「わたしはフィンランド・ヘルシンキに行ったこともなく、想像でヘルシンキを描いて、そのあとに実際にヘルシンキに訪れたいと思っています」

―――そう語るのは、日本人イラストレーター 中村隆(Takashi Nakamura/@takasi83)。

彼は、フィンランドの首都ヘルシンキ市の魅力を伝える世界規模アートキャンペーン「The Helsinki Curious」(ヘルシンキ・キュリアス)にコラボアーティストとして選ばれ、フィンランドに行ったことがない彼が、ヘルシンキに住んでいたという日本人女性から、フィンランドの美しさ・過ごしやすさ・国民性・気候風土などを聞き込みながら、「自分なりのフィンランド」を描いていく―――。

この行方を追う前に、フィンランド首都―――ヘルシンキとは

5年連続で「世界で最も幸福な国」に選ばれるフィンランド。その首都ヘルシンキは、生活の質、活気あるライフスタイル、自然との距離の近さなどが評価され、ますます注目を集めている都市のひとつ。

ヘルシンキは、わずか数年の間に、モノクル(イギリスの情報誌)の「最も住みやすい都市トップ5」やワーク・ライフ・バランス・インデックスで、ワーク・ライフ・バランスに最も優れた都市のひとつとして、常に各メディアなどかからピックアップされている。

街の画像は中村隆が撮影したスナップショット。

Helsinki Design Week の世界観が、原宿にも出現


(C) KESION Co.,Ltd

このアートキャンペーン「The Helsinki Curious」(ヘルシンキ・キュリアス)では、イラストレーター中村隆を含む3名の国際的アーティストとコラボレーションし、ヘルシンキについて人々の好奇心(キュリアス)を誘うという狙い。

彼らが描いた「自分が想うヘルシンキ」の作品は、ヘルシンキ市で開催されている「Helsinki Design Week」(ヘルシンキ・デザイン・ウィーク)で公開され、国内は東京・原宿通りでも展示され、注目を集めた。

東京の男女500人のうち8割が「ヘルシンキに行ってみたい」

ヘルシンキ市が英ロンドン・独ベルリン・東京で各都市18~50歳の男女500名に聞いたところ、ヘルシンキに行ったことがある人は少ないいっぽう、行ってみたいと思っている人が多く、東京では約8割が行ってみたいと回答。

そこで市は国際的なストリートアーティストの Jack Sachs(ジャック・サックス、独ベルリン)、Aysha Tengiz(アイシャ・テンギス、英ロンドン)、中村隆(なかむら・たかし、東京)の3名に、ヘルシンキのエッセンスを作品に表現してもらうことに。

各アーティストに課せられた条件は、ヘルシンキへ旅行経験はないものの、興味を抱いていること、そしてプロジェクト進行中はヘルシンキに関するリサーチを行わないこと。

―――こうした背景・条件から、中村隆は、どう描いたか。

「空想上のヘルシンキの街を描くのが楽しかった」

「ヘルシンキからの突然のメールとビックリな内容で、タイトル通り、とてもキュリアスだなと最初からいままでずっと感じています。

訪れた人たちからのお話から想像し、空想上のヘルシンキの街を描くのが楽しかったです。

自然豊かな、ではなく自然と一体になった都市の、日の沈まない長い夏の一日を想像し制作しました」(中村隆)

「まず治安がものすごくいいところが魅力」

中村隆は9月、実際にフィンランド首都ヘルシンキ市を訪れ、まずリアルな街の印象に「ヨーロッパに行ったのも初めてなんですけど、とても印象的な街でした」と振り返る。

「まず治安がものすごくいいところが魅力ですね。危機感がなさすぎるぐらい(笑)、街を歩きやすい。『人混み』という概念がないぐらい、ちょうどいい人口密度で、どこでもひとりで歩ける。

長崎ぐらいのコンパクトな街で、名所を歩いてまわれたり、トラム(路面電車)やバスに乗っていろいろ散策できる。交通の便もいいですね。それから湿気もないさわやかな空気が抜けていて、食も日本人に合うものばかり」(中村隆)

いい意味で放っておいてくれるという人柄、居心地もいい

「たとえばサーモンスープ。日本人好みの味で、海の幸と出汁がきいてておいしかったですね。パンもワインもウイスキーもいろいろあって、ヘルシンキの食も飽きることがないです。お寿司屋さんもいっぱいあります。

街の人たちはみんなおしゃれ。個人個人それぞれが個性あるおしゃれで、まさに多様性がそのままファッションに現れている感じです。実はスーツの人がほとんどいないんです。ビジネス街でも。

港の岸に建ち並ぶ官公庁でも、スーツの人はみかけませんでした。みんな、おだやかなフォーマルという感じの人ばかりで、そこも国民性なんでしょうかね。ビジネスとプライベートの隔てがない感じで、みんな奔放です。

いい意味で放っておいてくれるという人柄です。気候風土も人柄もゆったりしていて、そこは日本人観光客も『居心地がいい』と感じるかもしれません。

たとえば平日も、芝生のうえでのんびり過ごす人が多いんです。世代や性別を問わず、みんながおだやか。居心地がよすぎて、心も身体も浄化されるというか……ほんとにいい街ですね」(中村隆)

―――2023年1月には、東京・表参道「HB Gallery」で個展も開くというから、中村隆の今後にも注目を。

「ヘルシンキを愛する人たちが圧倒された」

また、Helsinki Curiousを企画したHelsinki Partnersのブランド・マーケティング・コミュニケーションディレクター Anu Syrmä は、「ヘルシンキを愛する人たちが、我々の Helsinki Curious のアーティストに送ってくださったストーリーに圧倒されました」とも。

「アーティストたちの作品は、魔法のようにしっかりとヘルシンキの本質をとらえられていて、好奇心が道を切り開くということを証明してくれました」

―――そんな魅力がいっぱいの、5年連続「世界で最も幸福な国」に選ばれるフィンランドの首都、ヘルシンキ。

気になる人は、公式サイトをチェックして、訪れてみて↓↓↓
https://www.myhelsinki.fi/en/work-and-study/helsinki-freedom


発表作品:左から中村隆、Aysha Tengiz、Jack Sach

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