国内や欧州の鉄道車両の窓、自動車の窓ガラスなどに採用され、車内の温度上昇をおさえる遮熱の役目を担う、住友金属鉱山の近赤外線吸収材料「CWO」。

住友金属鉱山が発明し国内外で特許を持つ近赤外線吸収材料「CWO」は、自動車や鉄道などで培った技術を横展開し、新たな素材テクノロジー「SOLAMENT」として、アパレルや建材、農業、医療分野などへもその活躍の場を広げている。

そんな素材テクノロジー「SOLAMENT」を、個人・企業・団体などにむけて発信・体感する場として、住友金属鉱山は東京ビッグサイトで10月26日~11月5日に開催される JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー/前回まで“東京モーターショー”)にブースを出展。

ブースで「羽毛を使用しなくても暖まる透明なダウンジャケットプロトタイプ「SOLAMENT DOWN-LESS DOWN JACKET」(画像)を初公開している。

この画期的な素材テクノロジー「SOLAMENT」(ソラメント)を体感できる場は、JR東日本FV-E991系 HYBARI などが展示されている西展示棟 1F 「TOKYO Future Tour」(トーキョーフューチャーツアー)エリア。未来の生活シーンが広がる「Life & Mobility」として公開されている。

熱や光を遮る、高い透明性・耐久性、多様な熱マネジメント

住友金属鉱山の近赤外線吸収材料 SOLAMENT(近赤外吸収微粒子:CWO)は、太陽光線の40%近くのエネルギーを占める波長800~1200nm の光を強く吸収できる無機材料。

従来の無機材料 ITO や ATO に比べ、少ない添加量で同等の近赤外光の吸収を得られることから、添加による混合物の物性変化を低減。可視光範囲でも優れた透明性を持ち、顔料の色彩保持が可能であるため、優れた調色も特長で、次のようなアドバンテージがある。

◆多様な熱マネジメント―――近赤外線を吸収し、光を熱に変換する

◆熱や光を遮り、内部の温度上昇を防ぐ―――真夏の農業ハウス内の室温上昇を防ぐ

◆高い透明性―――透明度の高い遮熱窓を実現

◆無機材料ならではの耐久性―――熱、湿気、紫外線、薬品に強く、長期間機能を保持

◆少ない添加量と低毒性―――ITO の 1/6~1/50 の添加量で同等の近赤外線吸収効果を発揮し、人体や環境への悪影響を低減

太陽光を照射するデモも展示、遮熱性能を体感

JAPAN MOBILITY SHOW 2023(10/26~11/5 東京ビッグサイト)住友金属鉱山 SOLAMENT ブースでは、この SOLAMENT(近赤外吸収微粒子:CWO)を含んだ軍手と、含んでない軍手を並べ、太陽光を照射するデモも展示。

SOLAMENT(近赤外吸収微粒子:CWO)を含んだ右の軍手に注目↑↑↑

その素材名のとおり、近赤外線を吸収し、熱に変えている。サーモカメラで赤く映る部分は、想像以上に温かい。

この熱マネジメント性で、たとえばクルマや電車の窓ガラスに SOLAMENT(近赤外吸収微粒子:CWO)を含んだガラスを採用することで、透明性をキープしながら太陽光の熱を遮熱し、乗客や運転手の快適性を向上させている。

モビリティやアパレルの枠を超え、あらゆる分野に可能性

住友金属鉱山の近赤外線吸収材料 SOLAMENT(近赤外吸収微粒子:CWO)石橋佳祐プロジェクトリーダーは、実際にプロトタイプ「SOLAMENT DOWN-LESS DOWN JACKET」を着て、こうアピールする。

「太陽光に含まれる近赤外線を熱に変換。薄手のカーディガンも、ダウン並みの暖かさに。

逆に、涼しくすることだって可能。太陽光を吸収するから遮熱もできる。だから日傘など日除けとしても使えて、暑い日も快適に。

また、限りなく透明性が高い素材だから、カラーは自由自在。機能性もデザインも諦めない。ファッションがより自由に、機能性をアップできる。

また、これまで問題視されてきた、赤外線を利用したスイムウェアなどの盗撮にも有効。盗撮の心配がなくなるから、例えばアスリートもより全力で挑戦できる」(住友金属鉱山 石橋佳祐PM)

使い方により発熱・遮熱・盗撮防止と多彩に活躍

実際にいろいろな分野への可能性がある。たとえば、アウトドアツールのタープ。SOLAMENT を含むタープであれば、真夏の太陽光を遮熱し、その下を流れる自然な風によってより涼しくなる。

災害救護や難民キャンプなどのテントに SOLAMENT を含ませたテントを導入すれば、より多くの人たちを救えるかもしれない。

「使い方により発熱・遮熱・盗撮防止など、さまざまな可能性があり、衣料に使えば限界に挑戦するアスリートへの強力な伴走者になり、農業に使えばこれまで作れなかった土地や時期で作物を収穫することを可能にします」(住友金属鉱山 石橋佳祐PM)

―――暖かくも、涼しくも、自在に熱をマネジメントできる住友金属鉱山の近赤外線吸収材料 SOLAMENT(近赤外吸収微粒子:CWO)。

これまでの自動車や鉄道、アパレル、建材、農業、医療分野などの分野を超え、さらに活躍の場を広げる気配。

「ぜひ SOLAMENT をJAPAN MOBILITY SHOW 2023(10/26~11/5 東京ビッグサイト)で体感してください。きっと本能で可能性を感じると思います」(住友金属鉱山)

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