プロ野球選手たちは、自身のプレーで稼いだマネーをどう運用しているか。阪神タイガース“JFK”で優勝へと貢献し、米メジャーリーグへも挑戦し、レジェンド入りした藤川球児は、これから資産をどう運用していくか―――。

そんな藤川球児の野球論とマネー観がいろいろ伝わる対談が行われた。auじぶん銀行が開催する、アスリートセカンドキャリア支援企画「特別対談 教えて! 臼井社長」だ。

野球好きで阪神タイガースの熱狂的ファンでもある auじぶん銀行 臼井朋貴 社長と、いま阪神タイガース特別補佐を務める藤川球児が、マネー観や資産運用ビジョンに加え、「現役時代の10連投」から「いまのタイガース首脳陣」「順位予想に対する考え」までを熱く語った。

20代・30代の若い世代が注目する「つみたてNISA」

――――若い野球選手は、お金について不安を抱いている人もいますか?

◆藤川球児:ものすごく多いですね。実績を伸ばしていい選手になれれば、日本の球界でも長期契約できる制度が入ってきて、選手へのサポートは少しずつ増えています。ですがそこにいくまでですよね。選手たちはすごく不安を抱えていますし、入団するときの契約金も非常に下がってきている。そういう意味では今の方がある意味ドライで、セカンドキャリアの受け皿は少ない。球団も必死にサポートしようとしていますが、どうしてもなかなか現状は難しいですね。

――――なるほど。コロナ禍という状況が相まって、お金に対する不安が増してきていると。臼井社長、お聞きになっていかがでしょうか?

臼井社長:球団経営って本当に大変だと思います。無観客が長く続いて、現状でも観客は球場の大きさに関わらず5,000人ですし、それを考えると、選手も大きな不安を抱えながらプレーされていることと思います。ただ、コロナ禍で世界が大きく変わりましたから、やはりお金に対する意識というのもスポーツ選手に限らず大きく変化してきていると感じています。「つみたてNISA」って聞かれたことがあると思いますが、2018年1月からはじまった制度で、年40万円までの投資なら分配金や売却益が20年間、非課税になるものです。この口座開設が、2020年の1年間で1.6倍に増えたんですね。貯蓄から投資へ、貯蓄から資産形成へと政府が叫んで20年経ちますが、まだ現状はあまり進んでいない中、この1年ではだんだん将来に向けて考えが変わってきたことを感じています。特にこの伸びをけん引しているのは、20代・30代の若い世代。若いということは、それだけ残された時間がある、という事ですから、ぜひ選手のみなさんも含め、金融リテラシーを高めていただきたいと思います。

海外の選手は「まずは稼いだら資産運用」

――――お金の話といえば、まずは「貯蓄・貯金」というところだと思いますが、実際の後輩たちを見ていて、ちゃんと貯金はされている人が多いのでしょうか?

◆藤川球児:今の選手は、ある一定のラインからやっと貯金から資産運用に切り替えようとしているという印象ですね。具体的には5,000万円を超えたあたりから相談が増えてきました。銀行では資産運用を勧められますが、自分たちの時はリーマンショックを受けて、運用をしていた選手の中には苦しくなった人もいましたので、僕たちはそこからずっとクエスチョンがついたまま10年ほどすぎてしまいましたね。

――――後輩たちの資産運用が増えにくいのは、なぜだと思いますか?

◆藤川球児:アドバイザーが球団の中にいなくて、アスリートの近くに存在してない。そして短期で利益を得ようとするところが野球選手にはあるので、長期で人生設計を考えることが難しいのではないでしょうか。しかし実際にやってみるとそこまで難しくないですし、自分はアメリカでも実際にやっていますから、イメージに引っ張られすぎているのかなと思いますね。

臼井社長:おっしゃる通りです。日本は金融教育ができていなくて、正面からお金と向き合っていない。欧米では小さい時から投資に対する教育が小学校からなされているので、生活の一部として投資がある。アメリカで生活していたと思いますが、まわりのアメリカ人の人は、投資をやっていたんじゃないですか?

