いきなりテスト。次の12項目であてはまる症状はいくつある?
□ 目が疲れやすい
□ 目が痛い
□ 目やにが出る
□ 涙が出る
□ 目がゴロゴロする
□ かすんで見える
□ 目が重たい感じがする
□ 目がかゆい
□ 目が乾いた感じがする
□ 光を見るとまぶしい
□ 目に不快感がある
□ 目が充血する
5つ以上あると、それはドライアイ。
このドライアイの原因のひとつが、現代人の生活環境の変化にある。たとえばパソコンやスマートフォンなどと向き合う時間が、一日の中で圧倒的に占めるようになると、瞬き(まばたき)の回数が通常の25%にまで減少し、それで角膜が乾いた状態に。
パソコン(P)やスマホのほかにも、エアコン(A)やコンタクトレンズ(C)、ストレス(S)などでも角膜が乾いてしまうってことで、その頭文字をとって「PACS」がドライアイの4大要因といわれる。たとえば過度のストレスが与えられると、瞬きの回数が減りドライアイになる上に、唾液の分泌も減り喉が渇くという症状を起こす。
上の画像は、角膜の傷をフルオレセイン角膜染色で検査している画面。眼科医レベルで角膜を修復する標準的な治療例に、人工涙液、涙点プラグ挿入術、眼軟膏、モイスチャーエイド、リッドハイジーン、血清点眼、強膜レンズ、屈折矯正手術(レーシック)などがある。
じゃあ、こうした治療を受ける前に、ドライアイ対策にむけたセルフケアはあるか? ドライアイ研究の第一人者で東京・上野 吉野眼科クリニック院長の吉野健一先生に聞いてみると……。
ドライアイを予防するセルフケア、ポイントは4つある!
◆その1:涙が乾かないようにする
湿度を保つ空間で仕事をしたり、パソコン画面はやや下向きになるようにディスプレイ位置を調整したり、エアコンの風を正面から受けないようにしたり。
◆その2:涙が出やすいようにする
スポーツや入浴などでストレスを発散。
◆その3:マイボーム腺のつまりをなくす
まつ毛の根本近くにある涙を保護する油を分泌する分泌腺=マイボーム腺のつまりを解消させるために、化粧やまつげメイクをよく落とし、洗眼やリッドハイジーン(目元の洗浄)を行う。
◆その4:コンタクトレンズ使用者は乾きにくいコンタクトレンズを選ぶ
―――こうしたセルフケアに加えて、さらにもう一歩。ドライアイにならないために日ごろどんな習慣を身につければいいかを、眼科用薬スマイルシリーズなどを展開するライオンの研究開発本部・薬品研究所 奥村隆 主任研究員に聞いた。
角膜ダメージを予防するタイミングは、1日3回ある!
ライオン 奥村隆 主任研究員によれば、「角膜ダメージを防ぐタイミングは1日3回ある」という。その3回とは……?
◆1回目:朝、目覚めたとき
眼をこすらず、目薬をさして一日をスタート。就寝中に角膜が酸欠状態になっているため、角膜がむくんで開きにくくなってるため、傷ができやすいんだとか。そのため、涙だけでまかなえないぶんを、目薬で補うと。
◆2回目:昼休みや3時のカフェタイムに
午後から夕方にかけて目が乾いて疲れる時間帯。このタイミングで目に潤いと栄養を与えて角膜ダメージ予防を。
◆3回目:夜、寝る5分前に
角膜上皮は目を閉じているときに修復するから、修復を促進するビタミンA配合の目薬をさす。朝、目覚めたときの目の乾燥予防のためにも、夜に目薬をさすといいんだって。
―――ここで出てくる ビタミンA が目にとって大事。「ビタミンAは、角膜上皮細胞に入ってヒアルロン酸を生む。このヒアルロン酸が角膜上皮細胞の成長を促進し、傷ついた角膜の修復を後押ししてくれる」と奥村隆 主任研究員。
さらに医学部 附属静岡病院 眼科 土至田宏 准教授も、「ビタミンAが入った点眼薬を」とアドバイスしている。
「世界の失明原因の10位にビタミン不足がランクインしているなか、産生促進効果のあるビタミンAは、角膜上皮の恒常性維持に必須。目にとってはそれぐらい大事な成分。目の症状が気になる人や、乾燥するこの季節は、ビタミンAが配合された点眼薬を」
―――気づけばもう令和元年も年末。師走の忙しさと、乾燥した空気のなかで戦う自分の目を、適切なビタミンA配合の点眼薬(目薬)でドライアイのディフェンスを!
tokyochips編集部