宿泊予約サイト Booking.com(ブッキング・ドットコム)は、旅行を通じて、人々がどのように単調な日々から抜け出し、最高の自分の姿を解き放っているのかを探るため、調査開始以来最多の33の国と地域にわたる2万7000人超の旅行者を対象とした「2024年の旅行に関する調査」を実施。

その調査結果をもとに、ブッキング・ドットコム独自のデータと知見をあわせて考察した、「2024年の7つの旅行トレンド予測」を、都内で発表。

Booking.com Japan 大畑智美 広報部長が登壇し、その予測の要約を、bayfm「COUNTDOWN RADIO」のDJでおなじみの ALAN J(アラン・ジェイ)のナレーションでこう伝えた。

「Travel is LIFE」という考え方に変わる

「これまで旅行は日常から抜け出すための手段とみなされてきましたが、本調査によると、2024年はまさに「Travel is LIFE」という考え方に変わっていくという予測が明らかになりました。

本調査では、世界の旅行者の4分の3を超える78%(日本の旅行者:68%)が「休暇中はいつにも増して生き生きした気分になる」と回答、また、世界の旅行者の68%(日本の旅行者:55%)は「日常に戻っても休暇中の自分のようでありたい」と回答しています。

その理由として、「休暇中は最高の自分になれる」と考える旅行者が68%(日本の旅行者:67%)にのぼることが挙げられます。

さらに、2024年はAIが変革をもたらし、テクノロジーを利用して単調な仕事をこなす人々がますます増える一方で、人々は旅行を通じて、自由に想像力を広げ、直感を研ぎ澄まし、より心を揺さぶる体験を生み出せるようになるでしょう」

そして Booking.com「2024年 7つの旅行トレンド予測」がこれだ↓↓↓

1. もう1人の自分・主人公の私を楽しむ旅

2. 水を通じて、生きている実感に触れる旅

3. 偶然に導かれる、発見に満ちた旅

4. 五感で味わい、風土を想う食体験

5. 憧れのひとときを、アラカルトラグジュアリーで叶える旅

6. デザイン美+マインドフルネスで、美意識をアップデートする旅

7. よりよい明日へとつながる旅

1. もう1人の自分・主人公の私を楽しむ旅

「旅先で出会った人に自分の実生活について伝える際に、作り話をする」と回答した世界の旅行者は37%(日本の旅行者:21%)にのぼることから、2024年は、旅先で最高の「もう一人の自分」になりきることで、より生き生きとした時間を楽しむ旅行者が増えることが予想されます。

「旅先では誰も自分のことを知らないため、いつもと違う自分になれるところが好きだ」と回答した世界の旅行者は62%(日本の旅行者:44%)にのぼり、このような旅行者は、いつもとは違うレベルアップした自分になりきるスリルを好み、最高の自分を創り出すためならどんな苦労も惜しまないことがうかがえます。

旅行中に別の人格をまとうことで、より生き生きとした感覚を味わう、といった考え方を裏付けるように、世界の旅行者の3分の2を超える68%(日本の旅行者:67%)は、「休暇中の自分は最高の自分の姿であり、さまざまな抑制を振り払い、自身の新しい側面を大切にすることができる」と回答しています。

また、世界の旅行者の42%(日本の旅行者:13%)は、自信をもって最高の生き方をするために、「普段乗っている車より良い車種を借りるためならお金を払う」と回答しています。

さらに、世界の旅行者の57%(日本の旅行者:49%)は、「旅先では物語の主人公になったような気分になる」と回答しており、旅行中は自らの人生のスターになれるという気持ちを抱くようです。

「仮の姿」や「アバター」は、現実世界でもVRやARでも数多く存在します。このようなデジタルアバターは、旅行願望のままにメタバース空間のあらゆる場所を訪れ、何でも行うことができます。

2024年はこのようなアバターを操る人々が、デジタル空間での理想を実現すべく、現実世界の目的地へと出かけるでしょう。

(booking.com 「2024年の7つの旅行トレンド予測」)

2. 水を通じて、生きている実感に触れる旅

世界中が記録的な猛暑となり、熱波に見舞われている昨今、暑さは最高潮に達しているといえます。

うだるような暑さから逃れ、体力を回復してリフレッシュするために、涼しい場所を求める旅行者は急速に増加しています。

「気候変動が2024年の休暇の計画に影響を与えるだろう」と回答した世界の旅行者は51%(日本の旅行者:41%)を占める一方、56%(日本の旅行者:39%)は「住んでいる地域の気温が上昇しているため、休暇では涼を求める」と回答しています。

