通信サービス最大手、アメリカ・ニューヨークに本社をおく Verizon Business(ベライゾン・ビジネス)が、いまグローバルで手がけるソリューション実績と、日本国内で展開を狙うターゲットはなにか―――。
そんな最新トレンドをキャッチできるイベントが3月4日、東京都内で開催された。
それが「ベライゾン・ビジネス グローバル戦略説明会」(2024/3/4@tokyo)
世界有数のプロバイダー、ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)日本法人ベライゾンジャパン)は3月4日、「グローバル戦略説明会」を東京都内で開催。
会場には、ベライゾン・コミュニケーションズ エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼ベライゾン・ビジネスグループの Kyle Malady(カイル・マレイディー)CEO が初来日し、ベライゾン・ビジネスグループ全体の事業戦略、業界のトレンドについて説明。
カイル CEO は、これまでのキャリアで世界初の 5G ネットワーク、初の 4G LTE ネットワーク、米国最大の光ファイバーブロードバンド住宅サービスの構築、立ち上げなど、ベライゾンのコア技術開発に関わってきた人物だ。
また、チーフ・テクノロジー・オフィサーの Debika Bhattacharya(デビカ・バッタチャーリヤ)CTO が、提供技術である NaaS/5G SA/AI の活用実績について解説。
さらに、ベライゾンジャパン 山崎隆太 代表執行役員社長、ロバート ル・バスク アジア・パシフィック地域バイスプレジデントも登壇し、日本国内戦略について、最新トレンドを伝えた。
専用の帯域容量や周波数帯、セキュリティ、高品質の接続ニーズに対応
ベライゾンが得意とし、グローバルで支持されているのが、プライベート5Gとモバイルエッジコンピューティング(MEC)によるソリューション。
一般的なパブリック5G(第5世代移動通信システム)とは異なる、「プライベート5G」は、大企業や公共機関が高速・大容量・低レイテンシーの接続が不可欠な内部と外部の施設で、カスタムの5G環境を利用できるネットワーク。
施設がパブリック5Gの利用可能エリアにあるかどうかは問わず、専用の帯域容量や周波数帯、セキュリティ、高品質の接続を求めるニーズに対応し、可用性の高い安定したサービスでダウンタイムを低減できるのが特長。
ビジネスの現場にプライベート5Gが必要な理由
既存のネットワークはもはや、現在の接続ニーズに対応するのが難しくなっている。
また、事業運営が自動化やモノのインターネット(IoT)を実現できるスピーディなテクノロジーにますます依存するようになり、このような時代の変化に対応できるよう、5Gネットワークの開発が進められている。
そこで、プライベート5Gを活用すれば、未来の工場、無人搬送車(AGV)、人工知能と機械学習(AI/ML)にもとづく品質管理などの新たな取り組みを推進しながら、カスタマーエクスペリエンスを変革できる。
プライベート5Gは、顧客の購買行動やスタジアムの管理などでエクスペリエンスを変革するとともに、あらゆるビジネスにおいてこれまでとはまったく異なる新しい取り組みを生み出す原動力となるはずだ。
アウディのテストコースにベライゾンの技術
ベライゾンのプライベート5Gソリューションの最新事例がドイツにある。
ベライゾン・ビジネスグループとアウディAGは、ドイツのノイシュタットにあるアウディドライビングテストコースに、最先端のプライベート・ワイヤレス・ネットワークと技術テスト環境を構築する。
同プライベート・ネットワークは、複数のコア、無線周波数、ネットワーク技術を使用し、世界中に存在する接続環境を再現。
各地域の公道で健全かつ機能的な接続技術を保証することで、アウディはグローバル市場での競争力を確保できる。
