昭和初期の農園別荘跡地に、その歴史と格調を継承した分譲地が出現―――その名も「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」。
全9邸からなる分譲住宅で、そのうち8邸がすでに完売。残る1邸を中心に、中央住宅マインドスクェア事業部(ポラスグループ)が公開した。
購入者が「うわっここがいい!」と唸る最大のポイントは、樹齢80年超のイロハモミジ(紅葉の木)を借景に取り入れたランドスケープデザイン。
借景とは、庭園外の山や樹木などの風景を、庭を形成する背景として取り入れたもの。造園技法のひとつ。そう、この分譲住宅の中心には、1本のモミジの木が、この土地の歴史を物語るオアシスとして存在している。
邸別設計、屋敷に刻まれた歴史と記憶を後世に
ここにかつてあった旧邸宅は、三菱財閥創業者の岩崎弥太郎の姻族(いんぞく)各務鎌吉が建てたもの。
設計は近代建築家 木下益次郎。神港ビルヂングや馬車道大津ビルなどを手がけ、アメリカン・アール・デコ様式の設計を得意とした建築家の作品だった。
「この旧邸宅に住み、集った多くの人たちの想い、屋敷に刻まれた歴史と記憶を後世につなげていきたいという思いから企画が始まった」と説明するのは、中央住宅 マインドスクェア事業部 山口太郎プロジェクトリーダー。
「旧邸宅にあったイロハモミジをそのまま残し、『槭樹(もみじ)の間』を住戸が取り囲み、それぞれからは借景として楽しめるようにしつらえた」
「各住戸は邸別設計で工夫を施しつつ、和の風情を取り入れながら、モダンテイストで仕上げた。また旧邸宅解体時には、旧所有者の親族縁者や郷土史家研究者などを招き、神職による棟下式(むねおろしき:建物への感謝とお別れの儀式)を実施した」(山口太郎PL)
美しい建築遺産を継承、床にモミジが映り込む仕掛けも
「旧邸宅のイロハモミジをその場に残して計画。歩きながら変化を楽しめる回遊式のしつらえにこだわった」
「槭樹のまわりには、旧邸宅の石畳などの古材を配置した小庭園をつくった。また、「槭樹の間」「みちしるべの小径」に面する5邸が敷地を供出し、地役権設定により5邸の住民で管理する」(山口太郎PL)
8号棟の2階リビング窓際には、光沢のあるフローリング「床槭樹」を採用し、床にモミジが映り込むという仕掛けも。また、窓に切り取られたモミジの姿は、絵画のように美しい。
外観は、旧邸宅の格式、凛としたたたずまいを記憶として残すため、特徴的だったいぶし瓦の屋根を、モダンな和瓦で表現。また縦格子、丸窓、造作門柱などを採用した。
「美しい建築遺産を継承するとともに、新しい機能美も追及。格調高い屋敷跡地にふさわい和モダンな外観に」(山口太郎PL)
室内は、ポラスオリジナルの珪藻土を使った塗壁「マチエールヌーボー」「寂び土(さびつち)」や、シダーパネル「木もれ美(こもれび)」、和の質感を感じられる内装に。
1号棟には、旧邸宅へのオマージュとしてイングルヌック(暖炉を取り囲む小さく暖かなスペース)を設置。リビングから小上がりとなったスキップDEN(ワークスペース)も4邸で採用したほか、ワークカウンターを8邸に設置しテレワークにも対応できる仕様に仕立てた。
都営大江戸線 光が丘駅の北西に出現した、古くて新しい分譲地「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」。販売価格は5990万円~7590万円。