売店や学生食堂がない学校に、NTT東日本(東日本電信電話)のスマホ完結型店舗「スマートストア」が入り込むと、どんな相乗効果が生まれるか―――。
そんな試みが、実際に東京都調布市の私立学校で始まった。
そこは、広大な敷地に近代的な建造物が並ぶ、NTT中央研修センターのすぐ脇。ドルトン東京学園 中等部・高等部。
このドルトン東京学園 校舎の一角に、NTT東日本スマホ完結型店舗「スマートストア」が入り、すでに学生たちが主体となって店舗運営が動き始めている。
―――その前に、NTT東日本スマホ完結型店舗「スマートストア」の特長について。
入店から商品選択、決済までスマホで完結
NTT東日本スマホ完結型店舗「スマートストア」は、スマートフォンのアプリにより、入店から商品選択、決済までが完結することで、レジ待ちをなくし、密接・密集を避けた非接触の購買を実現させるリアル店舗ソリューション。
同社がもつICT技術を組み合わせ、購買データ、AIカメラ解析による来店、販売数予測、陳列などの改善などが図れる。
今回、NTT東日本とドルトン東京学園中等部・高等部は、「探究的な教育機会の創出」「地域の価値創造の推進」を目的とした連携協定を締結。
同協定締結で、ICTを活用した探究的な教育や、両者の連携による地域の価値の発掘・磨き上げを推進し、新たな教育モデルの創出や魅力的な地域づくりをめざすという。
そこでこのNTT東日本スマホ完結型店舗「スマートストア」が学校に入り込むと、どんなシナジーが生まれるか↓↓↓
生徒が自主的に店舗運営、ICTサービスの基礎を実習できる
こうしたスマホ完結型店舗「スマートストア」が学校に入り込むと、まず生徒たちが自主的に店舗運営に関わるようになる。スマホで完結するまでの利用方法も、生徒たちが自分たちでシナリオを考え、撮影・編集し、店舗内のモニターで公開している。
ドルトン東京学園は、「探究的な活動が5コマあり、そのうち学年ごとに決めるのが2コマ。個人やグループで取り組む2コマ。そして個人的にオフィサーを呼んでやりたいことを先生に相談して実践する1コマを展開している。正規な授業のなかで、一番リアル感があるのがこの探究型授業」という。
「社会のリアルを体感することがこの学校の醍醐味。いろいろなことが学べる場として、探究型授業は注目を集めている。全教科に通じる学び。今後は食品ロスをどう減らすかといった社会課題をデータ分析などで解決していきたい」(ドルトン東京学園)
店舗運営に関わる生徒たちは、学生のニーズにも対応。たとえば、常温のドリンク飲料を好む人もいるとわかると、常温コーナーをすぐに設置。中高年がよく飲んだ「ドクターペッパー」も置いてみると、これがバカ売れし「ドクペ(好評につき)売れきれ!」という張り紙も……なんだか楽しそう。
今後は NTTe-City Labo eXeField Labo も活用
NTT東日本は今後について、「地域循環型社会の実現に向けた実証・体感フィールド「NTTe-City Labo」循環型ソリューションを活用し、ドルトン東京学園内で発生した食品残渣を超小型バイオガスプラントに投入し、バイオ液肥を生産し資源循環の実現や、「eXeField Labo」におけるeスポーツを軸とした地域との交流など、さらなる取り組みを検討していく」という。
「NTT東日本とドルトン東京学園は、今後も両者の強みを結集し、生徒の関心を引き出す探究的な教育機会の創出、また、学習を通じて多様なステークホルダーと連携した地域の価値創造に取り組むことで、新たな教育モデルの創出や魅力的な地域づくりへの貢献をめざす」(NTT東日本)
―――現地へ行って印象的だったのは、生徒たちが楽しくスマートストア店舗運営を実体験し、学んでいるところ。
こんな張り紙もあって、おもしろい↓↓↓ NTT東日本スマホ完結型店舗「スマートストア」の今後の展開が、わくわくしてくる。
ドルトン東京学園 安居長敏 校長、NTT東日本 経営企画部 営業戦略推進室 佐藤文武 担当部長
左がドルトン東京学園 校舎、右がNTT中央研修センター