◆藤川球児:まさにアメリカの選手はいい車とか全然興味がなくて。まずは稼いだら資産運用をどう考えるか。これはアメリカの選手と限らず、ドミニカや南米の選手も同じです。短期で稼いだ資産をどうやって長く増やしていくかを考えています。自分自身も、実際の資産はアメリカで持っていて、7:3でアメリカが7で日本が3という状態です。アメリカでは3が銀行口座、7は資産運用で、これくらいがベターですね。

日本の家計資産は20年で1.2倍、アメリカは2倍、イギリスは2.3倍

臼井社長:おっしゃる通りで、実際に、日本では貯蓄メインで投資をしないので、日本とアメリカで20年間の家計資産の推移の資料をみていくと、日本は20年で1.2倍にしかなっていない。全然増えないのに対して、アメリカは2倍、イギリスでは2.3倍になっているんです。先ほど、年俸5,000万円を超えたくらいから資産運用の相談が来る、とおっしゃっていましたが、年俸数百万の時代から、少額でもきちんとポートフォーリオを組んで運用してく、というクセを付けていくんです。そうすれば、年俸が上がるにつれ、運用資産も増えていきますから。全然違うと思いますよ。

◆藤川球児:全然差が出ますよね!20代〜30代からはじめるというのが重要だと思います。自分は子どもが19歳なので、運用について知ることはこれから非常に大切になると思いました。やっぱり少子化になっている現状で不安を抱えたら良くないし。どんどん積極的にやっていかないとと思いましたね。

長期でコツコツ・分散が基本、投資信託がおすすめ

――――臼井社長、まず投資をはじめるにあたって、踏まえておくべきことはあるのでしょうか?

臼井社長:とりあえずやってみるというのは重要だと思います。ただし、ピッチングの配球でもそうですが、何も考えずに「えいっ」と投げればいいわけではありません。相手のデータを集めて研究するのと同じで、貯蓄も一発勝負で短期にドンと入れるのではなくて、長期でコツコツ積み重ねること。そして分散することが基本だと思います。準備と基本が大切なのは野球と同じですね。

――――「短期で結果を出したい」と考えてしまうものですが、そんなにうまくはいかないということですね。

◆藤川球児:私は、妻と相談しながらやっていました。アメリカにいるとまわりの選手から教えていただけたりするので、現役を辞めた時に不安のないようにしました。これはグラウンド上では誰も聞きたい話ではないと思いますが、もう一歩みると、リアルに生活するファミリーがいる。子どもを育てていく中でのメジャーへの挑戦だったので、お金に不安がない状態で、野球に打ち込める環境を整えることは大切だと思いました。

――――少額から始められて、将来少しでも安心できる、みたいな資産運用はありますか?

臼井社長:少額で始められて、かつ、将来を見越して、ということでしたら、やはり投資信託がおすすめですね。積立にすれば100円からでも始められます。投資信託は、投資対象が「国債・社債」「株式」「不動産投資信託(REIT)」「コモディティ(金・原油・穀物など、日常生活に必要な資源や商品)」に大きく分けられます。直接、株式や不動産に投資する、ということも可能ですが、株式の場合は、売り時や買い時を逃がさないように、ある程度値動きを気にしておかねばなりませんし、不動産であればまとまった資金が必要だったり、ローンを組んだりと、“お金”と“手間”と“運用力”が必要になります。ですが、投資信託の場合は自分で運用する必要はありません。ただし、値動きはありますので、一気に大口で購入するとせずに、積み立てなどで少しずつはじめるのがいいかと思いますね。

「コツコツと長期で」20年保有すれば2~8%の運用益

――――この投資信託でも、やはり損をすることもあるんでしょうか。

臼井社長:プロ野球選手の選手寿命って短いと思うんですよね。

◆藤川球児:だいたい平均で9年だと思います。

臼井社長:9年あれば、ある意味長期になるので、さっき言ったようにコツコツやっていれば増えていくと思います。逆に5年とかだと、損がでたタイミングでやめてしまうことになるケースも。現に、金融庁の示しているデータなのですが、保有期間が5年以下になりますと元本を下回ることもありますが、20年保有すれば2~8%の運用益が得られるという検証結果があります。腰を据えて少しずつ長期でやることが重要だと思いますね。

◆藤川球児:僕もそう思いますね。僕自身、まだ日本での資産運用はこれから考えていかなきゃな、というところなので、今答え合わせをしながら聞いています(笑)「コツコツと長期で」というのを後輩に伝えていきたいと思います。

国内資産だけでなく海外資産も保有して「分散」する

――――お金について、是非臼井社長社長にこれは聞いておきたい、ということはありますか?

◆藤川球児:私は、先程お話したとおりで、アメリカでは資産運用の経験があるんですが、日本でもぼちぼち、やっていきたいなと考えていまして。ただ、日本の最新の金融事情というのにそこまで詳しいわけでもないので、今、日本でやるならこれだ、というのがあったら、教えていただけないでしょうか?

