なにもないと思ったら、大間違い。ここは古くて新しい“大河ぞいの汽車街” “令和の最新ローカル”―――。
ここは島根県 川本町(かわもとまち)。中国地方最大の河川、江の川ぞいにある山間の街で、いまも気動車の音が聞こえてきそうな地。
そう。ここは、島根県江津市と広島県三次市を、江の川ぞいに結んだ秘境ローカル線、三江線の石見川本駅。画像は2018年に廃止される前の、普段どおりにやってきた単行キハ120形気動車の姿。
江の川にそって線路が敷かれてるせいか、この石見川本駅は広島方面が北側、島根方面が南側を向く線路配置で、南へと出ていく列車が島根・江津行き。鉄道ミステリーの舞台にもなりそうな、ちょっとしたトリックも……。
中国地方で最大・最新のローカル風景!?
三江線の列車が行き来しなくなったいまも、石見川本駅はほぼそのままの風景をとどめている。平屋建ての青い瓦の駅舎はいま、島根中央信用金庫川本支店として活かされ、当時の面影を色濃く残している。
画像の左側に江の川、右側に川本の街並みが広がる、おだやかな風景はいまもそのまま。それどころか、老舗駅前食堂や新たに開店したカフェなどで、ローカルな風景に地元グルメと人情が息づいているのも印象的。中国地方で最大・最新のローカル風景かも……。
山陰線からこの石見川本駅へ行くには、三江線時代の江津からではなく、いまは太田市駅から広島新幹線口行きバス「石見銀山号」で50分で行くか、カーシェアやレンタカーで行くか。出雲空港からはクルマで1時間40分。浜田からは1時間10分。
列車の往来がなくなったいまこそ、この“石見川本駅前”をゆっくりさまようのが楽しい↓↓↓
駅前食堂や人情酒場が想像以上にひっそりと元気に、ある!
2018年に廃止になってことしで6年目。三江線気動車の姿が消えたいま、石見川本駅の駅前は、これまでとは違う“発見”を求めて、旅人が訪れる街になりつつある。
たとえば、食。駅前食堂も健在だし、昭和レトロいっぱいのカフェ&スナックも元気。
1933年(昭和8年)、飯田デン(久子)さんが開いた大衆酒場・食堂の飯田食堂は、いま2代目店主と3代目が店を引き継ぎ、温かい湯気がいまも……。
「昔ながらのアルミ鍋にて鍋焼きうどんを提供。スープは鶏がらスープで肉も鶏肉を使用。麺は自家製ではないが、スープは麺がなんでも良いように合うようなスープ。夜は居酒屋風に営業、飲み物も豊富に取り揃えています。その場限りのオリジナルカクテルも楽しめます」(飯田食堂)
昭和レトロいっぱいのスナック 喫茶ボンは、「古き良き時代の面影を店内に残す町内唯一のスナック店」。
「酸いも甘いも知り尽くしたママさんと酌み交わす夜の味わいは、まさにディープカワモト。地元の方々にとっては、お決まりの二次会の場でもあります。呑んで歌って羽目を外すもよし、カウンターでしっぽりやるもよし。毎月15日の飲み放題デーのほか、料金も柔軟に対応します」という。
このほか、新栄・鮨 ふくや・皆んな来た道 きたみち庵・ふくむら食堂・お好み 鉄板焼 かんちゃん・カラオケ えんか村 日の出・川本食堂・茶や 春夏秋冬・レストランおとぎ・レストラン 弥山荘・カフェ えごまの実・レストランいんふぉ・カフェ Irohaco・Orange・炉ばた焼き 末広・味道園・カフェドゥソレイユ・喫茶K・焼き鳥 洋子など、土着系老舗から新たなカフェまで、いろいろあるところに驚く。
そして、ドライブ好きやバイカー・ライダーに人気のスポットが、川本町にもうひとつ↓↓↓
それが、「コインレストラン かわもと」
そこが、自動販売機ドライブイン(死語)。その名も「コインレストラン かわもと」。
三江線 石見川本駅から江の川ぞい国道261号線を伝ってクルマで10分。
テレビや YouTube などで話題の、そばやうどんが自動販売機で買えるドライブイン(死語)。
うどん自販機以外にも、カップラーメン自販機(ポットもあり)やお総菜、からあげ、たこ焼きなども売ってるから、川本町のロードサイド・カルチャーを真正面から体感するなら、ここもあり。
詳細はネット上にいろいろ出てるから、まずは「島根県川本町 コインレストランかわもと」で、検索!
―――列車の往来が消えた街なのに、いまにも列車がやってきそうな、人の営みと旅人の衝動がある街......島根県川本町。
列車とバスで、マイカーで、カーシェアで、自転車で、多彩なアクセスで道中も楽しめる“令和のローカル”を、いまこそ体感してみて。
....ちなみに、鉄道好きはこの動画をチェックして、このあと島根県川本町に行ってみて。
三江線 石見川本駅の西側、江の川と駅の間にあった貨物ヤードの存在理由を、この動画のなかの女性が語っているから↓↓↓
(C)Donsoku_Tourer Ray from YOK 飯田食堂 川本町観光協会