エイジング全般の研究領域で注目が集まっている、ミトコンドリア。

大正製薬は、学習院大学理学部 柳茂教授と共同で、ミトコンドリアユビキチンリガーゼ「MITOL」(Mitochondrial Ubiquitin Ligase)が毛髪や皮膚のアンチエイジングにおいて重要な働きを有することをこれまで解明してきた。

この若返りの鍵である MITOL の発現を高めるボタンピエキスが、「毛髪のメラニンを維持する」「毛髪の成長期を延長する」などがわかり、ボタンピエキスが白髪や薄毛といった毛髪のエイジングに有用である可能性を見出した。

また、毛髪アンチエイジングにおいて共同研究するネイチャーラボのブラックリバースペプチド1が、ボタンピエキスの毛髪メラニンへの作用をさらに増強することを確認した。

「MITOL活性化成分:ボタンピエキス」の白髪に作用する可能性

大正製薬ではこれまでに、MITOL の発現が低下すると白髪などの髪の老化につながる可能性を発表してきた。

今回は、皮膚上皮系細胞で MITOL 発現を高める素材である「ボタンピエキス」を色素細胞に添加したところ、色素細胞においても MITOL の発現を高めることを確認した。

また、この色素細胞で MITOL 発現を高めるボタンピエキスを培養毛包に添加したところ、ボタンピエキス添加群において対照群と比べ、培養後のメラニン量が多いことを確認した。

「MITOL活性化成分:ボタンピエキス」の薄毛に作用する可能性

髪は常に成長しているのではなく、一定の寿命がある。成長したあと自然に抜け、再び同じ毛穴から新しい髪が生まれる、この繰り返しをヘアサイクルという。

このヘアサイクルは、成長期(2~6年)、退行期(2~3週間)、休止期(3~4ヶ月)に分かれ、成長期が長ければ長いほど、髪はその分長く成長し、また太くなる。

つまり、髪の成長においては「成長期」が最も重要な役割を果たしている。

今回の研究で、「MITOL活性化成分:ボタンピエキス」を培養毛包に添加したところ、「ボタンピエキス」がヘアサイクルの「成長期」を延長させることを新たに見出した。

「ボタンピエキス」の白髪への作用を「ブラックリバースペプチド1」が増強する可能性

「MITOL活性化成分:ボタンピエキス」の毛髪に対するアンチエイジング作用を研究してきた大正製薬は、ネイチャーラボ社の「ブラックリバースペプチド1」を組み合わせることで、さらなる白髪への作用の可能性を見出した。

今回、「ボタンピエキス」の色素細胞での MITOL 発現上昇を、「ブラックリバースペプチド1」がさらに高めること、「MITOL活性化成分:ボタンピエキス」と「ブラックリバースペプチド1」を組み合わせることにより、毛包中でのメラニン含量が対照群と比較して有意に増加することを新たに見出した。

ホームユーステストで「白髪が減少したように感じた」と回答

これらの細胞や培養組織で得られた知見を活用し、ホームユーステストで生活者が「ボタンピエキス」×「ブラックリバースペプチド1」を使ってみたところ、約40%の人に白髪が減少したように感じ、さらに髪の毛の量が増えたように感じた人については、約70%の人に白髪が減少したように感じたという。

大正製薬は「MITOL活性化成分:ボタンピエキス」とネイチャーラボ社の「ブラックリバースペプチド1」の組み合わせが、白髪や薄毛といった毛髪のエイジングに有用である可能性を示唆。

同社は今後も、MITOL の新たな機能や MITOL 発現を促進させる素材の作用について、さらに研究をすすめていくという。

左から大正製薬 セルフメディケーション開発研究所 基盤研究室 新井良平主任、同 製剤第3研究室 開発1グループ 阿部晃也グループマネージャー 、同 長濱徹 室長、ネイチャーラボ セルラボ所属 共同開発コンサルタント 竹岡篤史氏

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