「麻布出る杭プログラムのアドバンテージは、ほかにもあります。たとえば、4年生で大学院生の授業を先取りし、大学院で1年早く早期修了すると、そのぶん生涯年収も上がります。働ける時間も増えます。
また、自分の興味にあった研究にひと足先に応募して、ほかの学生たちよりも先に研究を始めていくと、その後の“興味ない授業”も、積極的に興味深く取り組めるようになります」
―――ここは神奈川県相模原市。JR横浜線 矢部駅から歩いて4分の広大な敷地で、獣医 動物 健康 食 環境の最先端をひとつのキャンパスでじっくり学べる場、麻布大学。
麻布大学 伊藤潤哉教授が冒頭のように語るのは、全国大学で唯一文部科学省の令和2年度「知識集約型社会を支える人材育成事業」の『メニューⅡ 出る杭を引き出す教育プログラム』採択された「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」(麻布出る杭プログラム)。
なんと、1年生から研究室に入って「本物の研究」にチャレンジできるという。
立ち上げから3年。「早く研究分野を経験したい」という想いで「麻布出る杭プログラム」に飛び込んだ学生たちと、いっしょに走る教授陣に、麻布大学だけにあるアドバンテージや学ぶ楽しさを聞いた。
今回は、小動物 臨床獣医師をめざす獣医学部 獣医学科 2年の宮本果奈さんと、“伴走者”の永澤美保 准教授(介在動物学研究室・同調的共生ユニット)に聞いてみた。
研究テーマは「心拍変動解析を用いたイヌ-ヒト間の視線の社会的機能の解明」
まず宮本さんが参加する研究プロジェクトについて。研究テーマは「心拍変動解析を用いたイヌ-ヒト間の視線の社会的機能の解明」。
イヌ(犬)はヒト(人間)との共生の長い歴史のなかで、ヒトに似た社会的認知能力を獲得したと考えられている。
その結果、本来は同種母子間などに見られる特別な関係性「絆の形成」が可能になり、現代のような伴侶動物になったといわれている。
「永澤美保准教授の研究により、絆形成にはイヌからヒトへの注視が、ヒトからの保護行動を引き出す愛着行動として作用していることが示唆されている。
そのため、イヌがヒトを見つめる際の双方の情動の変化をより詳細に解析し、イヌがどのような情動状態の時に飼い主をみつめるのかを見出すのがこの研究の目的。」
―――そんな研究分野に飛び込んだ宮本さんに、これまでの道のりと将来について聞いた↓↓↓
「動物と人との関係性や介在効果に興味」
「わたしは麻布大学に入学する前から動物と人との関係性や介在効果に興味がありました。
中学生のころから、麻布大学 菊水健史先生(介在動物学研究室・社会内分泌ユニット)の『犬と人との視線のやり取りによるコミュニケーション』などを知って、麻布大学 獣医学部 獣医学科に入ろうと決めました。
麻布大学1年生後期から研究に没頭できる「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」(麻布出る杭プログラム)で、永澤先生の研究室に入りました。
2年生までは自分の学びたいことをいち早く身につけて、在学6年間をできるだけ有効に使いたいと思っています」(宮本さん)
「将来の獣医という仕事に活かせれば」
「小動物の臨床獣医師になりたいと思ってるわたしは、「イヌの社会認知能力と飼い主の安全基地効果の関連」の研究に参加しました。
この研究では、1年生時では閲覧できないような論文に触れられたりと、興味あることばかり。犬の表情とか足の動きでその情動がわかるという内容の研究テーマもあり、こうした研究・実験を経て、将来の獣医という仕事に活かせればなと思っています。
これまで、自宅で犬といっしょにいるとき、家族のコミュニケーションが増えたり、幸せな気持ちになれたりと漠然と感じていたことを、こうして研究レベルにまでアップさせて取り組むと、なかなか難しいこともあります。
でもさらにもっと知りたいという気持ちが上回って、もっと研究に集中したいという思いでいます」(宮本さん)
「高齢者や不登校の子どもたちが動物とふれあえる場を」
「わたしが所属する研究室は、基本的に出入り自由なので、スキマ時間に研究作業ができます。だからわりとアルバイトや学部の授業と両立できます。
研究作業では、大きなテーマが決まってて、そこを分担しながら独自にすすめていきます。そして個々の研究成果を集めて、結果をまとめるという具合です。
4月から3年生になりますが、「麻布出る杭プログラム」で、興味のある研究に関われたのがうれしいです。
これからは研究ではなく実践技術を身につける時間が多くなるので、このプログラムで研究にのめり込む時間を早いうちに経験できたのもうれしかったです。
これからは専門臨床獣医師をめざして実践と研究を重ねていきたいです。たとえば、野良猫の保護活動や、地域の人たちと接する機会をもちつつ、高齢者や不登校の子どもたちが動物とふれあいながらケアできる場をつくれたらいいなとも思っています」(宮本さん)
