海外旅行におすすめの行先、今回はアジアとヨーロッパが混在する国「トルコ」の観光地をいくつかご紹介します。
美しい雪のように白い石灰棚が連なるユネスコ世界遺産「パムッカレ」
トルコ西部に位置するパムッカレは、温泉が湧き出るエリアとして古来より知られており、酸素と温泉水の相互作用によって形成された美しい雪のように白い石灰棚で知られ、ユネスコ世界遺産に登録されています。
歴史と自然が完璧に融合したパムッカレの石灰棚は、天然のミネラル水とともに癒しの効果があると信じられています。
毎年、世界中の人々が息をのむような風景と若返りの効果を求めて、この魅惑的な地に集まってきます。石灰棚のほとんどは、その繊細な構造のために保護されていますが、観光客は小さなテラス状のプールがある石灰棚の一部を自由に歩くことができます。
パムッカレの名産品は織物で、中でも伝統的な技法で綿布から作られるブルダン織が有名です。
独特の織り方と厳選された染料により、ブルダン織は非常に長持ちし、肌に優しい風合いで、よく水を吸い取るのに早く乾くことで知られています。
パムッカレへは、首都イスタンブルからデニズリまで国内線で約1時間、その後デニズリからレンタカーやタクシー、シャトルサービスなどを利用して更に約1時間の移動で到着します。
パムッカレに隣接するもう一つの世界遺産「ヒエラポリス」の古代都市
ヒエラポリス古代都市は、パムッカレの石灰棚に隣接しています。
約2,500年前、ペルガモンのエウメネス2世は、石灰棚の素晴らしさに魅了され、この遺跡の近くに都市を建設しました。
古代劇場、神殿、記念碑的な噴水、墳墓、アゴラ(公共広場)、体育館などを探索しながら、2,000年前に存在した石造りの道を散策すると、まるでタイムスリップしたような感覚に陥ることでしょう。
古代劇場やヒエラポリス博物館などの有名な建築物は、神話の物語を描いた特徴的なレリーフと、見事な舞台建築と客席によって、地中海沿岸のローマ時代の劇場の中でも際立っている存在です。この息をのむような劇場の最上部に座って、何時間も完全に静寂に包まれた周囲を見渡す体験は、また格別です。
ローマ浴場は、かつては温泉センターとして崇められていましたが、現在は考古学博物館として再利用されています。
ヒエラポリス博物館では、ラオディケイアやトリポリスといった近隣の遺跡の発掘調査で発見された魅力的な工芸品のコレクションを見ることができます。これらの宝物は、石灰のブロック石で造られた印象的な丸天井のローマ浴場構造の中に展示されています。
古代の癒しの水
ヒエラポリスは、この地域にある若返りの温泉水のおかげで、長い間、癒しと健康の中心地と考えられており、何世紀も経った今でもこの古代都市はその温泉水の治療と若返りの効果を求める観光客を惹きつけ続けています。
年間を通して水温36℃のアンティーク・プールは、通称クレオパトラ・プールと呼ばれており、アンティークの柱と大理石に囲まれた古代プールに浸かるのは、またとない体験です。古代遺跡の中で泳ぐ特別な体験をぜひ味わってください。
食べ物ではジューシーなラム肉を伝統的な石窯で巧みに調理した、デニズリのケバブもおすすめです。
ヨーロッパ大陸とアジア大陸が出会う街イスタンブール、ボスポラス海峡
次は、首都イスタンブールにあり、アジアとヨーロッパを隔てる「ボスポラス海峡」をご紹介します。
イスタンブル市民や国内外の観光客にとって、ボスポラス海峡沿岸はイスタンブルで最もトレンディなエリアの一つに挙げられます。
街の素晴らしい眺望を楽しめる主なボートツアーは、賑やかなカバタシュ地区とエミノニュ地区のフェリー埠頭から出発します。
限られた時間でボスポラス海峡とその海岸線の美しさを堪能できるこれらのツアーは観光客に人気で、よりカスタマイズされた特別なツアーを体験できるプライベート・ボートのチャーターも用意されています。
ボスポラス海峡の海岸線には、この大都市の活気を際立たせる活き活きとした楽しい雰囲気に加え、素晴らしい魚料理のレストラン、ミシュランに格付けされた高級レストラン、絶品の各国料理やトルコ料理を提供するレストラン、絵のように美しいカフェ、さらには洗練されたナイトクラブまであります。
イスタンブールの最も重要な文化遺産の一つに、様々な建築様式を特徴とした建造物が挙げられます。
オスマン帝国時代の建造物は、所有者の地位によって、邸宅の場所や色彩が決まり、一般的に、2~3階建て、多くの部屋や区画、そして広い庭園や木立を持つ邸宅のスタイルで建てられました。
ほとんどの建物は、石やレンガ、木や木材(バグダディ)の技法で造られ、手書きの装飾や広い出窓(ジュンバ) など、オスマン建築の様式が採用されています。海沿いという立地条件にふさわしく、邸宅の多くにはボートハウスがありました。
ドルマバフチェ宮殿、チュラアン宮殿、アディレ・スルタン館、ベイレルベイ宮殿、キュチュクス館は、現在ボスポラス海峡沿いで見ることのできる最も著名な建造物ですが、かつては300以上の邸宅が海峡の両側に並んでいたと考えられています。
これらの建物は、共和制時代に建てられたものもありますが、ほとんどはオスマン帝国時代に建てられたものです。現存する建造物の中には、保全活動によってかつての輝きを取り戻し、ホテルや博物館、華麗なイベント会場に改築されたものもあります。多くの邸宅は今でも彼らの子孫の住まいとして使われています。
トルコについて
地中海沿岸に位置し有名なボスポラス海峡が隔てるアジアとヨーロッパを結ぶトルコは、何世紀にもわたり文化的な交流と多様性の拠点と考えられてきました。
多様な文明が反映された歴史、遺跡、自然や美食を有し、多目的なデスティネーションです。伝統とモダンが融合した芸術やファッションをはじめ、ダイナミックなショッピングやエンターテインメントライフによって世界中から訪れる人々を魅了し続けています。2023年には全世界から5,670万人の観光客を迎えました。2023年にトルコ共和国として建国100周年を迎えたのに続き、2024年は日本との外交関係樹立100周年を迎えます。
(写真:トルコ共和国大使館 文化観光局)
今回はトルコのヒエラポリスとパムッカレと、イスタンブールにあるボスポラス海峡に関して少しだけご紹介しましたので、旅行先を決める際の参考にしてくださいね。
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