NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の舞台=島根県松江市の名誉市民といえば、同ドラマにも登場する小泉八雲(本名 ラフカディオ・ハーン)をはじめとし、細田吉蔵、細田博之、蘆田義道など歴代政治家・実業家・学者などが名を連ねるなか、プログラミング言語「Ruby」(ルビー)を開発した松本行弘 まつもとゆきひろ Ruby アソシエーション 理事長もそのひとり。

まつもとゆきひろ Ruby アソシエーション 理事長(審査委員長)が愛するここ島根県松江市で毎年開催されているアワードが、「Ruby biz Grand prix」。

ことしの「Ruby biz Grand prix 2025」は、くにびきメッセ(島根県松江市)で11月6日に開催され、世界中の Ruby 活用エンジニアが集結し、その最新ビジネス活用事例に注目した。

Ruby で切り開くビジネス新領域の最新事例

シンプルさと高い生産性を備え、エレガントな文法を持ち、自然に読み書きができるオープンソースの動的プログラミング言語――― Ruby(ルビー)。

「Ruby biz Grand prix」は、プログラム言語「Ruby」を活用して、ビジネスの領域で新たな価値を創造し、今後の発展が期待できるサービスや商品を表彰するグランプリ。

第11回目の開催となる『Ruby biz Grand prix 2025』では、暮らしやビジネスをより豊かにするための様々なサービス・商品、計17事例の中から選ばれた、大賞2点と特別賞3点、AIxRuby賞2点を表彰した。

さっそく、受賞企業の活用事例と、審査員の総評をここでチェックしていこう↓↓↓

大賞 STORES【 STORES 】

STORES は、小売・飲食・サービスなど、中小事業者の店舗運営を支える多様なプロダクトを展開。

「Just for Fun」をミッションに、こだわりや情熱に駆動される経済をめざしている。

顧客データを基盤としたプロダクトで、事業者の継続的な売上成長を後押し。

「まさか、というわけではありませんが、このような賞をいただきびっくりしています。

私たちがこの事業を進めていくとなったときに、プログラミング言語としての Ruby の力を強く信じていたので、こういった賞をいただけるのはとても嬉しく思います」(STORES 小室直氏)

大賞 RIZAP【 chocoZAP 】

chocoZAP は、体も心も健康になれる、通いやすさが魅力のコンビニジム。

使うほど特別が日常に変わり、毎日がもっと充実。月額2,980円(税込3,278円)で、ジム利用に加え、健康アドバイスや美容・アミューズメントも追加料金なしで楽しめる。

「まずはこういった素晴らしい賞をいただけたことを非常に光栄に感じております。

chocoZAP(チョコザップ)がサービスを起ち上げたのが3~4年前になりますが、当時はまだエンジニアが社内に一人もいないという状況でした。

そこからテックカンパニーとしての挑戦を続けてこういった形で評価をいただけたことを非常に嬉しく感じています。

これからも chocoZAP(チョコザップ)のサービスの成長をもって、Ruby の発展に貢献できたらと思います」(RIZAP 梅田智大氏)

特別賞 オプティム 【 OPTiM Biz 】

オプティムは、企業や学校などの法人で使われるスマホやタブレット、PCなどの端末を一元管理するサービス。

端末の稼働状況の可視化やセキュリティポリシーの遠隔適用、業務用アプリの配信をブラウザ上で行うことで、法人端末と情報資産の安全な運用を支える。

(オプティム 伊藤赳人氏)

特別賞 スマートバンク 【 ワンバンク 】

スマートバンク ワンバンク は、「がんばらなくても自然とお金が整う」次世代型AI家計簿。

AIが支出を学習し、次の行動をやさしくサポート。

面倒な設定なしでゲーム感覚で続けられ、ペアカードでの共有管理や柔軟な支払いにも対応。

日常の支払いをスムーズにする機能が充実している。

(スマートバンク 三谷昌平氏)

特別賞 フーディソン 【 魚ポチ 】

フーディソン 魚ポチ は、飲食店向けの生鮮品ECで全国50産地以上・8,000点超の水産品を1尾単位で注文でき、深夜3時までの注文で翌朝に配送。

自社で市場免許・物流を持ち、仕入れから配送まで一貫対応。

水産特有の課題を技術で解決し、料理人の仕入れ業務を効率化してくれる。

(フーディソン 渡邊大輔氏)

AIxRuby賞 IVRy 【アイブリー】

対話型音声AI SaaS IVRy アイブリー は、企業規模や業種を問わず幅広く導入され、全国47都道府県・96業界で累計3.5万アカウント、5,000万件超の着電実績があるサービス。

電話を起点に、音声データとAIを活用した事業展開で、日本の業務効率化に貢献している。

(IVRy 赤松祐希氏)

AIxRuby賞 ネクスウェイ 【トッツゴー】

ネクスウェイ トッツゴー は、製造・卸売業の買掛業務を効率化するクラウド請求書受領・明細突合サービス。

請求書の受領代行から、独自 AI OCR によるデータ化、突合、承認、保管までのを一貫提供。

仕分けや目検チェックの負担を減らし、本来集中すべき業務に専念できる環境をつくる。

(ネクスウェイ 山下智紀氏)

まつもとゆきひろ審査委員長「世の中にこんなにインパクトを与える素晴らしいサービスばかり、島根県にも感謝」

「今年もいろいろサービスに応募してもらえてほんとうに嬉しい限りです。

みなさんもご存じのように、自ら公表していただかないことには、そのサービスがどのプログラミング言語でつくられているかわからないのが現状です。

そのなかで私たちは、Ruby でつくっているという企業を募集して、「Ruby biz Grand prix」で表彰することで、世の中にこんなにインパクトを与える素晴らしいサービスが Ruby でつくられているということを示す場をつくっています。

ほんとうに素晴らしい人たち、サービスたちを称賛することができるこの機会を嬉しく思いますし、このような機会をいただいた島根県にも感謝しています。

ぜひ来年も Ruby を利用したサービスのご応募を、お待ちしています。何度でも挑戦できますので、ご応募いただけますと嬉しいです」

―――そんな Ruby biz Grand prix の詳細は、公式サイトをチェックして応募してみて↓↓↓
https://rubybiz.jp/index.html

井上浩 実行委員会 委員長「Ruby を使ったビジネスの発展、Ruby そのものの発展を願って」

「Ruby biz Grand prix はこれまで、RubyWorld Conference の前日に開催していましたが、今年から装いをあらためて RubyWorld Conference のなかで表彰式を実施することとなりました。

RubyWorld Conference に訪れた多くの方にこの表彰式に参加していただき、ファイナリストの皆さんのサービスを見ていただきたいという思いから同日開催にしました。

今回は17の事例にエントリーいただきまして、そのなかから7つのファイナリストに表彰しました。

Ruby は、多様性やエンジニアのためのプログラミング言語になるようにと、開発者のまつもとさんの思いが込められています。

だからこそ、人のためになるサービスが揃っているんじゃないかと思っています。

皆様のサービスが発展することはもちろん、これからの Ruby を使ったビジネスの発展、Ruby そのものの発展を願っています」

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