「39年間、ありがとうございました!」
そう子どもたちがいっせいに大声でお礼をいうと、夜空にドローンが描く「アリガトウ」の文字―――。
ここは埼玉県小川町。3月25日に廃校となる東小川小学校。
東小川小学校で過ごした“ひがしっ子”たちは、東小川小学校へむけたメッセージを、NTTドコモのドローンに込めて夜空へと飛ばした。
NTTドコモは、今年度で閉校してしまう埼玉県の小川町立東小川小学校と共同し、同校の最後のイベントとして3月25日、「光の思い出ドローンショー」を開催。
その準備段階から、世界に一つだけのショー成功までを描いたスペシャルムービーがこれ↑↑↑
東小川小最後の修了式後に「光の思い出ドローンショー」
ドコモは、ドローンを活用したさまざまな取り組みを実施中。今回は、ドローンを新たなコミュニケーションツールとして、閉校を迎える学校の児童、教職員、保護者、地域の人たちが、校名や校舎がなくなってもつながり続けられるような思い出をつくりあげることをめざしてドローンショーを企画。
東小川小最後となる修了式後に「光の思い出ドローンショー」を実施し、児童64名と教職員17名、保護者、地域の人たちなどを含めた約160名が集まり、ベランダや昇降口からショーを眺めた。
東小川小での思い出を振り返るナレーションにあわせて、地上で同校児童の愛称である「ひがしっ子」の5文字がドローンの光で描かれ、静まり返った校舎に歓声が響く。
そこからドローンは上空へと飛び立ち、東小川小の児童の元気さを表す「スマイル」、全校児童が仲良しであることを表した「肩を組むシルエット」、同校を包む豊かな自然を表す「花」、児童の分け隔てのない優しさを表現する「ハート」、全校が盛り上がる年間行事の中でも特に思い出深い運動会を表す「大玉送り」と、ひがしっ子祭を表す「風船」のアニメーションを夜空に浮かんだ。
風に耐えるドローンに「がんばれーっ!」という声
飛行中、突風に煽られ機体を大きく揺らすドローンに対して、「がんばれーっ!」と声をかける児童の姿も。
ショーの成功にむけて、開演後も児童一同が心をひとつにしていたシーンが印象的―――。
「わたしたちひがしっ子は、この学校を離れて次の学校に行っても、ひがしっ子らしく元気にがんばっていきます!」
そんなナレーションとともに、児童が飼育していた国蝶、光のオオムラサキが夜空に羽を広げる。
それはやがて児童たちから東小川小に向けた想い「アリガトウ」の5文字へと変化。
フィナーレは今回のショーのタイトルである「光の思い出ドローンショー」の文字花火と打ち上げ花火が上がると、児童から一層大きな歓声が上がった……。
須郷校長「いろいろな思い出を反芻。ありがとう」
小川町立東小川小学校 須郷聖子 校長は、この夜の「光の思い出ドローンショー」を目の当たりにして、こうコメントしている。
「ドローンショーとそれに見入る子どもたちを眺めながら、この東小川小学校で児童たちとともにしてきたいろいろな思い出を反芻せずにはいられませんでした」
「アリガトウが浮かび上がり、『ああ、これでショーも終わりだ』と思った瞬間に、花火が咲く音がジーンと心に響いたときは、なんともいえない気持ちになりました」
「新人の校長として赴任してきて3年目のことし、いよいよ閉校をむかえるにあたり、今日のドローンショーが終わることで私の大きな役目もまたひとつ終わる、そんな感慨に浸っています」
「今日のショーを終えて改めて思うのは、主催のNTTドコモさんをはじめ、たくさんの方々に一言で、「ありがとう」それだけです」
―――ショーが終わると一同は視線を空から隣の友人たちへ移し、感謝の言葉や思い出を語らいあって、これからも東小川小の絆を大切にしていくことを確かめあっていたという。