「嵐山から世界へ。世界から嵐山へ。太陽インキ製造らしい、世界にひとつの技術開発センターを」
ここは埼玉県 嵐山町(らんざんまち)。町の東西に関越自動車・国道254号 川越街道・東武東上線が走り、絶景の嵐山渓谷が彩る地。
秩父連山を望むこの自然豊か&好アクセスの嵐山町に、「最新リゾート空間を想わせる最先端研究開発所&オフィス」が出現した。
太陽インキ製造 技術開発センター「InnoValley」
いま、研究職・総合職をめざす学生が、最も注目する“最新の仕事場”―――それが、太陽ホールディングス 太陽インキ製造 新技術開発センター「InnoValley」(イノヴァリー)。
プリント基板(PCB)の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となるインキ、ソルダーレジストの世界NO.1メーカー 太陽ホールディングスグループが 初めて手がけた、「『ヒト』と『ミライ』が化ける、新しい技術開発センター」だ。
「InnoValley」は、「革新の渓谷」を意味する造語で、この新技術開発センターが、創造と革新の源泉となり、新たなアイデアや製品が流れだす場所であることを表現。
“Inno”はInnovationの略であり、 “Valley”<渓谷>は施設所在地と施設内特徴にも係る嵐山渓谷を意味する。
建築計画は大成建設、内装設計デザイン(高層フロア/その他一部エリア)は DRAFT Inc. 。
さらなる成長軌道、人的資本経営を実現へ
太陽ホールディングスでエレクトロニクス事業を担う太陽インキ製造は、太陽ホールディングス嵐山事業所内に新たな技術開発センター「InnoValley」(イノヴァリー)を新設。4月24日から稼働させた。
地上6階からなる新技術開発センターは、同社エレクトロニクス事業での需要と社員の増加を背景に開設。
この太陽インキ製造 新技術開発センターInnoValley でめざすのは、半導体市場の回復にあわせ、さらなる成長軌道に乗せることや、人的資本経営を実現し企業価値を高めること。
開発部門を中心とした社員によるワークショップの意見が反映された施設内は、知的生産性の向上とコミュニケーションの活発化に向けて低層(1-3階)と高層(4-6階)で異なる環境を設け、社員のポテンシャルを最大限に引き出す「グループ初の試み」が随所に施されているという。
「自律型人材の育成」に注力
製造業離れや人材不足で危機に瀕しているいま、日本のモノづくり産業が世界における競争力を高め復権するため、「ヒトへの投資」強化が必要不可欠とされるなか、太陽ホールディングス グループは、以前より働きやすい環境づくりや仕事のやりがい等をバランスよく整えることで「自律型人材の育成」に注力してきた。
工程は従来の約3分の1に短縮
太陽ホールディングス 太陽インキ製造 新技術開発センター「InnoValley」(イノヴァリー)のラボエリアとなる低層は、各材料室や実験室の行き来をスムーズにした回遊式動線を確保し、新たな分散装置と試作塗工機を施設内に設置したことで、評価用のサンプル作製までにかかる時間が従来の約3分の1に短縮。
また、露光機やラミネーターなどの各種最先端設備を導入したことで、主製品であるソルダーレジストや半導体関連材料をはじめとした基板周辺材料の開発・製造・評価までができるようになった。
次世代型オフィスデザインABW
太陽ホールディングス 太陽インキ製造 新技術開発センター「InnoValley」(イノヴァリー)のオフィスエリアとなる高層は、固定席に加え、働き方の多様化が進む中で注目される次世代型オフィスデザインABW(Activity Based Working)を2フロア分設。
エントランスやオフィスエリアは、埼玉県嵐山町(らんざんまち)周辺の自然の魅力や、地域特性を活かしたデザインに。
“ヒトづくり”そして“モノづくり”へ
さらに、建物の省エネ効果を評価する ZEB Ready の達成、省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価する CASBEE、CASBEE-ウェルネスオフィスにおいて最高となるSランクを獲得。