そのため、暑さを和らげ、日ごろの疲れを洗い流したりするために、2024年は「水」と触れ合うことを重視した旅行が人気になることが予想されます。

「水の近くにいるとリラックスできる」と回答した世界の旅行者は75%(日本の旅行者:54%)にのぼり、また36%(日本の旅行者:31%)は「2024年は『水』に関連した旅がしたい」と回答しています。

人々が涼を感じるために水と触れ合うようになることで、近い将来、水と意識的に深く触れ合う時間が、瞑想方法の主流になることが予想されます。

スイミングへの関心の高まりやヴィム・ホフ・メソッドのようなセラピーと繋がるかもしれません。

生きている感覚を味わうこの新しい形のウェルネス旅では、フローティングヨガや水音のサウンドバス(心地良い音を浴びるように聞く体験)、雪の中での瞑想体験といったアクティビティへの人気が高まるとともに、氷を活用して行うリラックスや健康促進を追求するリトリートや、水中ホテル、マーメイド体験などもブームとなり、もはや「水」は旅の脇役ではなく主役となるでしょう。

(booking.com 「2024年の7つの旅行トレンド予測」)

3. 偶然に導かれる、発見に満ちた旅

2024年は、事前に旅行計画を確定しない、なりゆきに任せた旅が流行するでしょう。

「到着するまで目的地さえも知らされない、サプライズトリップを予約してみたい」と考える旅行者が世界で52%(日本の旅行者:24%)にのぼり、休暇ではサプライズに身を委ねて未知の世界を探索し、これまで行ったことのない場所を訪れることを望む旅行者が増えています。

普段の生活と同じであることを嫌い、決まりきった体験を積極的に避ける本能的な冒険心から、多くの旅行者は、2024年はありきたりな休暇から抜け出したいと考えているのです。

実際に、世界の旅行者の56%(日本の旅行者:47%)が「あまり人が行かないような穴場を旅してみたい」と回答、また34%(日本の旅行者:15%)が「知らない人たちと旅をしてみたい」と回答しています。

こうした旅を求める旅行者は、緻密な計画を立てる旅行スタイルから偶然の出会いやサイコロを振って進むような方法へとシフトしており、「今、この瞬間を楽しむ」を人生のモットーとして、舵取りをしない、なりゆき任せの時間を求めています。

世界の旅行者の55%(日本の旅行者:33%)は「2024年は事前に計画を確定せず、なりゆきに任せた旅がしたい」と回答、また69%(日本の旅行者:66%)は「その場で気が向いたことができるように旅行計画は柔軟に立てたい」と回答しています。

旅行業界はすでに、ボタンを押すだけで旅行のキャンセルやプランの変更、後払いが可能なオプションを旅行者に提供するなど、テクノロジーを駆使した柔軟なサービスで旅行者の要望に迅速に対応しています。

サービスの提供を開始しているブッキング・ドットコムのAIトリップ・プランナーに見られるように、2024年はAIの目覚ましい普及が予測されます。

世界の旅行者の48%(日本の旅行者:27%)は「AIに旅行の計画を任せてみたい」と回答しており、AIに旅行プランを立ててもらうことに好意的です。

また世代別に見ると、ベビーブーム世代(57-75歳)の30%、沈黙の世代(76歳以上)の20%がついにAIを受け入れ、旅行計画を任せてみたいと回答しています。

(booking.com 「2024年の7つの旅行トレンド予測」)

4. 五感で味わい、風土を想う食体験

「今まで以上に、旅先の名物料理のルーツを知りたいと思っている」と回答した世界の旅行者が61%(日本の旅行者:41%)にのぼり、食文化を探求することが好きな、いわゆるグルメな旅行者は、2024年には旅先の食文化をそのルーツまで深く掘り下げ、食通ならではの発見を求めていくことが予想されます。

こうした旅を求める人たちは、次世代の食トレンドを追うよりも、伝統料理に見られるような真の職人技に関心を寄せており、現地の独自の歴史や地理的特性、五感を目覚めさせるユニークな料理を創り出す農産物を楽しむガストロツーリズムに興味を抱いています。

世界の旅行者の81%(日本の旅行者:47%)が、「2024年はその土地ならではの料理に挑戦したい」と回答しています。

また、伝統の味が脚光を浴びていることから、旅行者がまだ注目を集めていない食文化に光を当てることで、世界のどこかで失われかけていた食の背後にある文化の秘密が解き明かされていくことでしょう。

これを踏まえ、目の前の料理に隠されたストーリーを旅行者に伝えるような、その土地ならではの食体験への需要が今後増加すると見られ、結果的に世界中のコミュニティの誇りと利益にも結びつくことが予想されます。

