2020年3月、JR山手線の高輪ゲートウェイ駅が暫定開業を迎え、駅構内に無人コンビニ「TOUCH TO GO」が登場した。商品を手に出口付近の決済用タッチパネルへ向かい、画面に表示される金額が正しいかどうかを確かめ、交通系ICカードなどで支払う。それだけで買い物が済む。
コロナ禍においては流通小売業界でも居住地・オフィス等に隣接した「マイクロマーケット」における無人店舗展開が注目されており、TTGの無人決済システムは首都圏を中心に徐々に広がりを見せている。2020年10月、JR山手線の目白駅改札外に無人決済型小型スーパー「KINOKUNIYA Sutto(キノクニヤスット)目白駅店」が、2021年3月には丸の内の超高層ビル「サピアタワー」に同システムを導入したファミリーマートがオープンした。こちらは交通系ICカードやクレジットカードだけでなく、現金での決済も可能だ。
2021年5月28日、TTGは東芝テックと業務提携を結んだと発表した。今後は東芝テックが無人決済店舗システムの販売・導入・保守サービスの一部を担う。両社代表は今回の提携について、次のようにコメントを寄せた。
「TTGは、これから訪れる深刻な人手不足の状況下でも、今と変わらず便利な生活・お買い物ができる世の中を維持することを目指しています。
今回の業務提携により、東芝テックさまの販売網および優れた導入・保守サービスのお力をお貸しいただき、日本の広域や世界に新たなお買い物体験を提供できるようにしていきたいと思います。また、我々だけでは実現できない新しい購買・非購買マーケティングへの挑戦も加速させてまいります」
(株式会社TOUCH TO GO 代表取締役社長 阿久津智紀)
「新型コロナウイルス感染拡大の影響などによって、小売業の方々が直面する課題が複雑化している中、当社の経営理念である『ともにつくる、つぎをつくる。』を実践したパートナーシップが重要だと考えています。
このたびのTOUCH TO GOさまとの業務提携を通じて、課題解決を実現するとともに、さらなるDX(デジタルトランスフォーメーション)に挑戦し、先進的な取り組みをスピーディーかつ積極的に推進してまいります」
(東芝テック株式会社 代表取締役社長 錦織弘信)