「普段から伊藤沙恵 女流四段は将棋が独特で、純粋に盤を挟むことを楽しみにしていました。

今回の岡田美術館杯女流名人戦 五番勝負は、勝ったあとに充実感があるような戦いでした。

いまあらためて、タイトルへの歴史や伝統を感じ、身が引き締まる思いです」

―――そう語るのは、ことし1月から3月にかけて箱根・出雲・千葉・東京で繰り広げられた岡田美術館杯 女流名人戦 五番勝負を制した、西山朋佳 女王・女流王将・女流名人。

彼女はきょう4月24日、都内で開かれた女流名人就位式に晴れ着姿で登壇し、主催 報知新聞社 依田裕彦 代表取締役社長、日本将棋連盟 佐藤康光会長、岡田美術館 小林忠 館長、伊藤博文 七段・師匠らから祝福を受けた。

岡田美術館杯 女流名人戦 五番勝負は、1月15日 箱根 岡田美術館、1月22日 島根 出雲文化伝承館、2月5日 千葉 関根名人記念館、2月24日 東京 将棋会館、3月10日 東京 将棋会館と、5つの開催地で3勝を争う冬の女流棋戦。

ことし2023年の第49期 岡田美術館杯 女流名人戦 五番勝負 は、前年、連覇を重ねてきた里見香奈 白玲・清麗・女流王座・女流王位・倉敷藤花を破った伊藤沙恵 女流名人に、西山朋佳 女王・女流王将が挑んだカードだった。

報知新聞社 依田裕彦 代表取締役社長は、「西山女流名人は、初挑戦ながら見事に勝ち切られた。将棋ファンのみならず、わくわくするフレッシュな対決に、みなさんが興奮したと思う」と伝えた。

また、日本将棋連盟 佐藤康光会長は「今回の岡田美術館杯 女流名人戦は、居飛車と居飛車の戦い、両者の持ち味がぞんぶんに発揮された一局」と語り、こう続けた。

「西山さんの鋭い攻め、伊藤さんの巧みな受け。一進一退が続き、5番勝負のなかでも屈指の名局となった。

見事な内容で、西山さんの緩急自在な布陣とタイミングに対し、伊藤さんも全力を出し切った内容だった。これこそ名局だった」

さらに、岡田美術館 小林忠 館長は、「ようやく来賓をむかえての晴れやかな就任式。ユニバーサルエンターテインメントが社会貢献として開いた、岡田美術館の冠をつけた岡田美術館杯 女流名人戦も来年50回、来年もまた西山女流名人にがんばってほしい」と伝えた。

―――新しい時代をむかえた岡田美術館杯 女流名人戦。来年の第50期にむけて、西山朋佳 女王・女流王将・女流名人はこう意気込んだ。

「年令を重ねるごとに、一局一局がより苦しい戦いになるかもしれません。そこは、経験や落ち着きでカバーしながら、がんばっていきたいと思います」

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