幼稚園 ・保育園の送迎用バスでの園児置き去り事故が相次いで発生するなか、国や車載メーカー、アプリ開発企業などがその課題解決へ向けて動き出した。

国は、4月1日からは「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置」の設置義務化が施行され、設置に対して1台あたり上限額17万5000円の補助金給付を開始。

この補助金制度にあわせて、カートナビ運行管理システムなどを手がけるテクノクラフト(新潟県新潟市)と、カーナビ製造メーカーアルプスアルパイン(東京都大田区)がタッグを組み、新たな防止策を打ち出した。

送迎用バスの置き去り防止システムとクラウドサービス「コミュなび」を連携

テクノクラフトは、幼稚園や保育園の送迎バスでの園児置き去り事故防止を支援するアルパインマーケティング「送迎用バスの置き去り防止システム」に、テクノクラフトの幼稚園・保育園・こども園向けクラウドサービス「コミュなび」を連携させ、充実した点呼機能で子どもの安全を総合的に管理できる新サービスを7月から販売を始めるのにあわせ、事前受付を始めている。

今回の連携により、異常時には園などの施設以外にも職員のスマートフォンに通知が行き、安全時にも保護者へ安全確認完了メールが通知されるシステムが実現した。

アルパイン「自動検知システム機能」とテクノクラフト「コミュなび」の連携で総合的な安全管理を実現

幼稚園・保育園・こども園向けクラウドサービス「コミュなび」と、アルプスアルパイン製「自動検知システム機能」の連携により、異常発生時の画面お知らせや先生・保護者へのメール・アプリプッシュ通知を始めとした総合的な園児の安全管理を実現。

保護者からの出欠申請や、登降園時間、今日乗る子どもがひと目でわかる「乗車リスト」を活用した点呼機能を利用し、子どもの居場所の確認を職員全員で共有できる。

送迎バスの置き去り防止システム 乗降時確認式安全装置のおもな特長

◆「送迎用バスの置き去り防止安全装置ガイドライン 」(国土交通省:2022年12月)の「乗降時確認式」に対応。

◆キースイッチ(イグニッションキー)をオフにすると、車内点検メッセージが流れてお知らせ。車内の点検モレを防止。

◆車内の点検後、本体の「たすけてボタン」を長押しすることで待機モードに設定。待機モードで 「たすけてボタン」を 押せば 、救助を求めるメッセージが大音量で車外に発信。

◆運転席のスイッチで園児の乗降を周囲にアナウンス 。危険が潜む乗降中も周囲に注意を発信。

送迎バスの置き去り防止システム 自動検知システム機能のおもな特長

◆人体を検知する「PCRセンサー」を採用。スイッチ等の操作が不要な安心仕様。

◆人体検知センサー(画像左)によりエンジン停止の15分後、車内で人体を検知した場合、非常事態をWeb・メールで通知。

◆エンジン停止15分後に異常検知がなくても、そこから15分間検知システムが連続作動。

◆人体検知センサーは、対象となる人が眠っている状態でも検知が可能。

◆GPS や Galileo などのマルチGNSS(全球測位衛星システム)で測位した位置情報を無線通信し、クラウドサーバーへ提供する「GNSSトラッカー(画像左)を採用。確実で安定した車両データの送信を実現。

◆12V、24V電源に対応。小型から大型までの幅広い車種に対応。

登園時「コミュなび」と連携した運用イメージ

◆1 「バスなび」添乗アプリを起動し、コース等を選び運行を開始する。

◆2 各バス停にて園児を乗車させる際に 「バスなび」添乗アプリの乗車リストから「乗車の点呼」をチェックする。

◆3 園に戻ってきたら、園児を降車させる際に 「バスなび」 添乗アプリの乗車リストから「降車の点呼」をチェックする

◆4 「バスなび」添乗アプリの運行を終了する。

◆5 エンジンを停止する。車内点検メッセージが流れる。

◆6 車内の見回り・清掃・消毒を行い、後方にある「たすけてぼたん」を長押しして待機モードに切り替える。

◆7 園内のパソコンにて 「バスなび」 管理画面の乗車リストを開き、乗降車にチェックが入っているかを確認する。

◆8 異状がない場合は、今日の運行が問題なく終了したことを、保護者へ通知する(設定で切替可)

◆9 異常発生時は、園内の端末に異常を表示する。

◆10 指定の先生・保護者のスマートフォンに通知を送る(設定による)。

―――詳細は、テクノクラフト「コミュなび」公式サイトへ。
https://www.tecraft.jp/navi/hp/

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