―――そんな宮本さんといっしょに走る永澤美保准教授は、「麻布出る杭プログラム」のアドバンテージについて、こう教えてくれた↓↓↓
論理的な思考方法やプレゼンテーション能力を身に付けて
「この「心拍変動解析を用いたイヌ-ヒト間の視線の社会的機能の解明」という研究は、たくさんのイヌの飼い主の協力のもとに、研究室の大学院生や学部生と一緒に実験を行います。
そのため、自ら考えて研究していく場として、自分自身の目標と全体の目標をしっかり認識したうえで取り組む必要があります。
研究室ゼミに参加したり、教員や仲間との議論を積極的に行うことで、論理的な思考方法やプレゼンテーション能力を身に付けることができます。
さらに行動実験の方法や、心電図の理解と心拍変動解析の手法を身に付けることができます」(永澤先生)
「“なぜ”という気持ちが、研究へと突き進む第一歩」
「この研究テーマは、私が長年取り組んでいるヒトとイヌの特別な関係形成が、なぜ、どのように起こりえたのかを明らかにするための研究の一環として実施しています。
すでに、飼い主とイヌの情動が同調的に変化することもわかっており、イヌが進化の過程で、ヒトとそのような関係を構築するために行動や認知、内分泌システムを変化させてきた可能性が見出されています。」
心拍変動解析により課題取り組み中のヒトとイヌの情動状態を推定することで、飼い主とイヌの関係性をより深く考察できるようになります。
しかし、運動を伴う自律神経評価はとても困難です。データ特性を理解してコツコツと取り組む姿勢が求められます」(永澤先生)
―――そして永澤先生は最後に、麻布大学をめざそうとしている高校生や中学生に、こんなメッセージも↓↓↓
「不思議に思っていることがある、ふわっとした疑問がある。そんな“なぜ”“なんで”という気持ちが、研究へと突き進む第一歩。
疑問を持ったら、わからなかったら、恥ずかしがらずに声に出してみる。なぜ、なぜ、とさまよってるうちに、文献を調べたり、実験して確かめたり、視点を変えてみたり……と自ら動いていくようになる。そんな「なぜ」を持っている人は、麻布大学へ」(永澤先生)
獣医 動物 健康 食 環境の “いま” がひとつのキャンパスにギュッと!
ここであらためて、麻布大学について。
麻布大学は、1890年に東京獣医講習所として東京市麻布区に創設。1950年に麻布獣医科大学として開学したのがルーツ。
「獣医」「動物」「健康」「食物」「環境」という5つの視点から“地球と共に生きる未来”を描ける人材を育成。他の大学にはない個性と強みがいろいろあることで、国内外・企業・受験生から注目を集めている。
「獣医になりたい!」「動物医療・動物科学のスペシャリストになる!」という人がめざす獣医学部と、「動物や生物、自然環境、生き物のあらゆる分野を深く学びたい!」「医療、食、環境のスペシャリストになる!」という人が集まる生命・環境科学部の2学部がある。
さらに獣医学部には、獣医学科と動物応用科学科の2学科、生命・環境科学部には臨床検査技術学科・食品生命科学科・環境科学科の3学科がある。
また2024年4月には、獣医学部 獣医保健看護学科(仮称)の設置を構想中だから、その最新情報などについては、公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
https://www.azabu-vn.com/
キャンパスはJR横浜線 矢部駅から歩いて4分というアクセスのいい駅近の地、神奈川県相模原市にあるひとつのキャンパスに、牛や馬、犬などさまざまな動物が多数飼育されていて「関東でこんなに数多くの種類の動物がいる大学は麻布大学だけ」ともいわれている。
麻布大学だけにある「1年次から研究室に入れるチャンス」
麻布大学は、1年次の後期から研究室に入って、「本物の研究」にチャレンジできる制度「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」がある。特定の条件をクリアした学生が希望して参加できる。
この「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」を活用すれば、大学院の早期修了が可能に。
学部在籍中に大学院の授業が履修できることから、大学院修士課程を1年早く修了して卒業するチャンスも。実際に修了した1期生が、今年から、12名が大学院に進学する。
この早期修了で、1年分の学費も節約できる上に、理系大学院修了者には大きな金銭的メリットがある。
たとえば、学部卒業者と比較して生涯年収で約数千万円も上昇することが、内閣府の調査研究で明らかになっているというから、気になる人は公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
https://www.azabu-u.ac.jp/about/program/derukui/post_24.html
麻布出る杭プログラム特設サイトは、こちら↓↓↓
https://www.azabuderukui.info/