「リモートワークでのオンライン会議中に子どもがギャン泣き、子どもをあやしながら会議」(男性、28歳)

「事前の準備がされておらず、その場で色々調べだして時間を無駄にした」(男性、31歳)

「事前に資料提供がないにもかかわらず、その場での決裁を要求された会議」(女性、42歳)

「無駄に長い会議で、会議のための会議だった」(男性、59歳)

「有意義な意見が出ないからと、30分中断し、各自考えをまとめるのを何回も繰り返す」(男性、58歳)

「散々議論した結果何も決まらず、後日仕切り直すことになった会議」(男性、38歳)

「2時間かけて決定したものが、上長のひと言で無しになってしまった」(男性、38歳)

「オフライン会議でテーマが決まらず、グダグダ雑談していた」(男性、36歳)

―――こんな経験、誰にもある話。

こうした“会議あるある”を調査し、その調査結果を分析し「無駄な会議が発生する2つの理由」「生産的な会議のポイント」を導いたのが、識学というマネジメントコンサルティング企業。

「2階層で会議を行うことで、会議の悩みを減らせるかもしれない」

識学を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する識学(https://corp.shikigaku.jp/)は7月27日~8月1日、一般社員 150名、管理職150名を対象に「会議に関する調査」を実施。

その結果、85.0%が「無駄だと思った会議が過去にあった」と回答。また、通常どういった階層で会議を行うか聞いたところ、「一般社員、直属の上司」などの「2階層」で会議を行う方が50.3%だった。

続いて「一般社員、課長、部長」などの「3階層」で会議を行う方が40.3%、「一般社員、課長、部長、社長」などの4階層で会議を行う方が9.3%で、「3階層」「4階層」の回答割合が49.6%と約半数に至っていることがわかった。

また、会議についての悩みを聞いたところ、2階層で会議をしている人は「会議に関する悩みは特にない」22.5%と3階層の8.3%と比べ、14.2ポイントも差があることが明らかに。

こうした結果から、「2階層で会議を行うことで、会議の悩みを減らせるかもしれない」と仮説し、こう分析した。

無駄な会議が発生する2つの理由

今回の調査結果から、85.0%の会社員に、会議を無駄だと思った経験があることがわかった。

無駄だと思った会議の特徴を聞くと、最も回答が多かったのは「会議の目的が不明確で何を決めるのかわからなかった」49.8%で、次いで「何も決定しなかった」49.0%だった。

時間をかけて会議を行ったにもかかわらず、何も決定されないと、その時間を無駄にした感覚になる人が多いのかもしれない。

では、何も決定されない会議はなぜ発生してしまうか?

理由は大きく2つある

ひとつ目は、意思決定者が明確でないこと。

会議ではしばしば、論点がずれてしまったり、意見が対立したりすることがある。

しかし、誰が意思決定者なのかが明確であれば、話の内容がどんなものであろうと、最終的にはその人の責任で意思決定がなされる。

逆に、意思決定者が明確でないと、いつまで経っても話の決着がつかず、時間だけが経過してしまう可能性が高まる。

2つ目は、意思決定に必要な材料が事前に揃っていないこと。

仮に、意思決定者が明確でも、意思決定に必要な材料があまりにも不足していれば、やはり決定を先延ばしにせざるを得ない。

よって事前に、参加者に持ってきてほしい情報を明確に指示しておかないと、会議が無駄になってしまうことがある。

今回の調査でも、無駄だと思った会議の特徴を聞く設問で、3番目に多い回答が「会議に参加する人の事前準備が不足していた」が38.4%だった。

生産的な会議のポイント

上記を踏まえた上で、生産的な会議を行うポイントは大きく2点。

ひとつ目は、参加者を制限すること。

これは、意思決定者を明確にする上で必要になる。

たとえば、「一般社員、課長、部長」のような3階層で会議を行うと、本来は課長の意思決定のもとでメンバーに指示を出さなくてはいけない事柄について、部長が口をはさみやすくなる。

すると、意思決定に対する責任の所在が不明確になり、課長は自分で意思決定をしたという認識が薄くなる。

自分で決めた訳ではないので、責任を取る必要はないと錯覚する恐れがある。

また、自分に意思決定を任せてもらえなかったという不満も残るかもしれない。

実際、今回の調査でも、2階層で会議をしている人は、3階層以上で会議をしている人に比べ、明らかに会議に対して悩みを持つ割合が低いことがわかった。

会議は2階層の範囲内で行い、かつ、人数も少人数に制限することが、意思決定者の責任の認識を明確にする上で大切。

2つ目は、事前に参加者に報告用フォーマットを配布しておき、フォーマット通りに情報を準備してきてもらうこと。

口頭で事前準備を依頼しても良いが、会議が始まってから、求めていた情報と出てきた情報に相違があると、チームにとって大きなロスタイムになる。

極力認識がずれないように、テキストで報告用フォーマットを作成しておくことをすすめる。

◆識学
https://corp.shikigaku.jp/

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