それと同時に2024年は、食を探求したいと考える旅行者は体験を重視し、デジタル世界と現実世界の間を行き来して、あらゆる発見を、五感を最大限に刺激する体験へと変えていくと考えられます。

実際、世界の旅行者の46%(日本の旅行者:21%)が、「2024年はVRやARで進化した没入型の『フィジタル』(現実とデジタルの融合)な食体験をしたい」と回答しているのです。

そのため、その食の歴史を引き立ててくれる、空間の雰囲気を変えてくれるような照明、ペアリングされたアロマ、感覚に訴えかけてくる音楽などが流行すると予想されます。

(booking.com 「2024年の7つの旅行トレンド予測」)

5. 憧れのひとときを、アラカルトラグジュアリーで叶える旅

生活費の高騰という苦難とプチ贅沢という2023年の大きなトレンドを背景に、2024年は節約術を駆使して費用を抑えながらも、「アラカルト」で贅沢を取り入れながら旅をグレードアップし、わずかなひと時でも高級感のある旅で贅沢感を満喫する旅行者が増えることが予想されます。

このようなアラカルトで贅沢を堪能したい人々には、経済的な妥協を強いられている現実を振り払い、自らを裕福に見せたいという特徴があります。

これを実現するために、支出を事細かに把握し、AIという旅の相棒の力を借りてお財布に優しい旅行計画をすることに力を注いでいるのです。

実際、世界の旅行者の56%(日本の旅行者:41%)は、「AIには、旅をアップグレードできる付帯サービスやお得な情報についてアドバイスをしてほしい」と回答しており、旅をアップグレードするための耳寄り情報やアドバイスに関してAIから提案を得て、おすすめのオプションやお得なプランなどを含めたすべての情報を画面上で手軽に確認できることを望んでいます。

さらに、世界の旅行者の50%(日本の旅行者:25%)は、「2024年は住んでいる地域よりも物価が安い場所を旅先として選びたい」と回答し、お金をかけない贅沢な旅行を求める旅行者(世界:43%、日本:27%)は、2024年は「コスト削減のために、近場で費用をかけずに贅沢を味わえる旅先を探したい」と回答しています。

また、世界の旅行者の51%(日本の旅行者:23%)は5つ星ホテルの設備やアメニティを使用するために、「5つ星ホテルに実際に泊まるより、『1日利用権』を購入してホテルの施設を利用したい」と回答しています。

ほぼ同じ割合の親たち(世界:47%、日本:27%)は、2024年にはさらにお金を節約すべく、ピークシーズンを外して旅行するために子供に学校を休ませることも検討しています。

(booking.com 「2024年の7つの旅行トレンド予測」)

6. デザイン美+マインドフルネスで、美意識をアップデートする旅

かつて、「サステナブル」と「スタイリッシュ」という言葉は、必ずしも似たニュアンスを持つ言葉であったわけではなく、「エコトラベル」という言葉は原始的なキャンプ場を連想させるものでした。

しかし、2024年には「デザイン美」と「マインドフルネス」の両方を兼ね備えた旅が注目を集めることが予想されます。

短期間の旅行だけでなく、人生においてより意識を高く持ち責任のある選択をしたいと願う旅行者たちにとって、インスピレーションにあふれる新たな可能性が広がっているのです。

快適さと卓越したデザインが贅沢さや豪華さのみと結びついていた時代は、今や終わりを告げています。

ホテルやその他のユニークな宿泊施設では、環境や社会の重大な課題に対して、革新的でありながら美的感覚に訴えかける解決策を示す動きが高まりつつあります。

心を揺り動かすような、「革新的で素晴らしいサステナブルな取り組みを行っている宿を探したい」と回答した世界の旅行者は53%(日本の旅行者:24%)にのぼることから、このような旅行者は、環境面を中核に据えた、見る人を驚かせるような建築の宿泊施設を求めることでしょう。

世界の旅行者の60%(日本の旅行者:49%)は「サステナブルな取り組みが実践されているところを見たい」と回答しており、また、65%(日本の旅行者:38%)は「旅先の宿では、部屋に居ながらにして、外の自然の景色を楽しみたい」と考えています。

また、2024年には保護活動への貢献の代わりに、サステナブルな旅行の人気が高まると見られます。

こうした特別な旅を通じて、旅行者は非常に配慮を尽くした責任のある形で、旅行先の保護に協力できるようになります。

多くの旅行者(世界:60%、日本:26%)が、さまざまな体験ができる「サステナブルな旅行アプリに興味がある」と回答しており、「あまり旅行者が訪れないような場所で地元の人々と交流すること」(世界:47%、日本:39%)や、「旅行者がなかなかアクセスできない遠隔地を訪れること」(世界:44%、日本:41%)などがその体験の例として挙げられています。

