1年後の2023年10月から始まるインボイス制度。
企業から仕事を受けるフリーランスと、フリーランスに仕事を依頼する企業の経理担当者は、インボイスという制度をどこまで認知し、制度導入にむけてどこまで準備しているか。いまなにに困っているか―――。
ITフリーランスのマッチングサービス「フリエン」「チョクフリ」を展開するアン・コンサルティングは8月31日~9月1日、全国の従業員数10名以上の企業に勤める20~59歳の男女で、企業から仕事を受けるフリーランス150名、フリーランスに仕事を依頼する企業(経理担当者)150名を対象に、「インボイス制度に関する調査」を実施。
その結果、インボイス制度の理解度は48.7%にとどまり、準備状況については60.7%が何かしらの対応をする方針で動いている(予定)ことが明らかに。またいっぽうで、不安や反対の声が多いこともわかった。
48.0%の企業の経理担当者はフリーランスに「適格請求書発行事業者」申請をしてもらえなかった場合、新たな取引先を探す可能性があることがわかった。
こうした結果から同社は、フリーランスは安定して仕事を受けるために、インボイス制度導入に向けて慎重に検討すべきと唱えている。
インボイス制度施行まであと1年にも関わらず、制度の理解度は48.7%
企業から仕事を受けるフリーランスとフリーランスに仕事を依頼する企業の経理担当者へ2023年10月1日から導入される「インボイス制度」を知っているか聞いたところ、「内容まで知っており、理解している」と回答した方は48.7%。
いっぽうで「聞いたことはあるが説明できない」が39.0%、「知らない」が12.3%であわせると51.3%と半数以上の人が「インボイス制度」を十分に理解していないことがわかった。
また、「内容まで知っており理解している」「聞いたことはあるが説明できない」と回答した方へ、「インボイス制度」の準備をしなければ、取引先が適格請求書を発行してもらうことができず、仕入税額控除を受けられないことを知っているか聞いたところ、「知っている」77.2%、「知らない」22.8%だった。
「準備をする予定はない」が10.3%、「わからない」が20.3%
「インボイス制度」導入に向けて準備をしているか聞いたところ、「準備が終わった」が8.7%、「今準備をしている」が27.3%、「これから準備をする予定」が24.7%で、合わせると60.7%の人がインボイス制度導入に向けて準備を行っている(予定)ことがわかった。
いっぽう、「準備をするか検討中」が8.7%、「準備をする予定はない」が10.3%、「わからない」が20.3%だった。
システムの改修、適格請求書発行事業者の必要性にも関心
「インボイス制度」導入に向けて、「準備が終わった」「今準備をしている」「これから準備をする予定」と回答したフリーランスと企業の経理担当者へ、どういった準備をしているか聞いたところ、フリーランスは、「インボイスの交付方法(電子インボイスの提供など)を確認」が78.9%、「適格請求書発行事業者の登録手続き」が49.1%、「経理・受注システムなどシステムを改修」が35.1%。
いっぽう、企業の経理担当者は「適格請求書発行事業者の登録の確認」「経理・受注システムなどシステムを改修」が同率で71.2%、「受領するインボイス様式の確認」が55.2%。
フリーランス、企業の経理担当者ともに、システムの改修、適格請求書発行事業者の登録に関することがTOP3に入っていた。
「わからない」が36.8%で、決めかねている人が3割以上
「インボイス制度」導入に向けて、「準備をするか検討中」「準備をする予定はない」と回答した人へ、準備をしない・検討中の理由を聞いたところ、フリーランスは「インボイス制度が本当に適用されるか、わからない」「納税によって手間と経費が増加しそう」といった意見があった。
また、企業の経理担当者は「会社の人針が決まっていない」「対象となるかどうかわからない」など、会社の人針に関する情報がまだまだ不足していることがわかった。
そして、取引先に「適格請求書発行事業者」申請手続きをするように頼まれた場合、対応するか聞いたところ、「対応する」が38.6%、「対応しない」が24.6%、「わからない」が36.8%で、決めかねている人が3割以上いることがわかった。
