
身内の葬儀を経験した人の6割が思うことが、情報量不足や小規模葬儀の価格競争などによる適正価格への不安を抱えているいま、「葬儀社と利用者の情報格差をなくし、安心で納得できる葬儀サービスを拡充」を掲げ、M&Aによって事業拡大を図る 燦ホールディングス。
専門葬儀社最大手 公益社 を中核とし90年以上にわたりライフエンディング事業を手がけてきた 燦ホールディングス(東証プライム上場)は、福島・茨城・栃木・山梨で葬祭会館47施設を展開する こころネット(福島県福島市)を経営統合し、完全子会社化する。
燦ホールディングスのグループ企業としては、公益社、葬仙、タルイ、きずなホールディングス、家族葬のファミーユ、花駒、備前屋、エクセル・サポート・サービス、ライフフォワード、クニカネクストに次ぐ11社目。
「日本一お客様に満足と感動を」

「シニア世代とそのご家族の人生によりそい、ささえるライフエンディングパートナー」を掲げる燦ホールディングスの 播島聡 代表取締役社長は、「日本一お客様に満足と感動を与えるサービスを提供し、事業を成長させるとともに、人生100年時代の社会に貢献します」とし、具体的な2つの目標「10年ビジョン」をこう伝えた。
全国550会館 売上100億円を目指す

「燦ホールディングスは、葬祭業界のリーディングカンパニーとして、現状より幅広い層のお客様にご満足いただけるサービスを提供するために、出店エリアを全国規模に広げ、葬儀会館数は2031年度にはグループ全体で550会館を目指します。
ライフエンディングサポート事業をさらに拡大させ、シニア世代のライフエンディング・ステージを通じて様々な価値を提供することで、多くのシニア世代とそのご家族のクオリティ・オブ・ライフ向上に貢献します。
2031年度には売上100億円を目指し、当社グループの事業の柱へと育てます」(播島聡 代表)
利益成長と質の高いサービス追求

燦ホールディングスがこうした経営統合を加速させる背景には、65歳以上の高齢者人口が増加し、葬儀に関する潜在ニーズが 2040年まで継続的な増加が見込まれるいっぽう、核家族化の進行やコロナ禍を契機とした葬儀の小規模化・簡素化の傾向が続いていることが挙げられる。
また、各地での新規出店の加速、インターネットによる葬儀紹介会社の台頭等により、とくに小規模葬儀のサービス提供をめぐる競争が激化。
さらに、葬儀業界・ライフエンディング業界でのM&Aが増加し、葬儀業界全体で再編がすすことも想定している。
燦ホールディングス と こころネット は、今回の経営統合で「上場企業として投資家の期待に応える利益成長」と、「葬儀事業に本来求められるべき社会福祉の側面から質の高いサービス追求」の両立を目指す。
また、企業理念の親和性が高い両社が経営統合することで期待できるとシナジーは、次の3点だ。
出店地域の相互補完

燦ホールディングス と こころネット は、ともに葬儀事業を展開し、燦ホールディングスグループは主に関西・首都圏を中心に北海道から九州まで 16 都道府県で計 267会館を出店(2025年3月末時点)。
こころネットは、福島県、茨城県、栃木県、山梨県に計 45会館を出店(2025年3月末時点)。
両社はそれぞれの地域において確固たる営業基盤を築いているいっぽうで、両社の出店地域はほとんど重複せず、両社における地域補完の効果は大きい。
また、葬儀業界の特徴として、地域との連携やつながりは非常に重要と考え、両社が協業を行うことは、単純な出店地域の補完性のみならず、それぞれの地域において両社独自の営業基盤をもつことで、将来にわたる出店戦略でも積極的・効果的に推進でき、日本全国幅広く顧客へそれぞれ質の高いサービスを提供できると見込む。
葬儀事業の拡大

65歳以上の高齢者人口の増加を背景に、葬儀に関する潜在ニーズは 2040年まで継続的な増加が見込まれるいっぽう、核家族化の進行やコロナ禍を契機とした葬儀の小規模化・簡素化の傾向にある。
利用者のニーズが多様化するなかで、今回の株式交換が実現したさいには、両社がそれぞれ培ってきた小規模葬儀から大規模葬儀まで対応可能な体制や、利用者のニーズを的確に捉えた独自性の高い商品・サービスの開発ノウハウ・人材を相互活用することで、両社の葬儀事業における品質向上とサービス力が強化できる。
事業運営の効率化

燦ホールディングスグループ各社と こころネット(菅野孝太郎 代表取締役社長)の管理機能の統合、人材の相互活用・交流、将来的なシステムの共通化などを通じて、次世代経営人材の育成や経営資源の最適配置、その結果としての資本効率の向上が実現できる。
葬儀は人生の最終章を締めくくるかけがえのない儀式

―――東証プライム市場に上場する全国展開の専業葬儀事業者で、葬祭業界のリーディングカンパニーとして、90年以上にわたり人の「最後」と真正面から向き合ってきた燦ホールディングスグループ。
その燦ホールディングスグループは、「“まごころ”をもって故人をお見送りする時間を大切にし、シニア世代とそのご家族の一人ひとりの人生に寄り添いながら、葬儀は人生の最終章を締めくくるかけがえのない儀式だと伝えたい」という。
また、ライフエンディングに対する啓蒙にも積極的に取り組み、本人と家族が安心して最後を迎えるための準備を、社会全体で支える未来を目指し、人生100年時代を生きるすべての人にとって、「最後の時間が愛と敬意に包まれる社会」の実現に貢献していくという。

