かつて漢方というと、限られた人が専門店で買うというイメージだったけど、いまこの漢方が広い世代に受け入れられ、とくに20代・30代が漢方に関心をもち、購買層を広げているという。

そんな漢方の最新トピックスやトレンドを発信したのが、半世紀以上にわたり漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売している、クラシエ薬品。

クラシエ薬品は、漢方薬市場の動向や、2023年に売上を伸ばした「注目の漢方薬」などをまとめた「KAMPO OF THE YEAR 2023」を発表。クラシエ薬品 草柳徹哉 代表取締役社長と、クラシエ 薬品カンパニー ヘルスケア事業部 マーケティング部 砂橋久瑠実 課長が、その最注目トピックス話題を公表した。

漢方最新トレンド KAMPO OF THE YEAR 2023 で最注目の5題

◆漢方薬市場は一般用・医療用ともに直近6箇年で堅実に成長

◆20代・30代の若年層では購買指数が上昇傾向に

◆2023年も昨年に引き続き“のどの異常”に関連する処方が伸長

◆2023年の漢方トレンド:「アレルギー性鼻炎(花粉症)」と「耳鳴り」

◆2024年以降、継続的に拡大が予想されるカテゴリーは“フェムケア”

―――ということで、クラシエ薬品が発信したこの漢方最新トレンド5題について、ここから詳しくチェックしていこう↓↓↓

漢方薬市場は一般用・医療用ともに直近6箇年で堅実に成長

「薬局やドラッグストアで販売される一般用漢方薬の市場規模は、直近6箇年では増加傾向にあり堅実な成長を見せています。

2021年度はコロナ禍における漢方風邪薬の落ち込みにより減少傾向となりましたが、昨年から回復に転じ、今年は前年比113%を見込んでいます。

また、医療用漢方薬市場も直近6箇年で継続的に成長。2023年度は前年比103%を見込んでいます」

20代・30代の若年層では購買指数が上昇傾向に

「2023年度の一般用漢方薬市場では、20代・30代の若年層需要の増加傾向が見られました。

購入個数と来店者数を基に算出した購買指数(PI値)を年代ごとに比較を示したグラフでは、20代・30代ではいずれも前年比110%以上の高い伸長率となりました。

いっぽう、年代が高くなるほど伸長率は減少傾向にあり、既存ユーザーの高齢者層だけでなく、漢方薬の需要は幅広い年代に広がっているようすがうかがえます」

2023年も昨年に引き続き“のどの異常”に関連する処方が伸長

「一般用漢方薬市場において、1月~10月の期間で最も伸長率が高かった漢方処方は、しわがれ声やのどの痛みに対応する『響声破笛丸(きょうせいはてきがん)』という結果になりました。

2位・3位には咳関連の処方である『麦門冬湯(ばくもんどうとう)』『五虎湯(ごことう)』が入り、上位3位は全て“のどの異常”に関連する処方がランクインしています。

のどに関する処方が伸びた要因としては、新型コロナウイルスの影響で以前よりも咳への対処意向が高まったことで、セルフメディケーション需要が高まったことが推察されます」

2023年の漢方トレンド:「アレルギー性鼻炎(花粉症):秋花粉の需要増」

「2023年の漢方薬市場において、注目すべきトレンドの一つに「アレルギー性鼻炎(花粉症)」があげられます。

一般的に「鼻炎」に使われる漢方薬『小青竜湯』の需要は、2019年から2022年にかけて大きく縮小しましたが、2023年は需要が再拡大しています。

この背景には、今年の花粉飛散量が例年よりも多かったことや、脱マスクによる影響が考えられます。

また、10年前の季節指数と比較すると、直近4年間においてはやや秋口にかけての伸長が見られます。

いっぽう、春先の指数はダウン傾向にあり、秋花粉(イネ・ブタクサ等)の広まりが需要増に影響していると考えられます」

2023年の漢方トレンド:「耳鳴り」

「耳鳴りの対応する『七物降下湯(しちもつこうかとう)』『当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)』が昨年に続き大きく伸長したことも、今年の特徴のひとつです。

高齢化社会の到来による患者数の増加をベースに、一般用漢方薬での対処という選択が広がっていることが推察されます。

メーカー各社による投資効果も相まって、今後さらに伸長の見込まれる市場のひとつです。

耳鳴りの原因はさまざまで、「ストレス・疲れ」や「気圧の変化」のほか、中高年以上の方は加齢や高血圧に起因するケースも考えられます。

耳鳴りに対応する漢方薬は複数処方あるため、症状や自身のタイプに合わせて柔軟に選択できる点も、耳鳴りへの対処に漢方薬が選ばれている要因だと推察できます」

2024年以降、継続的に拡大が予想されるカテゴリーは“フェムケア”

「女性活躍の推進や社会の意識変化などを要因に“フェムケア”、“フェムテック”領域には引き続き高い関心が寄せられています。

“フェムテック”が広がり始めた当初は、テクノロジーを活用したアイテムに注目が集まりましたが、近年では、目新しさから個人の悩みに合わせた“フェムケア”に広がりを見せています。

漢方薬はPMSや月経不順、更年期といった症状に対し、そのような病名が無かった時代から、女性特有の疾患効果があるとして用いられてきました。

女性特有の多種多様な悩みと漢方薬の親和性は高く、実際にフェムテック・フェムケアという言葉が日本で広がり始めた2019年前後から、女性疾患処方の伸長が顕著に表れており、年平均11.7%の成長率で拡大しています。

フェムケア関連市場の拡大とも相まって、漢方薬の視点からも非常に注目度の高いカテゴリーであると考えています。

「漢方を通じて、理想とする健康的な暮らしを」

「クラシエ薬品は漢方のプロフェッショナルとして、半世紀以上にわたり日本に暮らす人々の健康で豊かな暮らしをサポートしてきました。

漢方薬を中心に一般用医薬品から医療用医薬品まで自社一貫体制の下で幅広く提供しています。

近年、健康の価値や暮らしのあり方が大きく変化している社会の状況を受けて、クラシエ薬品は漢方事業における医療用分野と一般用分野の連携を強め、「クラシエの漢方」として事業一体で漢方薬を通じた健康価値の提供を高めていくことに挑戦していきます。

漢方を通じて、日本に暮らす人々が自らの健康を総合的に見つめ、理想とする健康的な暮らしをつくることをサポートしていきます」

(クラシエ薬品 草柳徹哉 代表取締役社長/クラシエ 薬品カンパニー ヘルスケア事業部 マーケティング部 砂橋久瑠実 課長)

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