臼井社長:これが儲かる、というものは正直誰にもわかりません。ですが投資の基本は「長期」「分散」です。さっき7:3とおっしゃっていたのをもう一つ分けて、今すぐ使うお金と、中期的なお金(子供の入学金やマンションの頭金など)、老後のお金。これを、人にもよりますが2:5:3など割り振って、それに応じた投資をするといいと思います。株などは勉強しないと難しいので、余裕のあるお金で時折、損をしつつも学んでいくというのがいいかもしれませんね。
ピンポイントで「コレ」と買ってしまうと、その時点で分散できていないことになるので、資産全体を踏まえた「ポートフォリオ」を組むことが大切です。その中で、国内資産だけでなく海外資産も保有して「分散」する。そうすれば、日本の景気が悪くなった時は、海外資産でカバーするという「リスク分散」ができるようになります。藤川さんの場合は、海外資産の運用経験も十二分にお持ちだと思いますので、同じ要領でリスク判断をされながら日本円で資産を築かれていけば、全く問題ないと思います。

◆藤川球児:月々定額から始められるものがいいとおっしゃられていましたが、具体的にはNISAとかですか?

臼井社長:つみたてNISAもいいですが、限度額がありますので、iDeCoなんかはどうでしょうか。個人事業主は上限月68,000円なので、年間816,000円。これを積み立てとしてやっていただくのですが、積み立ての中をどう運用するかは自分で決められるんです。一番何も考えずに選べるのは、定期預金ですが、これは入れていても大きく増えません。あとは投資信託でリスクの低いものから、利回りがいいけれど少々リスクのあるものまであります。68,000円の中でポートフォリオを組んで、気軽に運用していくといいと思います。60歳まで貯められて、税制のメリットもたくさんあるんですよ。

「大型商業施設や新駅ができてから買う」では遅い、じゃあビットコインは?

◆藤川球児:税制のメリットはアスリート以外にも共通しますよね。自分は、子どもはアスリートではないので僕が学んだら子どもに教えたいと思います。僕たちができていなかった分、子どもたちの世代にはどうやってやるのかを伝えたいんです。そのためには、まずやってみないとと思っています。

――――今年もコロナ禍だったりとかはありつつ、オリンピックがいよいよ開催されるかというところで、2021年だからこそ、やっておいたほうがいい、というようなことは、何かあるでしょうか?

臼井社長:残念ながらオリンピックイヤーとなってしまうと、時すでに遅し…なんですよね。このタイミングですと、上がるものは上がり切って、下がるものは下がりきっているんです。そのため、オリンピック候補地が確定したタイミングで物色を始めなければなりませんね。これ、不動産も共通するものがありまして「大型商業施設や新駅ができてから買う」のではなく、まだ多くの人が認識してないところから動き始める。これがポイントです。

◆藤川球児:なるほど……。儲けるってやっぱり難しいですね。あとは、最近ビットコインが過去最高値というニュースを最近見て、ちょっと自分のいやらしい部分が出てしまって(笑)ああいうのはどう思われますか?

臼井社長:いやらしい一面が出ると、「いいですよね」と言いたくなりますね(笑)大きく儲かった方もいるので、一概に悪いものではないです。ですが、あれだけ大きく上がるということは逆もあるんです。その点についてはしっかりリスクを認識しておく必要があると思いますね。さらに仮想通貨は経済と連動して値動きしているわけではないので、予測不可能な要素が多くあると思います。トリッキーなんですよ。初めて対戦する打者のようなものです(笑)ダメだとは言いませんが、一部遊び心でやってみるというような、ロマンとしてやる程度ですかね。自分の全財産を一点張りは全く勧めません。リスクが大きいものは、「ポートフォリオ」がやはり重要で、自分でルールを決めるといいと思います。例えば、総資産の10分の1、20分の1で“リスク性商品”を持つと決めます。どんな商品を選択するかに拠りますが、なくなっても良い、という金額に設定するんです。

◆藤川球児:ビットコインは利益が出ても税金がすごくかかりますよね。手を出してもやめ時と入れどきがわからない。だから手を出せずにいました。

臼井社長:やっぱり興味は湧いてしまうと思います。そういう見方では、競馬やボートレースも本命と大穴とで賭けるじゃないですか。そういう感覚で、2:5:3の中の3の部分でちょっとくらいやってみるくらいの気持ちがいいと思います。それこそ儲かったら儲けもので、なくなったらしょうがないなって思える範囲で。

◆藤川球児:人生勉強で動きを知ることは大切ですね。遊び程度と聞いて少しほっとしました。大変参考になりました。ありがとうございます!