具体的には、ドイツのインゴルシュタット市近郊にあるアウディのテストコースには、5GとLTEのデュアルモジュラー・プライベート・ワイヤレス・プラットフォーム(ノキア)、プライベート・マルチアクセス・エッジ・コンピュートMEC機能(AWS)、リアルタイムのビデオ・データ伝送技術(スマート・モバイル・ラボ)、C-V2X通信およびモバイル/自動車アプリケーション(音声、データ、自動運転、安全性)が装備される。
日本企業のDXを加速、ベライゾンの国内展開
ニューヨークに本社を構え、世界中に拠点を展開しながら、2022年に1,368億ドルの売上高を記録したベライゾン。
その日本法人 ベライゾンジャパンは、日系多国籍企業のDXソリューション展開を加速させる。
前出のようなグローバルでのベライゾン流ネットワーク・プラットフォームで、データ・ビデオ・音声サービス・ソリューションを展開し、モビリティをはじめ、信頼性の高いネットワーク接続、セキュリティ、コントロールなどのニーズに応えていく。
たとえば製造業では、こうしたベライゾンのDXソリューションで、製造プロセス・オペレーションの効率化、サプライチェーンの可視化・柔軟化、セキュリティソリューションによる専有データのセキュアに保護し、生産性・収益アップ。スマート製造化を実現させられる。
また、日系企業のグローバルなセキュリティ戦略も積極的に支援していく構えで、前年比45%増をめざしていくという。
<登壇者プロフィール>
Kyle Malady(カイル・マレイディー)
Executive Vice President and CEO Verizon Business Group
(エグゼクティブ・バイス・プレジデント 兼 ベライゾン・ビジネスグループ CEO)
カイル・マレイディーは、Fortune 500企業の99%にサービスを提供する5Gテクノロジーのグローバル・リーダーであるベライゾン・コミュニケーションズのエグゼクティブ・バイス・プレジデント 兼 ベライゾン・ビジネスグループのCEO。彼のチームは、企業、政府、コミュニティが従業員、サプライ・チェーン、エンドカスタマー・エクスペリエンスを再考する支援を行っている。ベライゾン・ビジネスグループは、年商311億ドル以上(2022年)を達成し、5Gベースのテクノロジー主導のイノベーションの新しい時代への道のりをリード。カイルは、ベライゾンの新製品開発担当バイスプレジデントも務め、新製品とサービスを可能にするコア技術の開発を担当。カイルのリーダーシップの下、ベライゾンは、VCast Music and Video、VZ Navigator、Push to Talk、VZ MobileWeb、Verizon App Storeなどのプラットフォームを立ち上げ、次世代のワイヤレス・データ・サービスの足がかりとしました。彼は、4G LTEの開発と商品化に尽力した。
Debika Bhattacharya(デビカ・バッタチャーリヤ)
Chief Technology Officer
(チーフ・テクノロジー・オフィサー)
ベライゾン・ビジネスの最高製品責任者として、すべての顧客セグメントにおける製品管理を主導。エッジ・コンピュート、ソフトウェア・デファインド・ネットワーキング、IoTおよび5Gサービス、グローバル・ネットワーキング・ソリューション、セキュリティ、高度通信サービス、マネージド・サービスなど、ベライゾンの総合的な製品ポートフォリオとその戦略、Verizon Network-as-a-Service フレームワークとの連携について責任を負っている。以前は、Verizon Businessの5G & Enterprise Solutions担当SVPとして、ベライゾンのグローバル企業および政府機関の顧客に5Gソリューションと戦略的ビジネス成果を提供し、20か国にわたる1100人以上の営業および技術専門家のチームを率いていた。ベテランのグローバルエグゼクティブとして、フォーチュン1000社の顧客向けに複雑なテクノロジープロジェクトを主導し、ヘルスケア、小売、製造、金融サービスにおけるIT変革を成功に導いた豊富な経験を持つ。ベライゾンでは、ヨーロッパでの海外勤務を含め、さまざまな幹部職を歴任。ベライゾンの通信ネットワークのグローバル展開や、画期的な光波技術の展開に貢献した。