放射線治療装置とその関連システムを取り扱うバリアン メディカル システムズ(東京都中央区)の適応放射線治療ソリューション「ETHOS」(イーソス)が、厚生労働省 製造販売承認を3月18日に取得した。

放射線治療は多くの場合、数日から数週間にわたって行われるのが一般的。

そのなかで適応放射線治療は、日々変化する患者の解剖学的特徴、腫瘍の位置や形状変化にあわせて最適化し、放射線治療計画を再計画する手法で、近年注目を集めている。

人工知能(AI)を取り入れた適応放射線治療(Adaptive Radiotherapy)のトータルソリューション「ETHOS therapy – Adaptive Intelligence」は、その適応放射線治療を、位置決め画像を毎回使い、その場でより効率的に実施できる点が特長。

治療時の腫瘍や臓器位置にあわせて照射し、正常組織への線量を減らし、患者一人ひとりの個別化医療を実現させる。

患者を治療台に載せたまま適応放射線治療へ

ETHOSの効率的なワークフローは、AI を活用した治療計画作成機能とコンツーリング機能で可能に。

あらかじめ定義されたテンプレートで、医師が治療目標を定義し、この定義にもとづいて最初の治療計画が作成される。

治療時は、患者の解剖学的特徴や腫瘍の形状、臓器位置の変化に適応するように変更。患者を治療台に載せたままの適応放射線治療が実現する。

また、ETHOSでは、マルチモダリティ画像(MR、PET、CT)、毎回の位置決めCBCT 画像を使用。患者の最新解剖学的画像を利用することで、医師はより多くの情報にもとづいた適応放射線治療を効率的に行える。

このソリューションのベースにあるのは、バリアンの最新照射技術。質を損なうことなく迅速な画像取得と照射を可能にした。

がん医療、放射線治療に新しい展開を

このバリアン メディカル システムズの適応放射線治療ソリューション最新モデル ETHOS について、同社 福島権一専務執行役員はこう伝えている。

「従来の適応治療は複雑で時間がかかるため、毎回の照射の都度に行うことは実用的でなかった。この ETHOS ソリューションは、患者が治療台に寝たままの状態で適応放射線治療ができる、待望の適応放射線治療ソリューション」

「ETHOSは、“A world without fear of cancer – がんの脅威に負けない世界”というビジョンの実現にむけた大きなステップのひとつ。先端技術やAI、そして医療者の知見を融合することで、がん医療、放射線治療に新しい展開をもたらすものだ」

バリアン「ETHOS」の医療機器承認番号は次のとおり。

ETHOS 適応放射線治療オンラインプランニングシステム:医療機器承認番号 30300BZX00075000

ETHOS 適応放射線治療マネージメントシステム:医療機器承認番号 30300BZX00076000

Halcyon 医療用リニアック: 医療機器承認番号 22900BZX00367000

◆バリアン メディカル システムズ
https://www.varian.com/ja

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