「ほしいものは、アルバム。家には幸せな幼少期やいっしょに家族・友人と過ごした時間を思い出させてくれる写真がたくさんあった」(ウクライナで避難生活を送る14歳の女性)

「ほしいものは、人形。それで遊ぶのが本当に好きだったから恋しい」(ウクライナで避難生活を送る4歳の女の子)

深刻さを増している世界各地の人道危機を、あらためて身近に感じ、考えるきっかけを―――。

そんな想いから日本赤十字社は、ことし2023年で41回目の「NHK海外たすけあい」キャンペーン特別企画【#だれのほしいものリスト】を12月4日から特設サイトと東京メトロ新宿駅メトロプロムナード(12月4~10日)で公開。

世界各地で起こっている人道危機に目を向けて

【#だれのほしいものリスト】は、「大切な人や自分自身の「ほしいもの」を考える12月に、人道危機にさらされている各地で暮らす世界の人びとは、いま、何がほしいと考えているのだろうか」という想いから始動。

「人形」から「平和な故郷」まで、現地の人びとに実際に聞いた「ほしいもの」を通して、世界各地で起こっている人道危機に目を向けてほしいという願いが込められている。

今回の「ほしいものリスト」は、レバノン、ウクライナ、バングラデシュ3か国で避難生活を送る人びとに、現地で日々活動している日赤職員やボランティアがアンケートをとり、まとめた。

バングラデシュ国内の避難民キャンプでは、ビニールシートと竹でつくった仮設住宅での生活を余儀なくされているうえ、正規就業が認められておらず、教育を受ける機会も限られていることから、バングラデシュの避難者に対して「ほしいものリスト」を聞くことは控えたという。

困難に立ち向かう人びとへの理解のきっかけに

今回公開された【#だれのほしいものリスト】は、紛争などによって、故郷や住みなれた家から避難を余儀なくされている人びとの「ほしいものリスト」。

日赤職員による3か国の現地調査を通じ、39個の「ほしいもの」が明らかに。

「お金があっても、買えないもの。願うことしかできないもの。心のよりどころにしているもの。そこから見えてくるのは、遠い国の誰かではなく、みなさんと同じ時間を生き、困難に立ち向かう一人ひとりの姿です。

今回は、困難に立ち向かう人びとへの理解のきっかけとなることが目的です。

日本赤十字社は、緊急時の救援から、中長期的な支援まで、それぞれの地域にあわせて保健医療やこころのケアなど幅広い支援を行っています。

NHK海外たすけあいへのご寄付は、世界各地で紛争、災害、病気などにより苦しんでいる人びとを支援する活動に役立てられます」(日本赤十字社)

「窃盗やテロなどの否定的な選択や行動に頼らないように」

今回公開された【#だれのほしいものリスト】には、冒頭のようなものから、こんな“ほしいもの”もある。

「ほしいものは、ヴァイオリン。子どもがヴァイオリンを習っていたから、その音色が懐かしい」(ウクライナで避難生活を送る44歳の女性)

「ほしいものは、職業選択の自由。難民ということで翻訳者として働けることが制限されるから」(レバノンで難民としての生活を送る26歳の女性)

「ほしいものは、教育。失業率を減らし、窃盗やテロなどの否定的な選択や行動に頼らないように」(レバノンで難民としての生活を送る56歳の女性)

―――東京メトロ新宿駅構内の広告では、「#だれのほしいものリスト」の一部を12月4~10日の1週間限定で公開、特設サイトでは「#だれのほしいものリスト」一覧を各個人のコメントとともに見ることができる。

日本赤十字社は、世界各地で紛争、災害、病気などにより苦しんでいる人びとのいのちと健康、尊厳を守るために、それぞれの地域に根差した支援を、これからも続けていく。

また、#だれのほしいものリスト公式サイトでは、世界から寄せられた「ほしいもの」39個、それぞれの「ほしいもの」に込めた想いや理由のほか、世界3カ国、4歳~69歳のほしいものリストに対するコメントや、ヒアリングを実施した現地日赤職員のコメントなどが掲載されている。

◆#だれのほしいものリスト
https://www.jrc.or.jp/lp/save365/wishlist/

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