吉祥寺に行ったら絶対寄りたいお店がある。

北口から徒歩1分、「ダイヤ街」にある「塚田水産」だ。さつま揚げやおでん種を販売する練り物屋さんで、創業は1945(昭和20)年というから吉祥寺きっての老舗と言える。

自家製のさつま揚げやおでん種は、煮込んでも型崩れしないしっかりとしたコシが特徴。保存料は使用しておらず、自家製ならではの優しい味わいが人気だ。

誇張ではない。試しにSNSでその名前を入れて検索してみて欲しい。買い物や何かの用事で吉祥寺に立ち寄った方々が、実に満足そうな様子で写真を投稿しているのが分かる。吉祥寺というまちに根付いたお店なのだ。

実際に現地で観察していると、おでん種や定番のさつま揚げを購入する年配の方々に交じり、たまたま通りかかったと思しき大学生くらいの若者が「吉祥寺揚げ」を買っていくのを見かける。コロッケやチーズなど変わり種を使った揚げ物は若者に好評で、食べ歩きにも向いている。

店の名を冠した「塚田揚」や「揚げボール」など定番商品ばかりではなく、新商品も多い。塚田亮 代表取締役(写真)によれば、数は年によってばらつきがあるものの、毎年少なくとも10種類は新商品を出しているという。常連にとっても常に変わらぬ安心の味と、新しい変化が両方楽しめるお店になっている。

そんな塚田水産が、創業79周年を記念して記念イベントを実施する。

「今年のテーマはご当地さつま揚げ」

塚田水産は2024年10月7日(月)~12月15日(日)までの期間限定で「ご当地さつま揚げ」と秋の新商品を販売する。日本各地の名物をさつま揚げに組み込み、その特徴をしっかり捉えた変わり種だ。

大阪たこ焼き揚げ(10月7日~31日) 

大阪名物のたこ焼きそっくりのさつま揚げ。中にはタコと紅しょうがを入れてすり身で包んだ。実際に試食してみると「さつま揚げなのにたこ焼きだ!」と驚く味わいで、ソースや醤油との相性も抜群だろう。お値段は300円。

宇都宮餃子巻き(11月1日~15日)

昨年夏に新規開業した路面電車が大成功し、注目を集める北関東最大の都市宇都宮。そんな町の名物である餃子を丸ごと入れた一品で、挽肉と刻んだ野菜の旨味を詰め込んでいる。お値段は380円。

沖縄ジューシー揚げ(11月16日~30日)

沖縄の郷土料理「ジューシー」(炊き込みご飯)をさつま揚げに包んだユニークな一品。一般的な炊き込みご飯よりコクと甘味があり、さつま揚げとの相性も抜群だ。お値段は380円。

博多めんたい天(12月1日~15日)

きめ細かで弾力のある食感のさつま揚げに明太子のプチプチ感のマリアージュ。香り豊かな風味もクセになる味わいで、少し塩気が強いため酒のつまみやご飯のおかずにもぴったりの一品だ。お値段は350円。

いずれも期間限定ということで、吉祥寺に行ったらぜひ立ち寄りたい。というよりこのために吉祥寺に行く用事を作りたいと思わせる味わいだ。10月14()には1日限りのさつま揚げ全品100円均一セールもやるというから、ぜひチェックしてみて。

10月は更に期間限定メニューが2品登場

ご当地さつま揚げの販売だけでなく、10月は期間限定メニューが2種類も登場する。

かぼちゃとお芋のほっこり天

ほっこり天は芋の甘味に魚のすり身の塩気が絶妙な塩梅で、食べ応えも十分。小食の方ならこれ一つで朝ごはんになるくらいのボリューム感があるのも嬉しい。お値段は360円。

岩下の新生姜と大葉のおつまみ揚げ

おつまみ揚げは新生姜や大葉のおかげで大変さっぱりした味わいになっており、どちらかといえば酒のつまみで楽しみたい一品だ。お値段は1パック500円。

記事:一橋正浩

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