配慮と共にデザイン美を追求するこのトレンドには、休暇中に味わった気分をすべて家に持ち帰れることだけでなく、旅先から帰った後、居住地の環境や周囲のコミュニティとより深く繋がりたいという力強い目的意識も表れています。

(booking.com 「2024年の7つの旅行トレンド予測」)

7. よりよい明日へとつながる旅

不安定な世界情勢と常に何かに追われる日常生活のなか、物事がうまくいかずに疲弊してしまっている人も少なくありません。

これを踏まえ、2024年に自分が望むような生き方を取り戻すことができるよう、自己改善を主な目的とした旅を予約する傾向が予測されます。

「2024年は深い眠りを得ることを目的とした旅をしたい」と回答した世界の旅行者は58%(日本の旅行者:51%)にのぼり、このようなニーズを満たすべく、睡眠コンシェルジュや最先端のテクノロジーを活用した「スリープツーリズム」という新たなトレンドも生まれています。

普段ひとりで寝ている世界の旅行者のうち39%(日本の旅行者:20%)は、「新たなパートナーや恋人との出会いを求めるための旅をしたい」とする一方、35%(日本の旅行者:14%)は、「別れた相手を忘れたい時は、傷心旅行に出かける」と回答しています。

その一方で、パートナーや恋人と良好な関係性にある世界の旅行者のうち24%(日本の旅行者:27%)は、2024年の旅の優先事項として、パートナーとの関係性を深めることを望んでいます。

それとは対照的に、日ごろの疲れがたまっている親世代は、完全にひとりで過ごす休暇を驚くほど望んでおり、世界の旅行者の58%(日本の旅行者:35%)は自分の活力回復を優先して、2024年は「子どもやパートナーよりも自分を優先した一人旅を計画している」と回答しています。

また、自らの「リアル」な姿をさらに追究したいという原動力によるためか、「自給自足が鍵となる農耕社会や先住民のコミュニティのような、シンプルなライフスタイルに惹かれる」と回答した世界の旅行者は51%(日本の旅行者:22%)を占めることが明らかになりました。

2024年は、基本に立ち戻るだけでなく、自然とのより良いバランスや、普段の生活をリセットする要素が重視されると見られます。

(booking.com 「2024年の7つの旅行トレンド予測」)

アルヤン・ダイクCMO「」

ブッキング・ドットコム アルヤン・ダイク シニア・バイスプレジデント兼CMO 総評―――。

「弊社の2024年の『旅行トレンド予測』は、旅は日常から逃れるための手段ではなく、最高の生き方をするためのきっかけである、という旅行者の考えが反映されたものとなりました。

初めて訪れる旅先でスリリングな冒険を味わったり、初めて出会う文化を肌で感じたり、旅行中に体験するすべてが、あなたを『最高の自分』へと導いてくれることでしょう。

ブッキング・ドットコムは『すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を』を企業理念に掲げており、旅には人生にインスピレーションや変化、そして豊かさをもたらす力があると信じています。

私たちは2024年以降も、旅行者一人ひとりの心に響くような特別な体験を提供できるよう尽力してまいります」(アルヤン・ダイクCMO)

(調査方法)2024年の「旅行トレンド予測」に関する調査はブッキング・ドットコムによって、今後12~24か月間以内に出張またはレジャー・観光目的で旅行に出かける予定のある成人を対象に実施。33の国・地域の計27,730名の回答者(内訳:アルゼンチン1,008名、オーストラリア1,012名、オーストリア505名、ベルギー1,001名、ブラジル1,002名、カナダ1,009名、中国1,009名、コロンビア1,002名、クロアチア508名、デンマーク504名、フランス1,011名、ドイツ1,011名、香港1,016名、インド1,004名、アイルランド510名、イスラエル504名、イタリア1,014名、日本1,004名、メキシコ1,009名、オランダ1,014名、ニュージーランド1,015名、ポルトガル500名、シンガポール502名、韓国1,010名、スペイン1,009名、スウェーデン502名、スイス507名、台湾504名、タイ1,003名、アラブ首長国連邦502名、イギリス1,007名、アメリカ1,005名、ベトナム1,007名)が対象で、オンラインアンケートで2023年7月に集計されたもの。

2024年「Travel is LIFE ― This is Me!」はこんなコンセプト

発表会の後半には、2024年の旅スタイル「Travel is LIFE ― This is Me!」のイメージを公開。

アールティー・ヘンマ 竹川倫恵子 代表/インテリアディレクターが描いた、28歳の旅人が過ごすホテルの一室をイメージした「Travel is LIFE ― This is Me!」の世界観が表現されていた。

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