世界のなかでも貧血大国といわれる日本。日本人の鉄欠乏者率は30~48%で、その多くが血中の鉄欠乏によって起こる貧血に悩まされている。
また最新の研究では、痩身の女性だけでなく、太っている肥満者も鉄が不足し貧血リスクが高いこともわかってきた。
鉄分が不足し貧血に陥ると、動悸や息切れ、だるさ・疲労感といった症状から、集中力の低下や情緒不安定などを引き起こしてしまう。
こうした悩みを抱える人たちに、朗報!!
バナナの長期摂取で、日本人肥満者の貧血抑制効果の可能性を確認!
最新の研究・調査結果では、バナナの長期摂取で、日本人肥満者の貧血抑制効果の可能性が確認できたという。
赤坂ファミリークリニック院長・東京大学医学部附属病院医師の伊藤明子先生らの研究グループが行った臨床試験でわかった。
今回の臨床試験では、25歳以上45歳未満の明らかな疾病のないBMIが24以上の男女31名を、バナナ摂取群(バナナを生で1日に可食部120g摂取)とバナナ非摂取群(通常の食事のまま)の2群にランダムに分け、4週間の摂取期間の前と後の、血液検査、理学検査(体重・BMI)、血圧(収縮期血圧・拡張期血圧)、脈拍数、自覚所見(生活日誌など)、問診を実施した。
こうした臨床試験の結果、肥満者の脂肪組織から分泌される炎症性物質が原因で、鉄の吸収がブロックされてしまう貧血に対し、バナナ摂取で血清鉄・フェリチン(貯蔵鉄)の低下抑制の効果が期待できるという。
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「肥満であること」が引き起こす貧血リスクに、抑制効果が期待できる
「肥満であること」自体が、腸管細胞から鉄を吸収しにくい状況を引き起こし、鉄欠乏ならびに貧血の一因となっていることが、最新の研究で分かってきた。
肥満者は、フェリチン値が低下した「隠れ貧血」の状態になりやすいリスクをはらんでいて、そのリスクをバナナ摂取により抑制する可能性がみえてきたなか、研究チームはこう考察する。
「今回、日本の肥満者において鉄欠乏がバナナ摂取によって改善されたことは、バナナの鉄含有量は可食部100gあたり0.3mgと微量であることを考慮すると、バナナ摂取による直接的な鉄の増加とは考えにくく、バナナに含まれるビタミンC、ビタミンB6、葉酸など、鉄吸収を促進する微量栄養素により鉄吸収が促進されたのではないかと考えられます」
「また、バナナの食物繊維により腸内環境が改善されたことにより、腸管細胞での微量栄養素の吸収が上がり、ヘプシジンによる腸管細胞での鉄吸収阻害が幾分でも抑制された可能性も考えられます」(研究チーム)
さらに、バナナの長期摂取により腹囲が減少!
さらに、バナナの長期摂取により腹囲が減少することも明らかに。
バナナ摂取群では、腹囲の減少傾向がみられ、バナナを4週間摂取することで、腹囲が平均で約1.5cm減少した。いっぽうで、非摂取群では腹囲が平均約0.5cm増加した。
「バナナ摂取群で腹囲の減少傾向を示したことは、内臓脂肪面積への有意な作用は見られなかったものの、バナナに含まれるビタミンB6によるたんぱく質代謝の促進や、食物繊維による皮下脂肪の減少などの可能性が考えられます」(研究チーム)
まだまだある! バナナの栄養素と機能
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