5月23日「難病の日」。アストラゼネカグループの希少疾患部門 アレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズ(米国マサチューセッツ州ボストン)の日本法人、アレクシオンファーマは、指定難病の患者500名と指定難病に携わる医師500名を対象に、難病を取り巻く環境について知り、理解を深めるきっかけとすることを目的に「難病に関する意識調査」を実施した。

調査の結果、難病患者のおよそ3人に1人が「症状発症から診断までに1年以上」と回答。

また、同じく「難病患者の約2割が診断までに3年以上、約1割が10年以上」と回答し、難病の診断までに長い時間を要している現実が明らかに―――。

最大の課題は「最適な治療方法がない」

難病患者、医師が難病を取り巻く現状について、ともに最大の課題として挙げたのは「最適な治療方法がない」。ほかの課題と比べ、大きな差があった。

患者
1 位「最適な治療方法がない(46.8%)」
2 位「周囲の疾病理解が不十分である(33.6%)」
3 位「就労に困難がある(23.4%)」

医師
1 位「最適な治療方法がない(50.0%)」
2 位「正しい診断がされない(42.2%)」
3 位「非専門医の疾病理解が十分ではない(37.2%)」

診断までに10年以上の超長期を要するケースも

「難病患者のおよそ3人に1人が症状発症から診断までの時間に1年以上。約2割が3年以上、約1割が10年以上」。

過半数が半年以内に診断されるいっぽうで、診断までに10年以上の超長期を要するケースも。

医師とのコミュニケーションにおける課題が浮き彫りに

難病患者の約半数が「医師とのコミュニケーションをサポートしてくれる医療従事者が少ない」と回答。

医師とのコミュニケーションにおける課題で最多だった。

難病患者の約6割が「生活」において課題

難病患者の約6割が「生活」において課題と感じていることのトップ3は次のような項目に。

1 位「通院負担が大きい(59.8%)」
2 位「行政や医療機関の難病に関する相談窓口が周知されていない(58.0%)」
3 位「支援・補助制度の情報がまとめられておらず、わかりにくい(57.6%)」

患者・医師別「難病に対する社会の理解」に関する課題

難病患者が感じる「難病に対する社会の理解」に関する課題
1 位「難病の理解向上への啓発活動が不足している(62.6%)」
2 位「難病についての企業の理解が十分でなく、就労の困難がある(55.0%)」
3 位「難病患者が社会のなかで孤立しがちである(43.8%)」

医師が感じる「難病に対する社会の理解」に関する課題
1 位「難病についての企業の理解が十分でなく、就労の困難がある(72.8%)」
2 位「難病の理解向上への啓発活動が不足している(72.4%)」
3 位「難病患者が社会のなかで孤立しがちである(68.6%)」

難病患者により早く治療薬を、協働で社会環境の整備を

アレクシオンファーマはこうした調査結果を受け、難病患者や医師ともに最大の課題として挙げられた「治療方法がない」ことに対しては、製薬企業として今後も継続して研究開発を進め、難病患者により早く治療薬を届けるため、たゆまない努力をしていくという。

また、「より早期の診断」「最新情報の提供」や「難病に対する周囲の理解促進」などの課題に関しては、アレクシオンファーマのみならず、より多くのステークホルダーが協働し、難病を取り巻く社会環境を整えていく必要があるという認識を深めた。

9月30日「難病看護学会」を開催

アレクシオンファーマは2022年より部門横断チームによる外部ステークホルダーと連携し、「難病・希少疾患の患者の環境を変えるためのプロジェクト」を本格始動。

同プロジェクトは、特定の疾患や製品の枠などを超え、長期的視野に立ったうえで、同社のみならず、外部ステークホルダーとも協働し、難病・希少疾患関連情報の発信に積極的に取り組みながら、難病・希少疾患の患者や医療従事者が望む環境づくりに貢献することを目的に活動している。

こうした活動の一環として、アレクシオンファーマは9月30日に、今回の調査で明らかになった難病患者が抱える課題をもとに「難病看護学会」にてセミナーを開催する。

笠茂公弘 社長「早期に難病を取り巻く環境の整備を」

「日本において今年で創設15周年を迎える当社は、『すべての希少疾患をもつ人々に人生を変える治療法と希望を届ける』をパーパスとして掲げています。

世界に先駆けて日本において難病法が成立したことを記念した「難病の日」を重要なマイルストーンとしてとらえています。

また、企業の社会的責任の一つとして、今回の調査で示されたように早期に難病を取り巻く環境を整える必要があると感じています。

企業がさまざまなステークホルダーとともに活動をすることで、広く社会に貢献ができると信じています。

今後とも、より積極的に多様な機会をつうじて難病への取り組みを行い、難病を抱える患者やその周りの方々へ希望をお届けしてまいります」

(アレクシオンファーマ 笠茂公弘 社長)

アストラゼネカグループの希少疾患部門アレクシオンは30年にわたり、患者の生活を一変させるような治療薬を発見・開発・販売することで、希少疾患や深刻な症状の患者と家族への貢献に注力。

補体カスケードの新規分子と標的を対象に研究を行い、血液、腎臓、神経、代謝性疾患、心臓、眼科、急性期の治療薬を開発し、世界50か国以上で患者に提供している。

http://www.alexionpharma.jp/

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