で、で、でかっ!! 線路の枕木ぐらいある巨大な茶色い物体―――これがニッポンの伝統和菓子「かりんとう」だと知ったら、びっくりする。

ここは、東京都板橋区。都営三田線 志村三丁目から歩いて5分ほどにある、東京カリント。2021年11月、創立70周年をむかえた油菓子総合メーカーとして知られる。

東京カリントといえば「蜂蜜かりんとう」。オリジナルの発酵製法“蜂蜜発酵仕込み”を発明し、1958年に「蜂蜜かりんとう」を開発。この蜂蜜かりんとうは、発売から60年を超えた現在でも全国で愛されるロングセラー商品のひとつ。

そんな老舗油菓子メーカーに、なぜこんな巨大なかりんとうが出現したか―――。

「Largest karinto (最大のかりんとう)」ギネス世界記録に認定!

東京カリントは創立70周年を記念し、10月15日(金)に大きな「蜂蜜かりんとう 黒蜂」の製作に挑戦。その結果、ギネス世界記録「Largest karinto (最大のかりんとう)」に認定された。

巨大かりんとうがギネス世界記録に認定されるまでの背景やこれまでの歩みについて、東京カリント 西村光示 代表取締役社長や同社 西村圭史 製作プロデューサーが、こう語った。

「当初は70周年にちなんで70センチをめざしたいと話していた。最初の試作は2020年の9月に研究室で実施したときは、40センチ程度の大きさでした」

「その後、ことし1月に本番と同じ環境でつくろうと工場の生産ラインで試作し、その段階で90センチ程度のものができた。ここまできたら1メートル超えをめざそうと」

「そこからが苦労した。10月15日まで試行錯誤を重ねた結果、どうにか1052ミリと、1メートル超えを達成した」

重さ6.380kg、長さ1052mm…ギネス世界記録認定までの苦労

この東京カリントの巨大かりんとうは、重さ6.380kg、長さ1052mm というサイズでギネス世界記録に。正式英語記録名は「Largest karinto」。

とくに苦労したポイントについて、「ひとつは『火の通り』。このサイズになると直径が10センチを超えるので、そこまで中身が詰まった状態で火を通すというのは技術的に非常に困難」とも説明。

「しかし、火が通っていないものだと、当然、食べられるかりんとうとしての要件を満たせないから、そこは何度も試作し技術を磨くことで乗り越えた」

「もうひとつは、折れないようにすること。ギネス世界記録に挑戦するような大きなかりんとうとなると、どうしても職人の手作業に頼る必要がある」

「その工程で、少しでも手元がブレてしまうと折れてしまう原因になる。かりんとうが完成するまでにさまざまな工程があり、そのどこをとっても気の抜けない作業に」

「当初は『無謀な挑戦』だといっていた職人たちも、次第にアイデアを出してくれるようになって。次第に職員みんなで一丸となって取り組めたことで、認定されるサイズになった」

かりんとうは宇宙! その応用展開に衝撃、ハンバーグも!

東京カリントは、ギネス記録だけでは終わらない。なんと、こんな「おいしいかりんとう奇襲攻撃作戦」も企てている。

その作戦司令官が、東京カリント 熊本徹也 取締役営業開発本部長。なんと、かりんとうでハンバーグもつくれるというから、びっくり。

「実はハンバーグの材料に、かりんとうを加えるとおいしいという豆知識や、すき焼きにお麩の代わりに入れると絶品など、思いもよらないアレンジメニューもある」

「すき焼きに入れるというのは、わたしも抵抗がありましたが、これがびっくりするほどおいしい。かりんとうを割って入れることで、お麩のような食感になり、深いコクが出る」

―――「伝統は、いつでも新しい。」というキーメッセージで走り続ける東京カリント。

同社は、かりんとうに関するさまざまな情報やちょっとした豆知識を、東京カリント公式Twitterで発信しているから、気になる人はチェックしてみて。

◆東京カリント公式Twitter
https://twitter.com/tokyokarinto

◆東京カリント 創立70周年記念サイト
https://www.tokyokarinto.co.jp/news/2021/3108/

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