日本や台湾などを中心にダウンロード数は130万を超え、さらに利用者を増やしているARナビアプリ「PinnAR」(ピナー)が、こんどは商業施設館内にも対応させ始めた。
PinnAR は、スマホのカメラで映した実際の風景上に、道路に沿う形でルートを表示する「ARナビ画面」と、従来の地図アプリでよく使われるマップ上にルートが表示された「マップナビ画面」の両方を切り替えて利用できるアプリ。
「実際の風景にすすむべき方向が矢印で出てきて最短でたどりつける」「直感的に適切な方向を示してくれてわかりやすい」「地図が読めなくても迷わない」と評判を呼び、愛用者を増やしている。
また、周辺のさまざまな施設をカテゴリ別に検索できる「周辺スポット」機能や、27言語に対応し世界の149か国で利用できる便利な「翻訳」機能、お得なデジタルクーポンを表示する「クーポン」機能なども搭載し、誰でもわかりやすく目的地に行くことができ、さらにお得なショッピングも楽しめる。
階が違う行きたいところへも的確にナビ
そんな PinnAR がこんどは大型ショッピングモール・ショッピングセンターへ初めて展開。
最初の舞台は、玉川髙島屋S・C(東京都世田谷区玉川)。
玉川髙島屋S・Cはこれまで、館内・別館へのアクセスについてインフォメーションへの問い合わせが多くあったことから、非接触・顧客利便性向上・コストダウンといった観点から PinnAR の導入を決めた。
インターフェースは従来の PinnAR と同様で、実際の風景に矢印がのび、直感的にわかりやすく移動できる。
テレコムスクエアが今回、PinnAR を大型ショッピングモールへ展開させるさい、最も力を入れたのが、違う階層へナビする技術。
たとえば、いまいる3階から、5階の行きたい店舗へも、一発で案内してくれるように屋内施設内ナビ機能を実装。GPSの入らない屋内であっても、現在地を認識し、階が違う地点へも的確にナビできるように進化した。
非接触・コスト削減・売上アップを実現
玉川髙島屋S・Cは、PinnAR を導入し、非接触での案内、アナログの案内をアプリでDX化することでコストも削減でき、売上アップにもつながったという。
隣接する複数の別館をシームレスに案内できるようになったことで、いつもと違った買い物ルートを提案でき、回遊性を向上させ、周辺施設への送客効果による経済の活性化、にぎわい創出にもつながる。
また PinnAR は今後、館内ナビゲーション以外に、各ショップで利用可能なクーポンの発行や、館内のイベント情報なども PinnAR を通じて発信していくという。
テレコムスクエア本社で行われた PinnAR 説明会では、テレコムスクエア 吉竹雄次 代表取締役社長、同 デジタルメディア事業部 西村和也 統括マネージャー、同 デジタルメディア事業部 小笠原亮 PinnAR事業責任者が登壇。今後の展望や販売目標についてこう伝えていた。
顧客行動データや購買動向データも取得、メディアとしての役割も
「PinnAR は今後、客の行動データを取得し分析することで、マーケティングデータとして活用できるようにしていく。客の行動導線分析データは売上向上につながる」
「また、こうしたデータを客の購買動向データとかけあわせることで、さらなるマーケティングが可能になる。今後は地域特化型メディアとしての役割も担っていくことになる」
「リアルな案内担当者を配置する人件費や、アナログ(紙)地図の製作コストが削減できるほか、将来的には獲得できる顧客データをもとに、販売促進施策も提案していく」
―――テレコムスクエアは今後、この PinnAR をエリアマーケティングへ展開し、地域活性化に貢献するツールへと進化させる構え。
テレコムスクエア 吉竹雄次 代表取締役社長は、「商業施設や地方自治体、商店街などとパートナーを組み、1年で100施設の導入をめざしたい」と伝えていた。
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