東急田園都市線 青葉台駅から北へクルマで5分、こどもの国の南に構える老舗研究所に、新研究棟が出現した。
それが、国内化学メーカー最大手の三菱ケミカルグループ「Science & Innovation Center」新研究棟。
かつて1970年代は三菱化成工業の研究施設として、2000年代初頭には三菱化学科学技術研究センターとして、そして2017年からは三菱ケミカル横浜研究所として、脈々と継承される三菱ケミカルグループの研究拠点のひとつ。
竹中工務店が設計・監理・施行を手がけたこの新研究棟は、地上6階・地下1階、建築面積は1万平米、延床面積は4万2000平米。
ここ Science & Innovation Center 新研究棟から、「グローバルなハブとして、顧客やパートナーとのコラボレーションを生み出し、ソリューションを提供していく」という。
持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発部門へ
新研究棟のコンセプトは、オープン(社内外との交流)、デジタル(最先端の設備)、サイエンス(深堀しやすい環境)、安全・安心(効率的な研究基盤とセキュリティ環境)、サステナビリティ(持続可能な社会実現)、ダイバーシティ(多様性の尊重)、フレキシブル(時代の変化に対応)の7つ。
ここには、ビッグデータやAIを活用するハイパフォーマンスコンピュータや実験データ電子化システム、さらに試薬管理の自動化システムや生体認証等による最新のセキュリティシステムなどが導入された。
9月28日のオープン初日には、三菱ケミカルグループ執行役シニアバイスプレジデント ラリー・マイクスナーCTO(チーフテクノロジーオフィサー)、Science & Innovation Center 山本正規 センター長が、新研究棟のコンセプトやビジョンについて説明した。
「三菱ケミカルグループは、『One Company, One Team』の考えのもと、グループ全体を一体的に運営する体制に移行し、効率性を重視した事業運営と事業の成長を引き出すことをめざす。
事業の成長は、研究開発に支えられたイノベーション創出にかかっていて、三菱ケミカルグループの研究開発は『常にイノベーションを生み続け、持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発部門となる』ことをビジョンに掲げて取り組んでいく」(ラリー・マイクスナーCTO)
2050年にめざすべき社会のプロトタイプを構築・検証
三菱ケミカルグループは、「このビジョンにもとづき、Science & Innovation Center は、サイエンスに立脚した基礎研究を中心に担い、中長期を視野に、社内外とのコミュニケーションを図りながら、イノベーションの創出に取り組んでいく」という。
「三菱ケミカルグループ最大規模となるこの Science & Innovation Center 新研究棟では、最新鋭のデジタル設備の導入により、研究開発の高速化、効率化を図るとともに、グローバルなハブとして、顧客やパートナーとのコラボレーションを生み出し、ソリューションを提供していく」(山本正規 センター長)
―――三菱ケミカルグループでは、ここ Science & Innovation Center 新研究棟を中心に、生産・消費・リサイクルというサーキュラーエコノミー社会を実装し、地域住民とともに2050年にめざすべき社会のプロトタイプを構築・検証する「青葉台リビングラボ活動」も加速させるという。
◆三菱ケミカル
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