成しました。

動物性たんぱく質はとりやすいいっぽう、植物性たんぱく質は意識しないと不足しがちです。

若い女性の悩みや学生へのアンケート結果をもとに、健康的で続けやすい食事を提案しています。

いっぽうで、豆乳の低カロリーというメリットが、逆に全体のエネルギー量を落としてしまうこともあり、20代女性に必要な1日のエネルギー量をキープするメニューに仕上げていく点も時間をかけました」(渡辺さん)

おいしさを重視してメニュー開発
デザートづくりも牛乳を豆乳に置き換えて◎

「メニュー開発では、主菜と副菜のバランスや味の相性を大切にしました。

どのメニューにも豆乳を使っていますが、豆乳の風味が苦手な人でも、おいしく食べやすいように工夫しています。

このおいしさを重視してメニュー開発した点がポイントです。

また一人暮らしの学生の中には朝や夜に食事をとらない人もいるため、どのメニューもしっかりと満腹感を感じられるように工夫し、誰にでも満足してもらえるメニューをめざしました」(服部さん)

豆乳はデザートづくりにも便利で栄養価もアップ

「さらに、豆乳はデザートづくりにも便利で栄養価もアップします。

プリンやクッキー、ロールケーキなど、牛乳を使うデザートを、豆乳に置き換えるだけで、たんぱく質や鉄分が摂れてひと味違うおいしいデザートもつくれます。

しかもバナナ味やチョコ味など、フレーバー豆乳を使えば手軽にバリエーションも広げられるのもいいですよね」(服部さん)

―――朝食をとらない大学生が、ガチで向き合って開発した最新豆乳メニュー。

跡見学園女子大学発の“最新豆乳メニュー”が、全国・全世代へ広がりそうな気配。

きょうからみんなもスーパーやコンビニに行ったら、豆乳コーナーをスルーしない習慣を♪

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