ここからは藤川&社長の野球論、阪神タイガース愛を

――――野球についてのお話も少し、お聞きしましょう。藤川さんの現役時代の活躍の中で、特に印象に残っていることはありますか?

臼井社長:そんなの、ありすぎて語れないですよ! けれど、なんとか絞ってひとつというと、2007年にタイガースが10連勝して一時ジャイアンツを抜いて首位に立った時に、10連投されたじゃないですか。9連勝目にドームに観に行っていて、どれだけ頼もしくてどれだけ感動したか。

◆藤川球児:僕のキャリアの中でも一番印象に残っているのがこのことです。それだけ10連投ってキツくて。最初は全然つらくないんです。3連投、4連投は当たり前ですから。けど6連投を超えてくると、身体がつらくていけるかなって思ってくる。最後の10連投目はマウンドに上がっただけで大汗かくくらい。僕はチャンスを掴めないところから、こうして周りのおかげで人生設計ができてきたので、呼ばれたら出たいと思いましたね。呼ばれたら出ていって、どれだけできるのかをみんなに見せてやるんだって思っていました。選手としてのバブル時期ですよ。若かったからできたことです。今後輩たちに同じように仕向けるかと言ったら、やりたいと言ってもやらせないと思います。だけどコンディションを見る自信はあります。

臼井社長:そう言う話を聞くとすごく感動しますね。こちらにもその思いは伝わっていました。ファンとして見ていて、盛り上げていこうという気持ちは感じていましたよ。

◆藤川球児:全てがパッケージでしたね。みんなでタイガース。みんなで魅せる。それができていた時期でした。本当に素晴らしいチームでした。

いまプロ野球がおもしろい「やっと野球界が若々しくなった」

――――大きく変化を迫られた2020年を経ての、2021年のプロ野球界。藤川さんが感じる、今年の注目ポイントはどういったところでしょうか?

◆藤川球児:プロ野球界は、セ・リーグが急に若返りました。ジャイアンツという素晴らしい選手を揃えたチームがありますが、さあここから他がどんなチームを作り上げていくのか。そしてどう立ち向かっていくのか。そろそろ牙城が崩されると思いますよ。キャンプを見ただけでは「ジャイアンツ、いいな」と思いましたが、若いチームが勢いでいったら、ジャイアンツが厳しくなって社長のファンのチームがいく可能性がありますよ。

臼井社長:いっつもこの時期(開幕前)は楽しいんですよ。ただ、シーズンオフには、(結果を振り返って)打ちひしがれる、みたいな。

◆藤川球児:今後3年から5年は連覇しているかもしれませんよ。ただ選手のモチベーションが低下しないこと。メンタルコントロールをしっかりして、一歩一歩着実に。運用と一緒ですよ。やっぱり大博打かけたようなプレーヤーばかりではダメなので、堅実にいくところ。そう言う意味ではドラゴンズはチャンスがありますし、広島カープの若さもありますから。パ・リーグの方はソフトバンクの選手がちょっと「ん〜」というところがあるので、どうなっていくのか見えませんが、オリックスもそろそろ頑張って欲しいと思います。

――――臼井社長は、どういったところを楽しみにされていますか?

臼井社長:今言ったように、みなさん若々しいですよね。タイガースにおいても、若い選手たちが高いレベルで競い合っているんですよ。見ていると楽しくなってきます。あと、今は外国人選手が来ていないじゃないですか。球界全体で見たら、外国人選手が揃って、フル戦力になっての熱い戦いに期待したいですよね。

◆藤川球児:格差が出ますからね。だからこそ日本人選手にとっては、コロナ禍でみんなが大変なのにある意味でチャンスとも取れる。だから選手はみんな黙っているんですよ。外国人選手が来ないことについて言及しない。やっぱりプロの凄さを見せてもらいたいし、やっと野球界が若々しくなったと、我がタイガースも含めて思いますね。

注目はタイガース首脳陣、監督の決断力と我慢する力に期待

――――今まさに、オープン戦の最中。藤川さんが今年、最も注目している選手は?