太陽ホールディングス 太陽インキ製造 新技術開発センター「InnoValley」(イノヴァリー)では、顧客基盤の強化をはじめ、半導体プロセスなどに向けたソルダーレジストの製造技術展開、感光性カバーレイや半導体厚膜封止材といった継続的な新製品上市の迅速化、新規事業の創出のために“ヒトづくり”そして“モノづくり”へ取り組んでいくという。
埼玉県嵐山町の自然の魅力を体感
太陽インキ製造 新技術開発センターは、随所に武蔵嵐山の自然の魅力を感じられる、地域特性を生かしたデザインを採用。
1階エントランスは、嵐山町の自然を想起させる木製ルーバーがやわらかく重なり合う中に、武蔵嵐山で育った楮を原料にした小川和紙のカーテンが空間を彩る。
4階から6階は、嵐山渓谷を感じられる吹き抜け空間とし、人とのつながりを自然に感じるエリアに。
4面開口のオフィスエリアは、各所大きなガラス張りの窓から四季折々の豊かな自然が眺望できる、地域特性を最大限に活かしたつくりにした。
チーム力と発想力が喚起されるような建物
「この地で働く方々が、武蔵嵐山の豊かな自然環境を享受し、チーム力と発想力が喚起されるような建物を創りたいと考えました。
技術開発の拠点として、機能的で回遊性のある使いやすい実験環境を確保したうえで、将来の更新にも対応できるフレキシビリティの高い建築計画とすることで、将来にわたり高度な開発をすることのできる施設になっています。
設計を進めるにあたりましては、開発部門を中心とした方々とのワークショップを重ね、太陽インキ製造様らしさ・武蔵嵐山らしさの詰まったここにしかない拠点をつくることができました。
この新拠点から世界に向けて画期的な技術開発を続ける太陽インキ製造様の発展を祈念しております」
(大成建設 設計本部 建築設計第二部 杉江大典 部長)
質の高いものに触れ感性を磨く
「嵐山から世界へ。世界から嵐山へ。 太陽インキ製造らしい、世界にひとつの技術開発センター。」を掲げ、嵐山の恵まれた自然環境の中で太陽インキ製造様らしい働き方を最大限に活かせる空間や来訪者を驚かせる仕組みを盛り込んだ、新施設に最適なデザインを構築しました。
その計画は周辺の環境を巧みに内部空間へと取り込み、外界のインスピレーションをも活かしたイノベーションを誘発する空間となっています。
嵐山という場所と新たな働き方を実現する技術開発センター。この相乗効果により生み出された世界に通用するオンリーワンの施設の実現をめざしました。
また、太陽ホールディングス様が従前より大切にしている「質の高いものに触れ感性を磨く」という点も重要視し、素材においても徹底的なこだわりを持って選び抜いた上質な空間となっています」
(設計担当(高層フロア/その他一部エリア)DRAFT Inc. 中村嶺介 シニアディレクター)
ここから新規事業領域を加速
エレクトロニクス事業でソルダーレジストなどのプリント基板用部材を始めとする電子機器用化学品の開発・製造販売・仕入販売を担う太陽インキ製造。
太陽インキ製造は今後、ソルダーレジストで培ってきた技術をもとに、既存事業の継続した成長と新規事業領域の創造に注力し、エレクトロニクス分野の技術革新も手がけていくという。
◆太陽インキ製造 技術開発センター「InnoValley」
所在地:〒355-0222 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地
敷地面積:約16,323㎡
延床面積:約10,400㎡
建築計画:大成建設株式会社
内装設計(高層フロア/その他一部エリア):DRAFT Inc.
構造:鉄骨造、X,Y方向ブレース付きラーメン構造
階数:地上6階
竣工:2024年4月24日
用途:エレクトロニクス事業における技術開発
6階:ABW AREA with visitor = ABW(協働)エリア ※Hall(大講堂)、VIP. LOUNGE、VIP. MEETING ROOM有
5階:ABW AREA = ABWエリア ※MEETING ROOM有
4階:WORK AREA = 固定席エリア
3階:SPACE FOR THE FUTURE = 未実装エリア
2階:LABORATORY AREA = ラボエリア、INSPIRATION SPACE =展示スペース
1階:LABORATORY AREA = ラボエリア
設計デザイン/DRAFT-Inc.