女子学生視点で地域PR映像を制作すると、どんなインパクトが生まれるか―――。
愛知県名古屋市。名鉄瀬戸線 大森・金城学院前駅、丘の上の学び場――金城学院大学。
同大学の女子学生たちが、この仮説に挑戦。2018年6月から半年間、映像制作に没頭したプロセスと結果を発表した。
登壇したのは、金城学院大学 国際情報学部 国際情報学科の宮松采加さん・織田夏鈴さん。
ロケハン、絵コンテ、香盤表、撮影、編集、プレゼン……ぜんぶ自分たちで
宮松采加さん・織田夏鈴さんら金城学院大学 国際情報学科 メディアスタディーズコース制作グループがターゲットにしたのは、三重県菰野町PR映像制作コンテスト。
実際に現地で働く「凄腕プロ」たちに出演を依頼し、戦闘と銭湯をかけあわせて「セントウ開始」というテーマで、ロケハン、コンセプト案、ストーリー決め、出演依頼、撮影、編集、プレゼンテーションという工程を半年でクリアしていった。
「わたしたちも出演することから、その細かいキャラクターも綿密に組んでいった。絵コンテや香盤表もなんども更新させ、限られた時間で撮影に挑んだ」(宮松さん・織田さん)
また独自の工夫も。彼女たちは、映像にスピード感をもたせるために、3分の尺のなかで124カットという多めのカット割りで構成。
対決をイメージさせるテンポの早い音楽や、その土地のユーモアあるキャラクターを取り入れ、コンテストを主催する菰野町からは「学生ならではの新しい視点」「その土地の人にスポットをあてた視点がすばらしい」と評価を得た。
大学での経験を活かし、卒業後は映像制作の道へ
また、金城学院大学 宮松采加さん・織田夏鈴さんらは、地元の伝統工芸「組子」のPR映像も制作。
組子職人たちのドキュメント映像と、組子のディティールを強調した動画を組み合わせ、60秒CMに。
この映像では照明を積極的に多用し、その繊細さやシルエット、光具合を表現した。
―――こうした制作プロセスのなかで彼女たちは「依頼者でもない、町の当事者でもない、第三者からの視点でその土地や人の魅力を表現していく手法を学んだ」と振り返る。
「今後は、学生による地域PR映像の効果を定量的に測っていきたい」と語る金城学院大学 宮松采加さん・織田夏鈴さん。ふたりは卒業後、広告制作会社に就職し、映像制作の道を歩むことが決まっている。