「社会課題解決に資するテクノロジーを導入したい」(企業担当者)

「地域の課題解決に資するサービスを探している」(自治体担当者)

「優れた社会課題解決型のスタートアップを見つけたい」(投資家)

「インパクトスタートアップの社会実装に興味がある」

「スマートシティや、都市政策の在り方に関心がある」

―――そんな人たちが、インパクトスタートアップの社会実装トレンドをキャッチできるイベントが、3.26 東京で開催された。

大手企業や自治体、教育機関などからのベンチャー創出やオープンイノベーションによる事業化に特化したサービス開発・展開を手がける ReGACY Innovation Group(東京都千代田区/成瀬巧一代表取締役)と、オープンイノベーションプラットフォーム Tokyo Marunouchi Innovation Platform は、東京都「Be Smart Tokyo」(東京都スマートサービス実装促進プロジェクト)の令和6年度プロジェクト報告会を開催。

当日は、ReGACY 岡本英樹 MGがインパクトスタートアップを取り巻く環境の変化について伝え、Cuel、GATARI、クロスメディスン、CLACK、小田急電鉄、Ashirase のキーパーソンたちが、各プロジェクト説明や、インパクトスタートアップによる都市の未来について語りあい、女性活躍支援、障がい者支援、教育格差是正に取り組む注目のスタートアップについてトレンドを共有した。

スマートサービスをスピーディーに実装へ

東京都では、「スマート東京」の実現に向け、令和4年度から「東京都スマートサービス実装促進プロジェクト」を実施中。

このプロジェクトでは、都内全域をフィールドに、スタートアップと東京都とが連携し、スマートサービスをスピーディーに実装していくことをめざしている。

ReGACY Innovation Group は、東京都から採択された「スマートサービス実装促進事業者」として、東京都やサービスの実装先であるエリアマネジメント団体、その関連企業・団体「スマートシティ基盤提供者」と連携し、今回採択した、女性活躍支援、障がい者支援、教育格差是正などに関連する5者のサービスが速やかに実装されるよう、関係者間の調整や伴走支援を行ってた。

画像は ReGACY 岡本英樹MG と東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部 スマートシティ推進担当 大井征史 課長。

インパクトスタートアップ取り巻く環境変化

前半は次のようなプログラムで各キーパーソンが登壇した。

◆インパクトスタートアップを取り巻く環境の変化
岡本英樹MG(ReGACY Innovation Group)

◆東京都の取り組み
大井征史 東京都デジタルサービス局 デジタルサービス推進部 スマートシティ推進担当課長

◆Be Smart Tokyo 概要説明
岡本英樹MG(ReGACY Innovation Group)

◆各プロジェクト説明
Cuel/GATARI/クロスメディスン/CLACK

Cuel https://cuel.co.jp/

テーマ:女性活躍支援

事業概要:女性専用のオンライン、経理・財務スクールの運営。経済的困窮を抱える女性や望む働き方ができていない女性の就労支援を目指す。

実証内容:人材紹介会社や経理業務専門のBPOベンダと連携し、卒業生を就労にシームレスに繋ぐ仕組みを構築する。

GATARI https://gatari.co.jp

テーマ:障がい者支援

事業概要:MRプラットフォーム「Auris」の開発・提供・運営。「Auris」は、 cmオーダーでの空間認識トラッキング技術と自然な音声フィードバックにより、視覚障がい者に安全で快適な移動と、施設や空間における魅力の体験を提供する。

実証内容:cmオーダーでの空間認識トラッキング技術を活用した、屋内の特定施設における視覚障がい者向けの誘導及び情報保証の取り組みを行う。中期的には、トラッキング技術を屋外にも活用することで、視覚障がい者の街中での移動を自立的かつ安心なものにするための環境整備を行う。

クロスメディスン https://awababy.tech

テーマ:女性活躍支援

事業概要:泣き声理解促進アプリ「あわベビ」の開発。「あわベビ」は、泣き声判別アプリとしては最高レベルの11種類まで泣き声の分類が可能で、赤ちゃんの感情や体調を泡で表現し、ユーザに伝える。

実証内容:企業内の福利厚生として、連携企業の子育て中の都内従業員に、乳幼児泣き声解析アプリを提供する。中期的には、AI解析技術を様々な子育て支援サービスと連携させ、都民の子育てしやすい環境の整備を行う。

CLACK https://clack.ne.jp/

テーマ:教育格差是正

事業概要:中高生向けのIT分野の学習支援やキャリア支援、居場所の運営。

実証内容:都内にデジタル教育を提供する拠点を設置し、自治体等と連携して貧困等の困難を抱える学生の支援を行う。また、連携先企業から、実際にWeb制作業務を受注し、学生に対価を与えることで、学生の自立を促進させる。

Ashirase https://www.ashirase.com/

テーマ:障がい者支援

事業概要:視覚障がい者向け機器「あしらせ」の開発・提供。靴に装着するコンパクトな機器である「あしらせ」は、地図アプリと連動し、足元への振動によりユーザーを目的地へと誘導する。聴覚を邪魔しないことで単独歩行の不安を軽減し、歩く安心感と楽しさを提供する。

実証内容:現在は屋外利用が主となっている「あしらせ」のサービスを屋内施設に応用し、視覚障がい者の屋外から商業施設への移動をシームレスに支援する。また、施設内での移動や購買活動の支援も行う。

インパクトスタートアップによる都市の未来は

後半は、「インパクトスタートアップによる都市の未来」と題してパネルディスカッション。

小田急電鉄 デジタル事業創造部 和田正輝ポリネーター、Ashirase 千野歩様 代表取締役CEO が登壇し最新トレンドを共有。

その50分にわたるトークを YouTube にアップしたからチェックしてほしい。

◆ ReGACY Innovation Group
https://regacy-innovation.com/

◆ Tokyo Marunouchi Innovation Platform
https://www.tmip.jp/ja/

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