わたしたち人間を含む「生き物」の進化と神秘が、1日でがっつり体感できる―――。
訪れるたびに、毎回、新しい発見と気づきがある「生き物」のミュージアムが、麻布大学「いのちの博物館」。
JR横浜線 矢部駅から歩いて5分、麻布大学の正門を入ってすぐ、馬場の先にある2階建てのモダンな建物なかに、本物の展示標本の展示が500体以上!
館内に入るとまず、リアルな骨格標本の迫力に圧倒される。そしてこの麻布大学「いのちの博物館」が国内唯一として注目を集める理由が、「すべてレプリカではなく本物の骨格標本を、麻布大学の獣医・動物・健康・食物・環境という5つの視点で観察できる」という点。
そんな麻布大学らしい解説の一部を紹介すると↓↓↓
動物たちの“食”や“棲み分け”がわかる!
「たとえば、人間は上の歯が前になる。鼻よりもアゴが後ろにある。いっぽう、サルの骨格標本をみると、鼻よりもアゴが前にあって、下の歯が上の歯よりも前にある。それが進化というか、退化してるかというのはわからないんです」
そう教えてくれるのは、島津徳人館長(麻布大学 生命・環境科学部 食品生命科学科 准教授)
「牛と馬って同じ草食動物だけど、馬は上下の歯をピンセットのように使って短い草を食べることができる。牛は長い草を包丁で切るように食べるので、丈の長い草をたべている」
同じ角(つの)でも“素材”が違う!
「サイの角(つの)は、毛がギュッと集まって固くなってできたもので、中国では漢方などでも使われて、乱獲が問題になっている。いっぽうで、キリンの角は骨。だから同じ角でも由来や特徴も違う」
2~3トンの巨大ゾウと、数十グラムの小さなハムスターの骨格標本が並べられているのはなぜ? と聞くと、「ゾウもハムスターも基本的には骨格構造が同じ。そこを実際の骨格標本を観察して感じてほしい」
哺乳類(ほにゅうるい)にある神秘的な共通点、首の骨の数がなんと…!?
島津館長は、こんな神秘的な共通点も教えてくれた。
「実は哺乳類(ほにゅうるい)は首の骨はほとんど共通で、7個。キリンもイルカもゾウも(みな哺乳類)、数えてみるとみんな首の骨は7個でつながっている。
ナマケモノだけ7個以上。そのナマケモノの骨格標本も天井付近にいます(笑)。こうした共通点も、実際に本物の骨格標本で観察して実感してみてほしい」
島津徳人館長が大好きな、居心地のいい空間がこれ↓↓↓
「キリンは首が長いようにみえるけど、実は前足のほうが首より長い。それも骨格標本を観察することでわかる。
また、ガラスの囲いなどがなく、直に観察できることがすごい。わたしはこのゾウの肋骨のなかから見える景色が大好き」
本物の骨格標本を触って動かして仕組みを理解できるコーナーも!
通常の博物館では、展示物に触れることはできないのに、ここ麻布大学「いのちの博物館」のハンズオンコーナー(原則土曜日限定公開で現在は休止中)では、骨に直接触れて、抱えて、動かして観察でき、動物の骨格・身体を直感的に理解できる。
しかも、ゾウの顎(アゴ)の骨、シカの頭や脚(あし)の骨、ウマやイノシシやイヌの頭の骨などいろいろあって、骨格標本を見ながら、バラバラの骨がどこの部分のものか、それらがどうつながっているかも体感できる。
だから、こうして画像↑↑↑のように、実際にトラなどに噛みつかれたときの“痛さ”も体感できる。これも楽しい。
誰でも自由に見学OK! 麻布大学 博物館解説サークル「ミュゼット」の今後もチェック!
「幼稚園児、小中学生から御年配まで、幅広い世代の方々が、本物の標本の迫力と魅力を肌で感じ、いのちの大切さを学び、楽しんでもらえるはず」と島津館長が推す麻布大学「いのちの博物館」。
こうした「マジで!」が連発する解説は、館長をはじめ、館内スタッフや麻布大学 博物館解説サークル「ミュゼット」の学生たちが本来は「よろこんで!」と引き受けてくれるんだけど、現在は残念ながらコロナ感染拡大防止のために休止中(泣)。
事前予約制で個人でも来場OK、感染拡大防止に注意しながら見学できるから、公式サイトで最新の情報をチェックして、訪ねてみて↓↓↓
―――そして最後、島津館長がこんなおもしろい話題を投げかけてくれた。
「世界のネジって、締めるときに右にまわしますよね。この右回しって……」
このあとの、ネジ締めやキャップ締めは右回しになっている生物学的な理由については、実際に麻布大学「いのちの博物館」に訪ねて、「なるほど!」と唸ってみて。
◆麻布大学いのちの博物館
https://life-museum.azabu-u.ac.jp/
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◆麻布大学
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