「曹亜鋼先生の作品に没入できるような音でチカラになれれば」
そう語るのは、音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲家、キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、ミキシングエンジニア、DJなどマルチに活躍する音楽家の小室哲哉。
小室哲哉から「チカラになりたい」とメッセージを受けるのは、水墨画家の曹亜鋼(そうあこう)。
―――曹亜鋼アートセンター代表で水墨画家の曹亜鋼は、国際芸術交流の拠点を目指す長崎県のアトリエで、国内最大サイズ縦3.65m横9.2mのキャンバスに富士山の水墨画を制作中。
「日本最大の水墨画」制作発表会にスペシャルゲストとして登壇した小室哲哉は、こう語る。
「映画音楽などとは違い、止まっている、躍動しているものを切り取っている絵画に、ぼくがどうチカラになれるか……。
曹亜鋼先生の創作活動を“音”でサポートしたいと思っています。
曹亜鋼先生の原画に没入できる、その世界観に入り込めるようなサウンドのサポートができればいいなと思っています。
いいシナジーが生まれればいいなと思います。曹亜鋼先生の“日本一の水墨画”、楽しみですよね」(小室哲哉)
曹亜鋼「みなさんに衝撃と元気を贈ることができれば」
『日本最大の水墨画』制作発表会で冒頭、曹亜鋼は、「これまでにない大きさのスケールと表現を手掛けています」と伝え、こう続けた。
「この日本最大の水墨画のほかに、4枚のアートを手掛けています。そのひとつが桜。
桜の花は1週間というはかないものですが、私の桜は散らずに永遠です。
この日本最大の水墨画や桜のアートをご覧いただき、みなさんに衝撃と元気を贈ることができればと思っています」(曹亜鋼)
「文化と芸術の継承・発展と創造のために」
また、曹亜鋼アートセンターは、「このコロナ禍で旅行が制限され、芸術交流も制約されるばかりでなく、世界の大変動による無情さや、人間の命のもろさを痛感した曹亜鋼は、文化と芸術の継承・発展と創造のためにさらに広く活動の場を広げ、社会に貢献したいという強い想いを、この「日本最大の水墨画」で結実させていきます」と。
そんな曹亜鋼の国内最大規模となる水墨画は、長崎県のアトリエで9月の完成をめざして制作中。
「日本に住む私が、日本の風景、富士山や桜を題材としたアートと、安室奈美恵さんなど多彩なアーティストたちと創作活動に尽力してきた小室哲哉さんと、コラボレーションが実現できれば」(曹亜鋼)
小室哲哉「唯一ひとつの原画やオリジナルを観に行く大切さ」
小室哲哉はまた、「NFTのようなトレンドが先行するなか、世の中のすべてのもの・ことがデジタル化していいのか」と投げかけ、こう伝えた。
「オリジナル原画の価値はどこに行くんだろうという関心はあります。
アンディ・ウォーホルからコンパクトディスク(CD)まで、コピー文化の時代から、ひとつ抜けてこんどはNFTの時代。
そんないま、唯一ひとつの原画やオリジナルを観に行く大切さに価値があると見直されているんじゃないかなと。
坂本龍一さんがどこか僕のなかで、“日本の誇り”だったんですね。その前は冨田勲さんがいまして…。
いまだに音楽をつくるときには、坂本龍一さんの作品が浮かんじゃうんですよね。
いま、同い年ぐらいの音楽家に憧れる気持ちはいつまでも持っていないと創作活動はできないと思います。
たとえば、アカデミー賞 作曲賞(1995年)に映画『ライオン・キング』を手がけたハンス・ジマー(Hans Florian Zimmer)は、ぼくと同い年。
そんな『遠いけど、できなくないよな』という距離の人をみつけていまも創作しています。やっぱり背中を見て追いかける人が必要ですよね」(小室哲哉)
―――小室哲哉が「いいシナジーが生まれればいい」と想う曹亜鋼の「日本最大の水墨画」。9月の完成がいまから楽しみだ。