フリーランスは「インボイス制度」導入にむけ慎重に準備を
企業 経理担当者へ、取引先(フリーランス)に「適格請求書発行事業者」申請をしてもらえなかった場合について聞いたところ、最も多い回答が「インボイスを発行してくれそうな新たな取引先を探すか検討する」32.7%。
次いで「インボイス制度が発行されなくても、現在契約を結んでいる取引先のまま今後も取引を行う」19.3%、「インボイスを発行してくれそうな新たな取引先を探す」15.3%だった。
48.0%の企業がインボイスを発行してくれそうな新たな取引先を探す方針で検討していることがわかった。
ちなみに「インボイスを発行してくれそうな新たな取引先を探すか検討する」32.7%、「インボイスを発行してくれそうな新たな取引先を探す」15.3%。
今後の取引を継続するためにも、フリーランスは「インボイス制度」導入に向けた準備を慎重に検討したほうがよい結果に。
「収入減につながる」「負担増になる」という声も
インボイス制度について困っていること・不安に思っていることを聞いたところ、フリーランスは「収入減につながる」「事務作業にかかる負担の増加に不安を感じる」といった意見が。
企業 経理担当者は「消費税をはじめ、様々な税務問題で損失をしないか不安」「インボイスを発行してもらえない取引が多く、負担増になり困っている」といった意見があった。
「手取りが減る可能性がある」「手続きが大変で費用がかかる」
「インボイス制度導入」についてどのように思うか聞いたところ、「賛成」が2.7%、「やや賛成」が6.7%で合わせると9.4%で「どちらでもない」が43.7%。
そして「やや反対」が15.0%、「反対」が32.0%で合わると47.0%と、インボイス制度導入に対しての反対意見が4割を超える結果に。
反対の理由を聞いたところ、フリーランスは「手取りが減る可能性がある」「適格請求書発行事業者登録をしなかった場合、現在契約しているクライアントと今後の契約ができなくなる」との意見があった。
とくにフリーランスは年収に大きく関わる問題で、「インボイス制度導入」について心配や不安に思う人が多い。
企業 経理担当者は「手続きが大変で費用がかかる」「他の制度で適正課税は確保できる」といった声があがっている。
インボイス制度に関して正しい情報を届けるアン・コンサルティング
企業から仕事を受けるフリーランスとフリーランスに仕事を依頼する企業の経理担当者へ、インボイス制度導入についての意識調査をしたところ、施行まであと1年にも関わらず、制度の理解度は48.7%にとどまった。
またインボイス制度の準備状況について、60.7%が対応する方向で動いている(予定)ことが明らかに(「準備が終わった」8.7%、「今準備をしている」27.3%、「これから準備をする予定」24.7%)。
いっぽうで、インボイス制度に関して、「フリーランスは手取りが減る可能性がある」「インボイス制度導入の利点を感じられない」など不安や反対の声が多いのも事実。
実際、取引先が「適格請求書発行事業者」申請をしていない場合、48.0%の企業 経理担当者が「適格請求書発行事業者」申請をしてもらえる新たな取引先を探す方針で検討すると回答している(「インボイスを発行してくれそうな新たな取引先を探すか検討する」32.7%、「インボイスを発行してくれそうな新たな取引先を探す」15.3%)。
フリーランスは安定して仕事を受けるために、インボイス制度導入に向けた準備を進めたほうがいいかも。
すでにインボイス制度導入に向けた対応を始めている企業やフリーランスもいるが、施行1年前のタイミングとしては、認知度・準備はまだまだ低い状況。
フリーランスと企業のマッチングを行っているアン・コンサルティングは、税理士法人との提携やインボイス制度に関するオンラインセミナーの開催など、インボイス制度に関して正しい情報を届けているとういから、気になる人は公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
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