筋骨格ぜい弱化、筋力低下、皮膚・髪の劣化、認知思考力の低下、情緒・精神の不安定化、免疫力の低下……。
これ、なにが不足するとこうしたリスクを引き起こすか知ってる?
それは―――たんぱく質。
あの青汁で知られるキューサイは9月2日、「植物性と動物性、ダブルたんぱく質の最新研究成果」について報告会を実施。
「植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を同時に摂取すると、たんぱく質を効率的に吸収し、『筋肉の萎縮』をおさえる傾向があることを確認した」(キューサイ)という。
この結果の詳しい情報の前に、まず、たんぱく質ってどんな成分か。
「たんぱく質は全身の2割を占める成分。水分を除くと固形分のほぼ半分がたんぱく質で占められている」
「食品として摂取できるたんぱく質は、大きく植物性と動物性に分けられる。植物性たんぱく質は、豆や豆腐などの大豆製品に多く含まれ、大豆たんぱく質ならポリフェノール(イソフラボン)や食物繊維が同時に摂れることから女性に人気」
「動物性たんぱく質は、肉や魚介、卵や乳製品に豊富に含まれ、必須アミノ酸が多く含むことから筋肉づくりには欠かせない」(キューサイ)
―――じゃあ、植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を同時に摂取すると、なぜ効率的にたんぱく質を吸収できるのか、だ。
血中BCAA濃度と筋湿重量を測定
キューサイは、「植物性たんぱく質+動物性たんぱく質」の食品と、動物性たんぱく質のみの食品をラットに与えた、血中BCAA濃度と筋湿重量を測定。
「筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称」(大塚製薬)というBCAAの血中濃度は、研究の結果、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を同時に摂ったほうが、持続性が認められたという。
また、腓腹筋(ひふくきん、ふくらはぎにある筋肉)やヒラメ筋(同)の筋湿重量が、ダブルたんぱく質のほうが、動物性たんぱく質のみよりも2倍以上あることがわかったという。
医師やバイオ科学の専門家も「植物性と動物性の両方を、同時に均一にが重要」
同報告会には、赤坂ファミリークリニック院長で東京大学医学部附属病院小児科医師、東京大学大学院 客員研究員 伊藤明子医師、神奈川工科大学応用バイオ科学部栄養生命科学科 非常勤講師 佐々木一先生、徳島大学 大学院医歯薬学研究部 生体栄養学分野 教授で同大 宇宙栄養研究センター長の二川健教授も登壇。
伊藤医師は、「女性はたんぱく質摂取量が低下・不足している。たんぱく質は美と健康・メンタルに重要。一日3回、たんぱく質を摂ることが難しければ、間食にたんぱく質を」と伝えた。
また佐々木先生は「歳を重ねるごとにたんぱく質を多めに摂ることが必要。肉や魚と野菜というように、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく摂ることが大事」と。
さらに二川教授は「ホエイペプチドの摂取はヒラメ筋の遅筋(持続力)を抑制、大豆たんぱく質の摂取は速筋(瞬発力)の筋萎縮を抑制することがわかった」と伝えていた。
―――最後に、キューサイ 研究開発部 森田愛子 研究員は、「日本人は毎食あたりのたんぱく質量が不均一。一日3食でたんぱく質を均一に摂ったほうが効率的」といったポイントも教えてくれた。
写真 記事:大野雅人