◆藤川球児:あんまり興味がないんです、というか興味を持ってはいけないんです(笑)立場上、どうしてもチームの誰々がって話になると難しい。ただ、たくさんのレギュラー候補がいるチームの現状をどこかで整理しないといけないと思っています。9つのポジションがあるように、全員が試合に出られるレギュラーとなると、指揮を取る方は難しくなる。その辺の組み合わせは今から監督がやっていくと思います。僕の注目は首脳陣ですね。タイガースの監督です。監督の決断力と我慢する力を、集大成として育て上げた自分を見せて欲しいと思います。

臼井社長:私はいちファンとして、高山選手ですね。レギュラーに返り咲いてもらいたい。私は、高山選手は首位打者を目指せるポテンシャルがあると思うんですよね。そこがもったいなくもあり、歯痒さもあり。「使ってやってよ」って気持ちもあったり。

◆藤川球児:球団でも、高山選手は素晴らしい能力があると言われていました。タイガースは佐藤という選手をドラフト1位に指名しましたが、一番の選手だったので思い悩んでドラフトを指名していますからね。悩みが強過ぎて、球団も苦々しい思いをしてますよ。けどこれがタイガースファンのいいところで、春はいつもそうだって言ってくれる(笑)中盤になると選手がいなくなる。そこで星野監督、岡田監督は優勝させていますが、我慢強く選手を起用した時だけが勝っているんです。それから忍耐力、決断力、そしてメディアが動いても止まれる力。出してもらえない選手は嫌な顔をすると思いますが、そこはヘッドコーチと役割分担してもらうところですね。そこにスペシャルアシスタントとしての意味があると思います。

東京ドーム打法がある、甲子園球場とは打ち方が違う

――――ズバリ、今年の阪神タイガースの、順位予想をお願いできますでしょうか。

◆藤川球児:順位予想は僕が評論家としてやらないと決めていることです。僕は新聞の評論家でありながら、順位予想しなければという条件で契約しているんですよ(笑)なので順位予想はしないですが、チャンスは昨年よりはあります。他球団は外国人の入団が遅れていますが、うちには外国人選手が今でもいるので、アドバンテージになっていると思います。藤浪選手が頑張れば、など色んな条件はついてきますが。極端に言えば、3位って言えたら楽ですよね。チームが強く、選手たちが幸せな顔をして、ファンの方が楽しそうなら僕は何位でもいいですけど、そうなると優勝しかなくなるけど(笑)。

臼井社長:去年は2位とは言っても、対巨人戦でやられてしまったので残念でした。巨人にだけは負けるなっていうのが阪神ファンだと思うんです。やられっぱなしは、ちょっとなんとかしてよと思いますね。熱い戦いを見せてくれるなら、最終順位は時の運でもあると思いますし。

◆藤川球児:対巨人戦については、一番は監督が思っていますよ。僕は去年のようにはならないと思います。ジャイアンツの今の状態を見ると、少し厳しいのかなとは思います。ジャイアンツの選手って今から上がってくる。東京ドームのオープン戦が増えてくると、東京ドーム打法みたいなのがあるんです。甲子園球場とは打ち方が違うんですよ。ホームゲームをしっかりとっていっている。土のグラウンドでのミスを減らすことが課題になりそうですね。この一騎討ちになるかな。去年は優勝が決まっている中で、タイガースはまだ順位を追いかけていたので、初めて見る光景でしたね。優勝マジックは消えていたけど、2位3位を争ってる。僕はそこに違和感があったので、今年はその部分を注目して見ていきたい。僕は投資と一緒で、堅実なことしか言えないんです(笑)。

「小さなところから堅実にコツコツと」これからのセカンドキャリアの糧に

――――プロ野球選手のセカンドキャリアにとってとても大事な「お金」について、踏み込んだお話をさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

◆藤川球児:自分は日本でこの勉強をしたいと思っていて。けれどきっかけがありませんでした。家に資料が投函されていて、それを眺めるだけはしていましたが、それだけでは分からなくて。僕で分からないんだから、今の現役選手は余計分からないと思ったので、そういうきっかけを作りたかったです。プロ野球選手に限らず、個人事業主のアスリートの方にも知ってもらいたいですね。「小さなところから堅実にコツコツと」これを自分自身の人生でも、これからのセカンドキャリアの糧にしていきたいと思います。ものすごく勉強になりました。

――――最後に、藤川さんご自身の今後の活動についてお聞かせください。

◆藤川球児:やっぱりプロ野球のこともありますけど、オリンピックになったら他の競技も含めて、これからスポットライトの当たる選手たちの熱い気持ちを、取材を通して伝えていきたいです。今年はプロ野球に関わらず高校野球、少年少女野球に力を入れていきたいとも思っています。

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